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黒髪
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まあなんにしてもこれでここもおきなくカノ草に集中できる。俺は早速鍋蓋を召喚し、黒髪に持たせた。さっき俺が使っていた包丁も忘れない。
「よし、そろそろ昼になるし引き上げるかな」
黒髪に盾(ガラス製の鍋蓋)と短剣(包丁)を装備させてから俺はひたすらカノ草の採取をしていた。だいたいボール2つ分だろうか…やっぱり森はたくさん生えていて、他の本に書かれていた草も少しだけ見つけることが出来た。まあ今じゃボールの中に混ざってしまってどれがどれだかわからなくなっているけども。
「ん、そろそろ帰る? じゃあこれらどうしようか?」
あーそういえば。俺がカノ草を集めている間にゴブリンが3匹ほどやって来て、足元に転がされていた。
「解体は…出来ないか」
解体を頼もうかと思ったんだけど、言いかけたところで首を振られた。やっぱり自分と同じで出来ないみたいだ。仕方がないので再びゴブリンを布で包み保管庫にしまって持って行くことにした。
「そうだ昼はこの町のどこかで食べてみるんだろう? 俺も連れてけよっ」
「やっぱり食べてみたいのか」
「そりゃ~ね」
「わかった。まずはギルドよるからその後でまた出しなおすわ」
「了解~」
黒髪も保管庫にしまってから俺は港町へと戻った。
ギルドに寄った俺はまず先に解体所へ向かいゴブリンの処理をしてもらう。最初に向かってきた1匹と後でやってきた3匹を取り出しお願いした。昨日と同じように討伐証明部位の切り取りと魔石の買い取りを頼んで、1200リラになった。これで丁度ゴブリンの耳が5つ。カウンターへ持って行けばゴブリン5匹の討伐が完了したことになる。掲示板の所でゴブリンの討伐依頼をはがしてからカウンターへ。ちなみにゴブリンの討伐はEランクの所に張ってあったやつだ。Fランクに討伐依頼はない。
「おめでとうございます。依頼5回が終わり本登録へと移ります」
あ…すっかりそんなこと忘れていたよ。
「ですのでカノ草が今回3回分ありましたが、2回分だけまず受け取り…その1回分とこちらのゴブリン討伐を本登録のカードの方での報告としておきますね」
「はいじゃあそれで」
「それでですね本登録につきましてカードが出来上がるまでの時間があるので、残りの説明を行いたいのですが今からよろしいでしょうか?」
それはよろしくないな。今からまずは昼食にしたいし。
「えーと昼食をとりに行きたいんですけど…」
「わかりました。それではまた後でこちらのカウンターへお越しください」
お金だけ受け取り俺はギルドを後にした。手持ちのお金と合わせると8000リラ、朝宿に1000リラ使ったから昨日と今日で9000リラ稼いだことになる。そういえば知らない間に別の草も買い取られていたみたいだ。まあいらないからいいんだけども。とにかくこれで何とかやっていくめどは立ったな。いるものを買いそろえていくのにはまだまだ足りない感じだが…
適当に人通りの少ない場所へ行って黒髪を取り出す。2人で町の中を歩いてどこの店で食べようかと健闘をする。中央広場に出ている店はこぎれいでぼちぼち値段の張るものが多い。だけど俺たちはおいしくて安い方がいい。なので広場を物色したあとは港へと向かった。そういえば収納から黒髪を出しなおしたらゴブリンの血にまみれていたのが全くなかったことになっていた。
「はいよ、串焼き2本で300リラなっ」
港につくと俺たちは早速露店で売っていた串焼きを買った。何の肉かわからないがこの世界では誰もが普通に食べているものだし、問題はないはず。味の好みによるだろうが。
「ん…ぼちぼちうまいじゃん」
「そうだな、ちょっと肉は硬めだけどうまいな」
串焼きは塩と何かの香辛料がかかっていた。どうやらコショウではないらしい。まあコショウは高いって言ってたし、普通に使っているわけがないな。それにしても串焼きの店が多い…露店で出せる飲食となるとそんなものなのかもしれないが…まあ肉だけじゃなくて魚も串に刺されて焼かれていたのでもちろん買って食べた。こっちは2本で400リラ。肉よりちょっとだけ高め。味付けは塩だけだった。
俺たちは露店を見て歩きいくつか果物も食べてみた。見た目がリンゴみたいだけど味が桃なモモリン。みかんに見えたけど半分に割ってみると白いつるんとした実が入っていて驚いた。これはライチっぽくて名前はミライ。大ぶりなイチゴの中には細かい赤い粒が入っていてザクロみたいだ。名前はイチクロ。どれも甘くておいしい。今の所酸味の強い果物にはあたっていない。それぞれ1つずつ買って半分に分けて食べた。合わせて900リラ…果物はちょっと高いな。まあ2人分無そうなのかもしれんが。
「…なあ」
「ん?」
「トイレはどこだ?」
「トイレ…ああ、言われてみれば公衆トイレとかあるのかな?」
ユニの家に居た時はユニの家で、港町に来てからは宿くらいでしか利用したことがない。あーあと冒険者ギルドにもあったかも。
「宿にいこうか」
「よろしく~」
トイレを使うために俺たちは一度宿に戻ることにした。この世界のトイレは…まあただの穴だな。暗くてよく見えないから中がどうなっているかわからないけどね。
「えーとトイレは中に入って…」
宿の前についたところで場所を教えようと振り向くと黒髪はいなくなっていた。収納の中を確認してもやっぱりいない。状況は違うけど井之頭先輩の時のようにいきなり消えていた。
「よし、そろそろ昼になるし引き上げるかな」
黒髪に盾(ガラス製の鍋蓋)と短剣(包丁)を装備させてから俺はひたすらカノ草の採取をしていた。だいたいボール2つ分だろうか…やっぱり森はたくさん生えていて、他の本に書かれていた草も少しだけ見つけることが出来た。まあ今じゃボールの中に混ざってしまってどれがどれだかわからなくなっているけども。
「ん、そろそろ帰る? じゃあこれらどうしようか?」
あーそういえば。俺がカノ草を集めている間にゴブリンが3匹ほどやって来て、足元に転がされていた。
「解体は…出来ないか」
解体を頼もうかと思ったんだけど、言いかけたところで首を振られた。やっぱり自分と同じで出来ないみたいだ。仕方がないので再びゴブリンを布で包み保管庫にしまって持って行くことにした。
「そうだ昼はこの町のどこかで食べてみるんだろう? 俺も連れてけよっ」
「やっぱり食べてみたいのか」
「そりゃ~ね」
「わかった。まずはギルドよるからその後でまた出しなおすわ」
「了解~」
黒髪も保管庫にしまってから俺は港町へと戻った。
ギルドに寄った俺はまず先に解体所へ向かいゴブリンの処理をしてもらう。最初に向かってきた1匹と後でやってきた3匹を取り出しお願いした。昨日と同じように討伐証明部位の切り取りと魔石の買い取りを頼んで、1200リラになった。これで丁度ゴブリンの耳が5つ。カウンターへ持って行けばゴブリン5匹の討伐が完了したことになる。掲示板の所でゴブリンの討伐依頼をはがしてからカウンターへ。ちなみにゴブリンの討伐はEランクの所に張ってあったやつだ。Fランクに討伐依頼はない。
「おめでとうございます。依頼5回が終わり本登録へと移ります」
あ…すっかりそんなこと忘れていたよ。
「ですのでカノ草が今回3回分ありましたが、2回分だけまず受け取り…その1回分とこちらのゴブリン討伐を本登録のカードの方での報告としておきますね」
「はいじゃあそれで」
「それでですね本登録につきましてカードが出来上がるまでの時間があるので、残りの説明を行いたいのですが今からよろしいでしょうか?」
それはよろしくないな。今からまずは昼食にしたいし。
「えーと昼食をとりに行きたいんですけど…」
「わかりました。それではまた後でこちらのカウンターへお越しください」
お金だけ受け取り俺はギルドを後にした。手持ちのお金と合わせると8000リラ、朝宿に1000リラ使ったから昨日と今日で9000リラ稼いだことになる。そういえば知らない間に別の草も買い取られていたみたいだ。まあいらないからいいんだけども。とにかくこれで何とかやっていくめどは立ったな。いるものを買いそろえていくのにはまだまだ足りない感じだが…
適当に人通りの少ない場所へ行って黒髪を取り出す。2人で町の中を歩いてどこの店で食べようかと健闘をする。中央広場に出ている店はこぎれいでぼちぼち値段の張るものが多い。だけど俺たちはおいしくて安い方がいい。なので広場を物色したあとは港へと向かった。そういえば収納から黒髪を出しなおしたらゴブリンの血にまみれていたのが全くなかったことになっていた。
「はいよ、串焼き2本で300リラなっ」
港につくと俺たちは早速露店で売っていた串焼きを買った。何の肉かわからないがこの世界では誰もが普通に食べているものだし、問題はないはず。味の好みによるだろうが。
「ん…ぼちぼちうまいじゃん」
「そうだな、ちょっと肉は硬めだけどうまいな」
串焼きは塩と何かの香辛料がかかっていた。どうやらコショウではないらしい。まあコショウは高いって言ってたし、普通に使っているわけがないな。それにしても串焼きの店が多い…露店で出せる飲食となるとそんなものなのかもしれないが…まあ肉だけじゃなくて魚も串に刺されて焼かれていたのでもちろん買って食べた。こっちは2本で400リラ。肉よりちょっとだけ高め。味付けは塩だけだった。
俺たちは露店を見て歩きいくつか果物も食べてみた。見た目がリンゴみたいだけど味が桃なモモリン。みかんに見えたけど半分に割ってみると白いつるんとした実が入っていて驚いた。これはライチっぽくて名前はミライ。大ぶりなイチゴの中には細かい赤い粒が入っていてザクロみたいだ。名前はイチクロ。どれも甘くておいしい。今の所酸味の強い果物にはあたっていない。それぞれ1つずつ買って半分に分けて食べた。合わせて900リラ…果物はちょっと高いな。まあ2人分無そうなのかもしれんが。
「…なあ」
「ん?」
「トイレはどこだ?」
「トイレ…ああ、言われてみれば公衆トイレとかあるのかな?」
ユニの家に居た時はユニの家で、港町に来てからは宿くらいでしか利用したことがない。あーあと冒険者ギルドにもあったかも。
「宿にいこうか」
「よろしく~」
トイレを使うために俺たちは一度宿に戻ることにした。この世界のトイレは…まあただの穴だな。暗くてよく見えないから中がどうなっているかわからないけどね。
「えーとトイレは中に入って…」
宿の前についたところで場所を教えようと振り向くと黒髪はいなくなっていた。収納の中を確認してもやっぱりいない。状況は違うけど井之頭先輩の時のようにいきなり消えていた。
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