331 / 356
魔力譲渡
314. 話を聞きに行く
しおりを挟む
ジエル視点①を4話の後に追加しました。
───────────
俺とルーは箱庭から出てルーの住んでいる家のジエルの部屋の前にやってきた。扉をノックすると部屋の中から返事が返ってくるかと思いきや、いきなり扉が外へと開いて顔面を打ち付けた。
「…あ」
「いた…くはないけど、いきなり開けたらだめだろうが」
「ここと、ここが、赤くなってる」
ジエルは額と鼻を指で示し首を傾げた。どうやら自分がやったというじかくがないみたいだね。
「もういいや…」
「ジエル、リョータさんが御神木様に会いたいそうなんだけどすぐ会えるかしら」
「今から?」
「出来たら今からがいいかな」
「…だめ。今から、私は、おやつ」
いやいやいやいや…ジエルの都合もだけど、まずは御神木様の都合はいいのか聞いているんだけどね~?
「清めなくて、いい、から…明日朝、来て?」
「朝って言うとお祈りの時間?」
「そう、面倒」
面倒って…巫女ってそれでいいのかよ。まあいいや明日の朝なら会わせてくれるって言ってるし、その時に聞きに行こう。
ルーとジエルと別れ箱庭に戻ってからまったり過ごすことにした。スキルを作るのに思ったより魔力を使っていたみたいで、それなりにだるさを感じたからね。
次の日朝早くから起きてみんなの朝食を用意したあと、俺は響子と一緒にジエルの元へと向かった。
「そういえば響子、御神木様に会うのに普通の服装なんだな」
「え、いつもそうだよ~? 儀式とかじゃないのに着るわけないじゃない。毎日なのにそんなことしてたら大変じゃないの」
「そりゃそうか」
「うん。りょーちゃんだって普通の服装じゃん」
言われてみればそうだわ。というかお清めとかも初回だけで後はやっていないな。ジエルの部屋の前につくと扉をノックした。今日は中から返事が返って来てゆっくりと扉が開いた。中から出来てたのはルー。うん、どおりでと一人で納得。
「ではいきましょうか」
俺、ルー、響子、ジエルの4人は以前歩いて向かったのと同じ場所を通り御神木様の元まで向かった。少し手前でルーが足を止めたので俺はルーの手を引いた。
「リョータさん?」
「せっかくだからルーも一度会っておこうよ」
「いいのでしょうか? 私は直接関係がないのに…」
「別に怒られることもないんじゃないかな。もし怒られるのなら、今まで御神木様を連れ歩いていた俺と響子はもうとっくに怒られているよ」
俺がそういうと観念したのかルーも大人しくついてきた。どうやら2人がお祈りをしている間、ルーは少し離れたところで終わるのを待っているのが普通だったみたいだね。
御神木様の足元へやってくるとジエルと響子は両膝をつき両手を胸の前で組んで祈りを始めた。それと同時に辺りに淡い光が現れ始める。すると少し離れた場所にちらほらとエルフが集まり出した。
「ルー、もしかして毎日こうなの?」
「あの人たちのことですか? たまたま光に気がついてやってきただけなんだと思いますよ」
言っちゃ悪いがまるで光に集まる虫みたいだよ…
「リョータ、手」
「ああそうだった」
「リョーちゃんは私と手を繋ぐんだよ」
俺は2人の傍に近寄り、ジエルの肩に手を置いた。
「なんで~っ」
「起きやすい場所に肩があったから?」
「意味がわからないわっ」
響子が一人文句をいっているだけでジエルは黙っているので放置しておき、俺は顔をあげた。ちょっとぶりに見た御神木様だけど、2人ともやっぱり幼女だな…
「これが御神木様…」
初めて見る御神木様の姿をルーはぼんやりと眺めていた。
───────────
俺とルーは箱庭から出てルーの住んでいる家のジエルの部屋の前にやってきた。扉をノックすると部屋の中から返事が返ってくるかと思いきや、いきなり扉が外へと開いて顔面を打ち付けた。
「…あ」
「いた…くはないけど、いきなり開けたらだめだろうが」
「ここと、ここが、赤くなってる」
ジエルは額と鼻を指で示し首を傾げた。どうやら自分がやったというじかくがないみたいだね。
「もういいや…」
「ジエル、リョータさんが御神木様に会いたいそうなんだけどすぐ会えるかしら」
「今から?」
「出来たら今からがいいかな」
「…だめ。今から、私は、おやつ」
いやいやいやいや…ジエルの都合もだけど、まずは御神木様の都合はいいのか聞いているんだけどね~?
「清めなくて、いい、から…明日朝、来て?」
「朝って言うとお祈りの時間?」
「そう、面倒」
面倒って…巫女ってそれでいいのかよ。まあいいや明日の朝なら会わせてくれるって言ってるし、その時に聞きに行こう。
ルーとジエルと別れ箱庭に戻ってからまったり過ごすことにした。スキルを作るのに思ったより魔力を使っていたみたいで、それなりにだるさを感じたからね。
次の日朝早くから起きてみんなの朝食を用意したあと、俺は響子と一緒にジエルの元へと向かった。
「そういえば響子、御神木様に会うのに普通の服装なんだな」
「え、いつもそうだよ~? 儀式とかじゃないのに着るわけないじゃない。毎日なのにそんなことしてたら大変じゃないの」
「そりゃそうか」
「うん。りょーちゃんだって普通の服装じゃん」
言われてみればそうだわ。というかお清めとかも初回だけで後はやっていないな。ジエルの部屋の前につくと扉をノックした。今日は中から返事が返って来てゆっくりと扉が開いた。中から出来てたのはルー。うん、どおりでと一人で納得。
「ではいきましょうか」
俺、ルー、響子、ジエルの4人は以前歩いて向かったのと同じ場所を通り御神木様の元まで向かった。少し手前でルーが足を止めたので俺はルーの手を引いた。
「リョータさん?」
「せっかくだからルーも一度会っておこうよ」
「いいのでしょうか? 私は直接関係がないのに…」
「別に怒られることもないんじゃないかな。もし怒られるのなら、今まで御神木様を連れ歩いていた俺と響子はもうとっくに怒られているよ」
俺がそういうと観念したのかルーも大人しくついてきた。どうやら2人がお祈りをしている間、ルーは少し離れたところで終わるのを待っているのが普通だったみたいだね。
御神木様の足元へやってくるとジエルと響子は両膝をつき両手を胸の前で組んで祈りを始めた。それと同時に辺りに淡い光が現れ始める。すると少し離れた場所にちらほらとエルフが集まり出した。
「ルー、もしかして毎日こうなの?」
「あの人たちのことですか? たまたま光に気がついてやってきただけなんだと思いますよ」
言っちゃ悪いがまるで光に集まる虫みたいだよ…
「リョータ、手」
「ああそうだった」
「リョーちゃんは私と手を繋ぐんだよ」
俺は2人の傍に近寄り、ジエルの肩に手を置いた。
「なんで~っ」
「起きやすい場所に肩があったから?」
「意味がわからないわっ」
響子が一人文句をいっているだけでジエルは黙っているので放置しておき、俺は顔をあげた。ちょっとぶりに見た御神木様だけど、2人ともやっぱり幼女だな…
「これが御神木様…」
初めて見る御神木様の姿をルーはぼんやりと眺めていた。
3
お気に入りに追加
303
あなたにおすすめの小説
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
才能は流星魔法
神無月 紅
ファンタジー
東北の田舎に住んでいる遠藤井尾は、事故によって気が付けばどこまでも広がる空間の中にいた。
そこには巨大な水晶があり、その水晶に触れると井尾の持つ流星魔法の才能が目覚めることになる。
流星魔法の才能が目覚めると、井尾は即座に異世界に転移させられてしまう。
ただし、そこは街中ではなく誰も人のいない山の中。
井尾はそこで生き延びるべく奮闘する。
山から降りるため、まずはゴブリンから逃げ回りながら人の住む街や道を探すべく頂上付近まで到達したとき、そこで見たのは地上を移動するゴブリンの軍勢。
井尾はそんなゴブリンの軍勢に向かって流星魔法を使うのだった。
二日に一度、18時に更新します。
カクヨムにも同時投稿しています。
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ガチャで破滅した男は異世界でもガチャをやめられないようです
一色孝太郎
ファンタジー
前世でとあるソシャゲのガチャに全ツッパして人生が終わった記憶を持つ 13 歳の少年ディーノは、今世でもハズレギフト『ガチャ』を授かる。ガチャなんかもう引くもんか! そう決意するも結局はガチャの誘惑には勝てず……。
これはガチャの妖精と共に運を天に任せて成り上がりを目指す男の物語である。
※作中のガチャは実際のガチャ同様の確率テーブルを作り、一発勝負でランダムに抽選をさせています。そのため、ガチャの結果によって物語の未来は変化します
※本作品は他サイト様でも同時掲載しております
※2020/12/26 タイトルを変更しました(旧題:ガチャに人生全ツッパ)
※2020/12/26 あらすじをシンプルにしました
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
転移術士の成り上がり
名無し
ファンタジー
ベテランの転移術士であるシギルは、自分のパーティーをダンジョンから地上に無事帰還させる日々に至上の喜びを得ていた。ところが、あることがきっかけでメンバーから無能の烙印を押され、脱退を迫られる形になる。それがのちに陰謀だと知ったシギルは激怒し、パーティーに対する復讐計画を練って実行に移すことになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる