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空を飛ぶ
301. 節操のない種族
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一応ある街道を馬車で進んでいく。あまり馬車や人が通らないのかその道はデコボコでたまに車輪が跳ね上がる。
「もしかして北側との交流はあまりないのか?」
「そうですね。全くないわけではないですが、あの人たちはあまり他の町へはいかないです」
うーん…もしかしてあまりよく思われていない種族が住んでいるんだろうか?
「エルフや獣人達が住んでいた場所は緑豊かな感じだったけど、こっちはどんどんなくなっていく…どんな人たちが住んでいるんだろう」
「この先は岩場が多くなってきて、山が増えてきます。ですので全く緑がないわけではないんですよ」
確かに北西の方には山がいくつか見えるな。距離のせいか山がどんな大きさかわからないが。でも岩場と山か… となると鉱石とかが取れそうなイメージがある。
「もしかしてこの先に住んでいるのはドワーフなのか?」
「…よくわかりましたね。あったことありますか?」
「ああ王都の冒険者ギルドで酒を飲んでいるのを見たぞ」
そんな俺の言葉にルーが呆れた顔を見せた。
「相変わらず節操のない種族ですね…」
「ん?」
「自分たちのやりたいことさえやれれば後は何でもいいと思っているんです」
やりたいこと…
「もしかして鍛冶と酒か?」
「ほぼ正解ですね。まあみんながみんな同じものが好きなわけじゃないですが、大半はそんな感じです」
なるほどね~ 自分に正直に生きるって感じなのかな。まあそれが出来るのは幸せなことかもしれないけれど、誰もが出来ることでもない。羨ましくもあり、とても残念に思える種族だな。
「最初の町が見えてきましたね」
おっとルーの方ばかり見てたから気がつかなかった。前に視線を戻すとその先には小高い塀…? いやちがう。あれは山に積まれた金属がまるで町を囲む壁のように積み上げられているだけだ!
「ルー…あれは壁なのか?」
「そうみえるんですか?」
違うんだ…
俺たちが乗った馬車が入り口っぽく開けられた場所の正面に到着した。
「馬車はしまいましょうか」
「そのほうがいいなら」
「馬車で町中は進めないんですよ」
馬車が進めない道幅なのか。それなら仕方がない。ネコルーを箱庭に戻し馬車をインベントリにしまう。そして俺とルーは歩いて門? をくぐった。
「…うわぁ~」
これは馬車での移動は無理だ。壁っぽい奴だけじゃなく道や建物の脇などにもいろんなものが落ちている。やっぱりそれらも金属ばかりだね。これはもしかしてゴミなのか? ドワーフたちにとって金属はゴミなのか?
そんなことを考えながらあたりを見ているとひとりのドワーフが家から出てきておもむろに鍋を壁? の所へ運んでいた。そのドワーフが鍋を壁の所に置くと戻っていったのでその鍋を見てみることに。えーと…使ってだめになったものというより、変わった形のものが多数。鍋の底からホースのように穴が伸びているものがとても印象的だった。何に使うものなのかまったくわからない…
「ルー…なんなんだよこれ」
「…なんなんでしょうね? 私もわかりません。言えることはそこらにおかれている金属たちはもういらないものということくらいです」
いらないもの…え、つまり本当にゴミってことか? 俺がポイントにしちゃっても誰も困らない? むしろ喜ばれたりする??
「あー…これリョータさんのガチャのポイントにしてしまいましょうか」
「いいの?」
「多分大丈夫だと思いますが、念のためにこの町の長に聞いてみますか」
ということで俺とルーはこの町の長に会いに歩きにくい町の中を進んで奥へと向かっていった。
「もしかして北側との交流はあまりないのか?」
「そうですね。全くないわけではないですが、あの人たちはあまり他の町へはいかないです」
うーん…もしかしてあまりよく思われていない種族が住んでいるんだろうか?
「エルフや獣人達が住んでいた場所は緑豊かな感じだったけど、こっちはどんどんなくなっていく…どんな人たちが住んでいるんだろう」
「この先は岩場が多くなってきて、山が増えてきます。ですので全く緑がないわけではないんですよ」
確かに北西の方には山がいくつか見えるな。距離のせいか山がどんな大きさかわからないが。でも岩場と山か… となると鉱石とかが取れそうなイメージがある。
「もしかしてこの先に住んでいるのはドワーフなのか?」
「…よくわかりましたね。あったことありますか?」
「ああ王都の冒険者ギルドで酒を飲んでいるのを見たぞ」
そんな俺の言葉にルーが呆れた顔を見せた。
「相変わらず節操のない種族ですね…」
「ん?」
「自分たちのやりたいことさえやれれば後は何でもいいと思っているんです」
やりたいこと…
「もしかして鍛冶と酒か?」
「ほぼ正解ですね。まあみんながみんな同じものが好きなわけじゃないですが、大半はそんな感じです」
なるほどね~ 自分に正直に生きるって感じなのかな。まあそれが出来るのは幸せなことかもしれないけれど、誰もが出来ることでもない。羨ましくもあり、とても残念に思える種族だな。
「最初の町が見えてきましたね」
おっとルーの方ばかり見てたから気がつかなかった。前に視線を戻すとその先には小高い塀…? いやちがう。あれは山に積まれた金属がまるで町を囲む壁のように積み上げられているだけだ!
「ルー…あれは壁なのか?」
「そうみえるんですか?」
違うんだ…
俺たちが乗った馬車が入り口っぽく開けられた場所の正面に到着した。
「馬車はしまいましょうか」
「そのほうがいいなら」
「馬車で町中は進めないんですよ」
馬車が進めない道幅なのか。それなら仕方がない。ネコルーを箱庭に戻し馬車をインベントリにしまう。そして俺とルーは歩いて門? をくぐった。
「…うわぁ~」
これは馬車での移動は無理だ。壁っぽい奴だけじゃなく道や建物の脇などにもいろんなものが落ちている。やっぱりそれらも金属ばかりだね。これはもしかしてゴミなのか? ドワーフたちにとって金属はゴミなのか?
そんなことを考えながらあたりを見ているとひとりのドワーフが家から出てきておもむろに鍋を壁? の所へ運んでいた。そのドワーフが鍋を壁の所に置くと戻っていったのでその鍋を見てみることに。えーと…使ってだめになったものというより、変わった形のものが多数。鍋の底からホースのように穴が伸びているものがとても印象的だった。何に使うものなのかまったくわからない…
「ルー…なんなんだよこれ」
「…なんなんでしょうね? 私もわかりません。言えることはそこらにおかれている金属たちはもういらないものということくらいです」
いらないもの…え、つまり本当にゴミってことか? 俺がポイントにしちゃっても誰も困らない? むしろ喜ばれたりする??
「あー…これリョータさんのガチャのポイントにしてしまいましょうか」
「いいの?」
「多分大丈夫だと思いますが、念のためにこの町の長に聞いてみますか」
ということで俺とルーはこの町の長に会いに歩きにくい町の中を進んで奥へと向かっていった。
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