316 / 356
空を飛ぶ
300. 北へ
しおりを挟む
朝起きてまずは身支度を整える。その後店へ向かい昨夜のうちに用意しておいた朝食をすぐ食べられるように準備を始めた。まあ朝は簡単なものでスープとロールパンだけ。どっちもこの世界のものよりおいしく出来ているのでこれだけで喜んでもらえるので問題ない。スープは調理場に置いておき、作業員たちがやってきたら温められるようにしておき、ロールパンは冷めても問題ないのでまとめて皿にだしておいた。その後自分達も食事を済ませる。
朝食を済ませた後、響子がお祈りへ向かうのでシズクがまだ目を覚まさないノノさんの傍に。俺はこのお祈りが終わったらシズクと一緒にやってくるルーとエルフの里からさらに北へと向かう予定だ。この待ち時間の間にノノさんの状態を見に行ったり昼食の準備をしておこう。
「ノノさんはどんな感じ?」
「そうだな…前はほとんど動かなかったが、今は寝返りとかうつようになったぞ。そろそろ起きるんじゃねーか?」
なるほど順調に回復しているってことなんだろう。医者とかじゃないので流石にわからないけど、見た感じ顔色も悪くないし魔法で回復をしているんだからそろそろ目が覚めるころなのかもしれない。
「お待たせしました」
「リョーちゃん気をつけてね?」
ノノさんのお見舞いをした後店に戻り昼食用の食事を複製していたらルーと響子がやってきた。どうやらお祈りが終わったみたいだね。
「大丈夫だよ。やばくなる前に箱庭に逃げ込むし」
「あ、それっ 話聞いたよぉ~ 馬車で走ったまま箱庭に突っ込んだやつ。さらにあの家壊れちゃうから、一度場所を移動してから箱庭に入るんだよ?」
誰だその話を教えたやつ…あの時一緒にいたのはルーとシズクだったっけ。どっちも響子と最近はよく会う。どっちが話していてもおかしくはないな。まあ口止めするような内容じゃないから別にいいんだが…思ったより俺の知らないところで俺のことは話題に上げられているのか? 他に何が話されたのか気になってくるな。
「気を付けるよ…じゃあ行こうかルー」
「はい。あ、今日は別の出口から外へと出ますのでまた途中から手を繋いでくださいね」
「あー北の方から出る感じかな」
「そうですね」
どうやらエルフの里の出入り口は一箇所じゃないみたいだ。
ルーと一緒にエルフの里の中を北の方へと歩いて進んでいく。こうやって歩いていると御神木様がよく見える。だけど森の外からは見ることが出来ない。魔法はやっぱすごい物だね。
「ではここから手を繋いでくださいね」
差し出された手に自分の手を重ねよくわからない場所を歩いていく。少しすると視界が開け眩しくて目を細めた。前方に見えるのはだんだん草木が無くなっていく地面とそこらに転がっている岩っぽいもの。どうやらこの先は土地があれていそうだね。
「あまり見たくない光景ですね…」
「まあ色んな種族が住んでいるんだし、こういった土地があってもおかしくはないんじゃないか?」
「そうなんですけど、昔はもっと緑豊かだったので」
ふ~ん…だんだん植物がいない土地になってきたと。
「…とそうだ。馬車の準備をしないとな」
ネコルーを呼び出しインベントリから馬車を取り出す。ルーがネコルーに馬具をとりつけてくれる。未だに俺はその扱いがわからないから仕方がない。というかルーが馭者をするときくらいしかいらないので、覚える必要もないというか…俺も出来るようになった方がいいんだろうか?
「リョータさん終わりましたよ。乗ってください」
「いつもありがとう」
「ど、どうしたんですか?」
「さあ行こうか」
すぐ横でルーが首を傾げているが俺が進むことを言うとそのまま馬車が動き出した。さっきからちらちらとルーが俺の顔を見ているが俺は気がつかないフリをしながら前を見つめていた。
朝食を済ませた後、響子がお祈りへ向かうのでシズクがまだ目を覚まさないノノさんの傍に。俺はこのお祈りが終わったらシズクと一緒にやってくるルーとエルフの里からさらに北へと向かう予定だ。この待ち時間の間にノノさんの状態を見に行ったり昼食の準備をしておこう。
「ノノさんはどんな感じ?」
「そうだな…前はほとんど動かなかったが、今は寝返りとかうつようになったぞ。そろそろ起きるんじゃねーか?」
なるほど順調に回復しているってことなんだろう。医者とかじゃないので流石にわからないけど、見た感じ顔色も悪くないし魔法で回復をしているんだからそろそろ目が覚めるころなのかもしれない。
「お待たせしました」
「リョーちゃん気をつけてね?」
ノノさんのお見舞いをした後店に戻り昼食用の食事を複製していたらルーと響子がやってきた。どうやらお祈りが終わったみたいだね。
「大丈夫だよ。やばくなる前に箱庭に逃げ込むし」
「あ、それっ 話聞いたよぉ~ 馬車で走ったまま箱庭に突っ込んだやつ。さらにあの家壊れちゃうから、一度場所を移動してから箱庭に入るんだよ?」
誰だその話を教えたやつ…あの時一緒にいたのはルーとシズクだったっけ。どっちも響子と最近はよく会う。どっちが話していてもおかしくはないな。まあ口止めするような内容じゃないから別にいいんだが…思ったより俺の知らないところで俺のことは話題に上げられているのか? 他に何が話されたのか気になってくるな。
「気を付けるよ…じゃあ行こうかルー」
「はい。あ、今日は別の出口から外へと出ますのでまた途中から手を繋いでくださいね」
「あー北の方から出る感じかな」
「そうですね」
どうやらエルフの里の出入り口は一箇所じゃないみたいだ。
ルーと一緒にエルフの里の中を北の方へと歩いて進んでいく。こうやって歩いていると御神木様がよく見える。だけど森の外からは見ることが出来ない。魔法はやっぱすごい物だね。
「ではここから手を繋いでくださいね」
差し出された手に自分の手を重ねよくわからない場所を歩いていく。少しすると視界が開け眩しくて目を細めた。前方に見えるのはだんだん草木が無くなっていく地面とそこらに転がっている岩っぽいもの。どうやらこの先は土地があれていそうだね。
「あまり見たくない光景ですね…」
「まあ色んな種族が住んでいるんだし、こういった土地があってもおかしくはないんじゃないか?」
「そうなんですけど、昔はもっと緑豊かだったので」
ふ~ん…だんだん植物がいない土地になってきたと。
「…とそうだ。馬車の準備をしないとな」
ネコルーを呼び出しインベントリから馬車を取り出す。ルーがネコルーに馬具をとりつけてくれる。未だに俺はその扱いがわからないから仕方がない。というかルーが馭者をするときくらいしかいらないので、覚える必要もないというか…俺も出来るようになった方がいいんだろうか?
「リョータさん終わりましたよ。乗ってください」
「いつもありがとう」
「ど、どうしたんですか?」
「さあ行こうか」
すぐ横でルーが首を傾げているが俺が進むことを言うとそのまま馬車が動き出した。さっきからちらちらとルーが俺の顔を見ているが俺は気がつかないフリをしながら前を見つめていた。
3
お気に入りに追加
303
あなたにおすすめの小説
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
普通の女子高生だと思っていたら、魔王の孫娘でした
桜井吏南
ファンタジー
え、冴えないお父さんが異世界の英雄だったの?
私、村瀬 星歌。娘思いで優しいお父さんと二人暮らし。
お父さんのことがが大好きだけどファザコンだと思われたくないから、ほどよい距離を保っている元気いっぱいのどこにでもいるごく普通の高校一年生。
仲良しの双子の幼馴染みに育ての親でもある担任教師。平凡でも楽しい毎日が当たり前のように続くとばかり思っていたのに、ある日蛙男に襲われてしまい危機一髪の所で頼りないお父さんに助けられる。
そして明かされたお父さんの秘密。
え、お父さんが異世界を救った英雄で、今は亡きお母さんが魔王の娘なの?
だから魔王の孫娘である私を魔王復活の器にするため、異世界から魔族が私の命を狙いにやって来た。
私のヒーローは傷だらけのお父さんともう一人の英雄でチートの担任。
心の支えになってくれたのは幼馴染みの双子だった。
そして私の秘められし力とは?
始まりの章は、現代ファンタジー
聖女となって冤罪をはらしますは、異世界ファンタジー
完結まで毎日更新中。
表紙はきりりん様にスキマで取引させてもらいました。
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる