294 / 356
御神木を植える
278. 望んでいない再開
しおりを挟む
「ええい、建物がじゃまじゃ! 高いところへとでてくれんか?」
「高いところ…」
響子を腰に抱え今いる場所の一番近い屋根へとジャンプで上がる。それほど屋根は高くないが視界を遮る邪魔な建物は無くなった。
「これなら少しはましかな?」
俺の言葉に返事も返さず御神木様は辺りを見回している。まあ近くまで来たから落ち着かないものわかるが、何か反応を返してくれるとありがたい。
「おいおまえらーー! この間はよくもやってくれたな~」
「ん?」
建物の足元にいる人がこちらに向かって埴谷ら怒鳴り声をあげていた。
「…誰?」
「ほらっ これなら見覚えがあるだろが!」
…あ、下でどなっている男が手に持っていたもは確かに見おぼえがあるわ。
「うわ…まだ根に持ってたの」
どうやら響子は覚えていたらしい。そう以前響子が投げた腕輪が運悪くぶつかった相手だ。というかもう何日も日が経っているのにまだ覚えていたんだ…そのことに軽く驚く。
「あっちじゃ…!!」
「ん? ああ植える場所か。えーと…」
「いいからさっさと降りてきやがれ!!」
なんか下がうるさいがどうやら向かう方向がわかったらしい。
「そっちか…行くぞ響子」
「うん、じゃありょーちゃん?」
響子が両手を伸ばし俺の肩に手をかけた。あー…なるほど。最近肩に担いだり腰に抱えたりしたのがきにいらなかったらしい。ちゃんとお姫様抱っこで運べということを言っているんだと思う。まあそのほうが御神木様をしっかりと抱えられるというなら何でもいいが。
俺は響子をお姫様抱っこで抱え、以前と同じように屋根の上をジャンプで渡り向かっていく。そしてやっぱり追いかけてきているな…さっきまで2人だったのが5人に増えている。
「見えてきた!」
「あれ? りょーちゃんあそこって…」
「そうだな…」
えぐられた地面と炭になった木片が散らばっている場所が見えてくる。まさかそこなのか?
「これは…一体何があったのじゃっ このままじゃ根を張ることができぬ!!」
その地面の様子を見て御神木様が悲しそうな顔をした。言われてみればそうかもしれない。ここは草が生えていないくらいなんだ。木なんて育つ地ではないだろう。
「りょーちゃんっ」
そんな御神木様の様子を眺めていると響子が俺を呼んだ。顔をあげるといつの間にかたくさんの男たちに囲まれている。女のいるかもしれないが…ぱっとみわからんからな。
「今度は逃がさないぜ…というか逃げられねぇ~んだってなっ」
男たちがニヤニヤとわらっていて気味が悪い。というかなんで逃げられないって知ってるんだ? たしかに俺たちは以前この状況でテレポートで逃げたが今回はここが目的地である。逃げたとしてもこいつらがまた来るだろうからそれじゃあ意味がない。
「誰がそんなことを…」
「そんなことどうだっていいだろう? おい、女の方は傷つけるなよ、それとその植木もだ。男は生きてさえいればいいらしいからな」
「りょーちゃんっ」
あ、響子が男に捕まってしまった…まあ響子に危害は加えないらしいから今はいいや。それよりもこの状況をどうするかだよな。今の俺のステータスだと対人は危険後思うんだ、主に相手を怪我させそうで怖い。いや怪我で済めばいいのか、簡単に殺せてしまいそうなんだ。
「高いところ…」
響子を腰に抱え今いる場所の一番近い屋根へとジャンプで上がる。それほど屋根は高くないが視界を遮る邪魔な建物は無くなった。
「これなら少しはましかな?」
俺の言葉に返事も返さず御神木様は辺りを見回している。まあ近くまで来たから落ち着かないものわかるが、何か反応を返してくれるとありがたい。
「おいおまえらーー! この間はよくもやってくれたな~」
「ん?」
建物の足元にいる人がこちらに向かって埴谷ら怒鳴り声をあげていた。
「…誰?」
「ほらっ これなら見覚えがあるだろが!」
…あ、下でどなっている男が手に持っていたもは確かに見おぼえがあるわ。
「うわ…まだ根に持ってたの」
どうやら響子は覚えていたらしい。そう以前響子が投げた腕輪が運悪くぶつかった相手だ。というかもう何日も日が経っているのにまだ覚えていたんだ…そのことに軽く驚く。
「あっちじゃ…!!」
「ん? ああ植える場所か。えーと…」
「いいからさっさと降りてきやがれ!!」
なんか下がうるさいがどうやら向かう方向がわかったらしい。
「そっちか…行くぞ響子」
「うん、じゃありょーちゃん?」
響子が両手を伸ばし俺の肩に手をかけた。あー…なるほど。最近肩に担いだり腰に抱えたりしたのがきにいらなかったらしい。ちゃんとお姫様抱っこで運べということを言っているんだと思う。まあそのほうが御神木様をしっかりと抱えられるというなら何でもいいが。
俺は響子をお姫様抱っこで抱え、以前と同じように屋根の上をジャンプで渡り向かっていく。そしてやっぱり追いかけてきているな…さっきまで2人だったのが5人に増えている。
「見えてきた!」
「あれ? りょーちゃんあそこって…」
「そうだな…」
えぐられた地面と炭になった木片が散らばっている場所が見えてくる。まさかそこなのか?
「これは…一体何があったのじゃっ このままじゃ根を張ることができぬ!!」
その地面の様子を見て御神木様が悲しそうな顔をした。言われてみればそうかもしれない。ここは草が生えていないくらいなんだ。木なんて育つ地ではないだろう。
「りょーちゃんっ」
そんな御神木様の様子を眺めていると響子が俺を呼んだ。顔をあげるといつの間にかたくさんの男たちに囲まれている。女のいるかもしれないが…ぱっとみわからんからな。
「今度は逃がさないぜ…というか逃げられねぇ~んだってなっ」
男たちがニヤニヤとわらっていて気味が悪い。というかなんで逃げられないって知ってるんだ? たしかに俺たちは以前この状況でテレポートで逃げたが今回はここが目的地である。逃げたとしてもこいつらがまた来るだろうからそれじゃあ意味がない。
「誰がそんなことを…」
「そんなことどうだっていいだろう? おい、女の方は傷つけるなよ、それとその植木もだ。男は生きてさえいればいいらしいからな」
「りょーちゃんっ」
あ、響子が男に捕まってしまった…まあ響子に危害は加えないらしいから今はいいや。それよりもこの状況をどうするかだよな。今の俺のステータスだと対人は危険後思うんだ、主に相手を怪我させそうで怖い。いや怪我で済めばいいのか、簡単に殺せてしまいそうなんだ。
3
お気に入りに追加
303
あなたにおすすめの小説
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる