282 / 356
御神木様
266. 索敵の仕様
しおりを挟む
次の日。
地下48階へと降りた俺たちはまず索敵で階層内をくまなく調べることにした。そして今回たくさんの魔力を消費することによってある程度地形なども判別できることがわかった。簡単にいうと壁があるかないか程度。これにより下へと穴が開いている場所…次の階へと場所もはっきりとわかる。
「人はいないみたいだね」
「じゃあ次のとこなのかな…」
「どっちにしてもここまで来たんだ見つかるまで探すぞ」
「なあちとよいか?」
「?」
索敵で他に人がいないのを確かめたので次の階層へと向かおうとすると御神木様が話しかけてきた。
「その魔法…命あるものにしか反応しておらんのではないか?」
「え、だけど壁とかわかる…」
「正確には魔力に反応していると言えばよいか?」
魔力…あ! ダンジョンはもしかして魔力で出来ていたりするのか? その魔力に反応して壁の位置がわかるってことなのか。そして魔物や人も同じで魔力を持っているからこの魔法でわかるってことなのか。たしかに死んだ魔物は反応しないということは…
「…生きているさっ たとえ従属で従わされていようと簡単にあきらめるなんてことあるわけがない!」
「だといいんだがの」
地下48階を一気に走り抜けた。気のせいでなければ魔物は俺たちを避けるように逃げている。索敵で確認するとよくわかるがある程度近くまで来ると魔物を表している光が勢いよく誰もいない方へと移動をしているんだよね。まあ楽でいいんだけど。
「よし、地下49階!」
地下49階につき早速索敵を開始…やっぱり人の反応がない。次は50階、ボスがいる最終階層になるんだけど、流石に2人で向かっているということはないだろう。だけど念のためそこまで向かってみるしかない。
そして地下50階。ここはレストスペースとボス部屋だけ。索敵には何も反応がない。念のためにレストスペースへと足を運ぶと壁にテントが設置されていた。
「…あ!」
そうだった! テントの中にいる人は索敵に引っかからないんだ!! 一番最初にこの魔法を検証したときに試したことじゃないか。つまりこのテントはたけ達がいるテントなのか…?
俺と響子は恐る恐るテントの呼び鈴を鳴らした。
「…誰だ?」
たけだ…たけの声がテントの中からした。少しするとテントの入り口が開きたけが顔をだす。
「た…っ」
「雪ちゃん!!」
そんな俺を押しのけ響子がテントの中へとすべりこんだ。ベットに雪乃が横たわっているのが目に入ったからだと思う。すぐに駆け付け響子が魔法を使い始めた。
「えーと…久しぶりだな良太?」
「ああ…」
なにしてんだよお前は! と言いたいのをぐっとこらえ頷いた。従属の腕輪のせいでへんな使命感にとらわれている奴に行ってもどうしようもない。
「狭いけど入るか?」
「いや…お前も怪我をしているじゃないか。まずは回復しようか。話はそれからだな」
雪乃を響子が回復しているのでたけは俺が回復してやる。怪我の状態は雪乃の方が酷そうだからな。たけは深い傷はないみたいだし俺の回復程度でもなんとかなるだろう。
「ヒール」
「ああすまん。それにしてもここには2人で潜ったのか? こっちは途中から響子がいなくなったから大変だったぞ~」
「ヒール…そうだろうな」
「でもこれで50階のボスを倒してやっと魔王を倒す旅に出られる」
「ヒール…」
魔王…ね。
「りょーちゃん、魔王なんてものはいないって言ってる」
「御神木様か?」
「うん」
地面で世界と繋がっていたであろう御神木様がそういうのなら魔王はきっといないのだろう。まあその魔王というのが何を指した言葉なのかにもよるか。
地下48階へと降りた俺たちはまず索敵で階層内をくまなく調べることにした。そして今回たくさんの魔力を消費することによってある程度地形なども判別できることがわかった。簡単にいうと壁があるかないか程度。これにより下へと穴が開いている場所…次の階へと場所もはっきりとわかる。
「人はいないみたいだね」
「じゃあ次のとこなのかな…」
「どっちにしてもここまで来たんだ見つかるまで探すぞ」
「なあちとよいか?」
「?」
索敵で他に人がいないのを確かめたので次の階層へと向かおうとすると御神木様が話しかけてきた。
「その魔法…命あるものにしか反応しておらんのではないか?」
「え、だけど壁とかわかる…」
「正確には魔力に反応していると言えばよいか?」
魔力…あ! ダンジョンはもしかして魔力で出来ていたりするのか? その魔力に反応して壁の位置がわかるってことなのか。そして魔物や人も同じで魔力を持っているからこの魔法でわかるってことなのか。たしかに死んだ魔物は反応しないということは…
「…生きているさっ たとえ従属で従わされていようと簡単にあきらめるなんてことあるわけがない!」
「だといいんだがの」
地下48階を一気に走り抜けた。気のせいでなければ魔物は俺たちを避けるように逃げている。索敵で確認するとよくわかるがある程度近くまで来ると魔物を表している光が勢いよく誰もいない方へと移動をしているんだよね。まあ楽でいいんだけど。
「よし、地下49階!」
地下49階につき早速索敵を開始…やっぱり人の反応がない。次は50階、ボスがいる最終階層になるんだけど、流石に2人で向かっているということはないだろう。だけど念のためそこまで向かってみるしかない。
そして地下50階。ここはレストスペースとボス部屋だけ。索敵には何も反応がない。念のためにレストスペースへと足を運ぶと壁にテントが設置されていた。
「…あ!」
そうだった! テントの中にいる人は索敵に引っかからないんだ!! 一番最初にこの魔法を検証したときに試したことじゃないか。つまりこのテントはたけ達がいるテントなのか…?
俺と響子は恐る恐るテントの呼び鈴を鳴らした。
「…誰だ?」
たけだ…たけの声がテントの中からした。少しするとテントの入り口が開きたけが顔をだす。
「た…っ」
「雪ちゃん!!」
そんな俺を押しのけ響子がテントの中へとすべりこんだ。ベットに雪乃が横たわっているのが目に入ったからだと思う。すぐに駆け付け響子が魔法を使い始めた。
「えーと…久しぶりだな良太?」
「ああ…」
なにしてんだよお前は! と言いたいのをぐっとこらえ頷いた。従属の腕輪のせいでへんな使命感にとらわれている奴に行ってもどうしようもない。
「狭いけど入るか?」
「いや…お前も怪我をしているじゃないか。まずは回復しようか。話はそれからだな」
雪乃を響子が回復しているのでたけは俺が回復してやる。怪我の状態は雪乃の方が酷そうだからな。たけは深い傷はないみたいだし俺の回復程度でもなんとかなるだろう。
「ヒール」
「ああすまん。それにしてもここには2人で潜ったのか? こっちは途中から響子がいなくなったから大変だったぞ~」
「ヒール…そうだろうな」
「でもこれで50階のボスを倒してやっと魔王を倒す旅に出られる」
「ヒール…」
魔王…ね。
「りょーちゃん、魔王なんてものはいないって言ってる」
「御神木様か?」
「うん」
地面で世界と繋がっていたであろう御神木様がそういうのなら魔王はきっといないのだろう。まあその魔王というのが何を指した言葉なのかにもよるか。
4
お気に入りに追加
302
あなたにおすすめの小説
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
ファンタジー
物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
ノーアビリティと宣告されたけど、実は一番大事なものを 盗める能力【盗聖】だったので無双する
名無し
ファンタジー
16歳になったら教会で良いアビリティを貰い、幼馴染たちと一緒にダンジョンを攻略する。それが子供の頃からウォールが見ていた夢だった。
だが、彼が運命の日に教会で受け取ったのはノーアビリティという現実と不名誉。幼馴染たちにも見限られたウォールは、いっそ盗賊の弟子にでもなってやろうと盗賊の隠れ家として噂されている山奥の宿舎に向かった。
そこでウォールが出会ったのは、かつて自分と同じようにノーアビリティを宣告されたものの、後になって強力なアビリティを得た者たちだった。ウォールは彼らの助力も得て、やがて最高クラスのアビリティを手にすることになる。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる