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フィレーネへの帰還
222. 困る
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いやほんとステータスさまさまだね。魔力は2/3ほど使ったみたいだけど全然問題のない数値をしているし、ステータスが高いおかげでこの世界に来る前では考えられないほど体がよく動く。けれどもやはり連続使用というのは慣れていないので疲れてしまうのが難点だ。
「ずいぶんと主様はお疲れのようですね?」
でたよ。妖精王フィリール…俺が地べたに座り込み休憩をしていると突然現れて声をかけてきた。
「ほら、この間色々考えてくれた方法で海を渡ったところなんだよ」
「それでお疲れなのですね」
俺の隣にやって来てちょこんと座りこちらをじっと見ている。
「お菓子を対価に疲労回復をいたしましょうか?」
「へぇ~ そんなことできるんだね」
「いかがですか?」
お菓子か…
「どうせならみんなで食べれるものがいいよね?」
「でしたらみんなに仕事としてやらせましょうか」
フィリールは立ち上がると何やら歌を歌いだした。それと同時に周りにふわふわと光が集まり出す。その光がフィリールの周りを移動した後俺の方へと向かってきた。ほんのりと温かい光が通り過ぎていくと自然と俺の疲れていた体も楽になっていく。それと同時にその光は次々と姿を消していく。
「いかがですか?」
「うん、すっかり楽になったよ」
「それはなによりで」
「えーとお菓子なんだけどこれでいいかな?」
俺はカードを取り出し複製し一枚はインベントリにしまいもう一枚をその場で破る。目の前に現れたのはレアチーズケーキ(ホール)だ。妖精たちは小さいしフィリールも見た目5歳くらい。これだけあれば足りると思うんだがどうだろう?
じーーーとフィリールはレアチーズケーキを眺めているが、もしかして気に入らなかったか?
「甘い匂いがしますがどうやって食べるものなのでしょうか?」
なんだ…サイズ的に食べ方がわからなかったのか。
「えーと切り分けて食べるか、こう…スプーンとかですくって食べるんだよ」
「なるほど…では一口」
どこから取り出したのか知らないが手に持つスプーンでレアチーズケーキをすくいフィリールは口へと運んだ。とたん目をキラキラと輝かせ頬を染めた。どうやら気に入ったみたいだね。
「これを全部いただいてよろしいので?」
「働いた妖精たちと食べるとなると足りないかな?」
「いえいえっ 十分すぎる対価ですわ~」
妖精たちの光はもう見えないがフィリールがこれだけ喜んでいるんだきっと同じように騒いでいるだろう。そうだ、妖精の囁きで聞けばいいのか。
(キョウモシロイイキモノガ…)
(オイシソウ…)
(アマイノ? アマイノ?)
(ゴシンボクサマサイゴニミタノハタシカ…)
(ヒトヅカイノアライオウネ)
(オカシオカシ~♪)
効果時間が切れた。ずっと聞いていられないのが扱いにくいところだな。
「そうだ御神木様について何か情報とかないかな?」
「御神木様ですか…とくに変わった情報はないですね」
ふむ。昨日の今日ですぐに情報が手に入るわけがないか。というか妖精の声を聞くまで忘れてたことは内緒だ。海を渡ることに集中していたということで。
「ではこちらのお菓子はみんなで仲良くいただきますね」
「ああ」
フィリールと別れ一度シズクの所へ行き子供たちの様子を確認した後、俺は箱庭の外へとそっと出てみた。まだ若干騒がしい気がするが周りに人がいないみたいなので今のうちに町を出てしまおうか。この港町の門は東にしかないのでまずはそこを目指そうかね。
人気のない場所からこそっと人通りのある方へと歩き出すと気のせいか少し視線を感じるようになった。なんだろう…?
「あの人が…」
「黒髪」
「衛兵呼んで…」
…あれ? あっ そうか髪の毛の色か! 黒髪の俺が海からやってくるのをばっちりと見られてしまったってことか。どうみてもこれじゃあ不審人物じゃないか…困ったな。とりあえず今は逃げておくか? でもそうすると今後身動きが取れなくなるしな。
「ちょっと来てもらおうか?」
迷っていたら肩を叩かれ俺は連行されていった。
「ずいぶんと主様はお疲れのようですね?」
でたよ。妖精王フィリール…俺が地べたに座り込み休憩をしていると突然現れて声をかけてきた。
「ほら、この間色々考えてくれた方法で海を渡ったところなんだよ」
「それでお疲れなのですね」
俺の隣にやって来てちょこんと座りこちらをじっと見ている。
「お菓子を対価に疲労回復をいたしましょうか?」
「へぇ~ そんなことできるんだね」
「いかがですか?」
お菓子か…
「どうせならみんなで食べれるものがいいよね?」
「でしたらみんなに仕事としてやらせましょうか」
フィリールは立ち上がると何やら歌を歌いだした。それと同時に周りにふわふわと光が集まり出す。その光がフィリールの周りを移動した後俺の方へと向かってきた。ほんのりと温かい光が通り過ぎていくと自然と俺の疲れていた体も楽になっていく。それと同時にその光は次々と姿を消していく。
「いかがですか?」
「うん、すっかり楽になったよ」
「それはなによりで」
「えーとお菓子なんだけどこれでいいかな?」
俺はカードを取り出し複製し一枚はインベントリにしまいもう一枚をその場で破る。目の前に現れたのはレアチーズケーキ(ホール)だ。妖精たちは小さいしフィリールも見た目5歳くらい。これだけあれば足りると思うんだがどうだろう?
じーーーとフィリールはレアチーズケーキを眺めているが、もしかして気に入らなかったか?
「甘い匂いがしますがどうやって食べるものなのでしょうか?」
なんだ…サイズ的に食べ方がわからなかったのか。
「えーと切り分けて食べるか、こう…スプーンとかですくって食べるんだよ」
「なるほど…では一口」
どこから取り出したのか知らないが手に持つスプーンでレアチーズケーキをすくいフィリールは口へと運んだ。とたん目をキラキラと輝かせ頬を染めた。どうやら気に入ったみたいだね。
「これを全部いただいてよろしいので?」
「働いた妖精たちと食べるとなると足りないかな?」
「いえいえっ 十分すぎる対価ですわ~」
妖精たちの光はもう見えないがフィリールがこれだけ喜んでいるんだきっと同じように騒いでいるだろう。そうだ、妖精の囁きで聞けばいいのか。
(キョウモシロイイキモノガ…)
(オイシソウ…)
(アマイノ? アマイノ?)
(ゴシンボクサマサイゴニミタノハタシカ…)
(ヒトヅカイノアライオウネ)
(オカシオカシ~♪)
効果時間が切れた。ずっと聞いていられないのが扱いにくいところだな。
「そうだ御神木様について何か情報とかないかな?」
「御神木様ですか…とくに変わった情報はないですね」
ふむ。昨日の今日ですぐに情報が手に入るわけがないか。というか妖精の声を聞くまで忘れてたことは内緒だ。海を渡ることに集中していたということで。
「ではこちらのお菓子はみんなで仲良くいただきますね」
「ああ」
フィリールと別れ一度シズクの所へ行き子供たちの様子を確認した後、俺は箱庭の外へとそっと出てみた。まだ若干騒がしい気がするが周りに人がいないみたいなので今のうちに町を出てしまおうか。この港町の門は東にしかないのでまずはそこを目指そうかね。
人気のない場所からこそっと人通りのある方へと歩き出すと気のせいか少し視線を感じるようになった。なんだろう…?
「あの人が…」
「黒髪」
「衛兵呼んで…」
…あれ? あっ そうか髪の毛の色か! 黒髪の俺が海からやってくるのをばっちりと見られてしまったってことか。どうみてもこれじゃあ不審人物じゃないか…困ったな。とりあえず今は逃げておくか? でもそうすると今後身動きが取れなくなるしな。
「ちょっと来てもらおうか?」
迷っていたら肩を叩かれ俺は連行されていった。
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◇
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