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フランモネで仕事をする

194. オーク狩り2

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 拘束している魔物達を次々とナイフで突き刺した。そのたびにいやな感触がして顔をしかめてしまうが、町からそう遠くない場所にいるしもし町に来たら危ないしと自分に言い聞かせた。

「ふ~ん…魔法も使うがそのナイフの威力もあるな。ちょっとそのナイフ後で見せてくれよ」
「ただのナイフだぞ?」

 そういって俺は今使っていたナイフをシズクに渡し再び別のカード状のナイフを散り出し、実物に変えて討伐を再開する。

「なんじゃこりゃ…普通に店で売ってる一番やっすいやつじゃねぇかっ」
「だからただのナイフだって言っただろう?」
「…返す」
「いらないし…」

 まだもう1個あるから折れても大丈夫なくらいだ。

「ふぅ…こんなところか?」

 周辺にいた魔物を倒し終えひといき。ひとまず全部インベントリにしまう。数を確認してみるとウサギが多い感じだった。オークは…2匹。あと3匹探さないと仕事が終わらない。

「うーん…仕事としてこれ効率わるくないか?」
「いうなよ…肉うまいだろう?」

 まあそうなんだろうけど、今は現金が欲しいんだ。索敵でさっき倒したオークと同じくらいの強さを探してみることにした。

「あ…なあシズクこの奥に魔物がたくさんいるみたいなんだが」
「そっちか…たしか以前ゴブリンが集落をつくっていた場所だぞ。他パーティが殲滅したはずなんだがな…」
「だったらそこをオークが使っているってことは?」
「ありえるけど、もしそなら2人じゃちょと厳しいんじゃないかな」
「まあそうかもだけど本当かどうか見に行った方がいいと思うんだが? やばかったら即逃げればいいし」
「あーあのスキルか。確かにあれでなら町まで連れていくってことはないか。じゃあ確認だけでもして一度戻ったほうがいいな」

 木々の間を縫って魔物がたくさんいる反応を示したほうへとシズクと2人向かう。途中ちらほらといるゴブリンを声をあげられる前にシズクがしとめて。あまり騒がれると見つかってしまうからとのこと。だったらと俺はダークネスで目に入る魔物を片っ端から声を出せないように、暴れられないように拘束をした。それを次々と仕留めるシズク。ついでに魔物の回収もその拘束した状態で次々と俺の前で持ってきてインベントリへ。ちょっとこの狩りは楽すぎていけない気がしてきた。ちなみに自分が狩らなくていいのが一番いいところだな。

「しっ」

 くいっとシズクが指で先を示す。そっと木の影から奥を覗くと確かに集落っぽい…木々をなぎ倒して家みたいにしているものがちらほらと見える。それにオークだけじゃなくてゴブリンも混ざっているな。流石にそこまでは索敵でわからなかったからやっぱり目で見るのは必要なことなんだなーと再確認。

「目に見えるだけでも50はいるだろうこれ…」
「ってことはちゃんと数えたらもっといるかもだな」
「さあ確認したし報告に戻ろうぜ」
「んー…どうせすぐ逃げれるし、ちょっとスキル試していいか?」
「いいけどよ…こっちいるの気がつかれないものだけにしてくれよ? 向かってこられたらすぐ逃げてもあいつらこっちの方へ探しに来ちまう」

 なるほど。そう言ったこともあるのか。だったら気がつかれない範囲で試せるものだけにしようか。

「じゃあ…成長促進」

 ゴブリンやオークたちがいる足元の草とかを成長させてみた。使う機会がなくて試せなかったんだよね。お…オークたちのひざ下くらいまで草が伸びたな。それによって周りが少し混乱しているみたいだ。まあいきなり草が伸びたら普通驚くわな。

「なんか騒がしくなってるぞ?」
「うん、草が伸びて驚いたみたいだな。続けて…土壌改革」

 さらに足元の土を畑として使えるように柔らかいふかふかの土に変える。それによってさっきまで硬かった地面が柔らかくなり足元が不安定で転び始めるオークとゴブリンが多数現れる。ぶつかり合いお互いのせいにしあい、少しもめ始めている。

「おいおい仲間で争い始めたぞ」
「思ったより使えそうなスキルだな」
「いや今のこんなとこで使うスキルじゃねぇだろう?」

 何言ってんだ? 使えるなら何でも使うもんだろう。

「ほらそんなことよりよく見ろよ」
「ん? あっ お互いを疑い始めて数が少しづつ減ってきている!」
「うん、このまましばらく待てば結構は数がへるんじゃないか?」
「だったらもう少し離れて様子を見ようぜ」

 俺とシズクはもう少し集落から離れ木に登り様子を眺めることにした。
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