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中央の島
160. 2人乗り
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しとしと…しとしとと今日は朝から雨が降っていた。島にある市場はそんな天気も慣れているのか雨避けを設置し商売を続けている。そんな雨が降る中俺、ルー、ネコルーに乗ったジエルは歩いていた。ちなみにヨルさんとは朝のうちにすでに分かれている。狭い室内にネコルーを連れて行きちょっと微妙な顔をされるというアクシデント付きで。もちろんわざとではないことには気がついているのか何も言われなかった。
それで今俺たちが市場を歩いているというのは、船の時間の確認と予約のために反対側にある港へと向かっている途中。何かめぼしいものがあったらお土産に買って帰るんだそうだ。ジエルがえらくネコルーを気に入ってずっと背中に乗っているのは気にしてはいけない。
「天気が悪いのであまりよさそうなものはないですね~」
ルーの言う通りさっきから市場は食べ物以外は見かけない。やっぱり濡れてしまうと売り物としてよくはないってことなんだろうね。その点野菜や果物はどうせ洗ってから食べるものも多いから多少雨に濡れたところで誰も気にしない。魚は元から海の生き物だしね。
「じゃあさっさと船の予約へ行こうか」
「はい」
市場を見て歩くのをやめさっさと船着き場へと向かうことにした。
船着き場につくとすぐそばにある小屋へと向かいそこで船の出発予定を確認する。今日みたいに天気が不安定だと船が出せるかどうかわからないのでいつも出発時間が同じとは限らないそうだ。
「あっ どうやら今日は午後から船が出ないみたいですね。午前の最終出発は、今港に止まっている船みたいです。どうしますか?」
「そうだな…」
このまま次の船を待った場合天気がさらに悪くなったらいつ出発できるかわからなくなるってことだよな…だけど今無理して途中で天気が崩れたらどうなるんだろう?
「ルー船の移動はどのくらいかかるんだ?」
「半日くらいだと思うけど…」
冗談じゃない。天気の悪い中半日も船の上とか。絶対かなり揺れる…つまり船酔いがひどくなるってことだ。
「じゃあまた明日にしようか。とくに急いではいないだろう?」
「まあそうですね…急いで見つけてこいとは言われていないかな」
となればここにいる意味はない。小屋を出て人通りの少ないところから箱庭へ移動だ。すぐに家の鍵を開け中へと入ろうとしたところでネコルーが急に走り出す。
「あっ どこにいくのー?」
「多分湖の所かな。いつもそこにいるし…あーあージエル乗せたまま行っちゃったよ」
遠目で見た感じジエルは怖がっている感じではなかったから大丈夫だと思うが、このままだとルーのほうが心配してしまうな。それにもしそのまま川とかに飛び込んだら…うん、追いかけようか。そうだっ
「ルー 自転車の後ろに乗ってみる?」
どうせならと自転車を取り出した。もう一台あればよかったんだけどないんでね。複製で増やしてもいいが、どうせなら2人乗りとかやってみたい。
「のる…? これは乗り物なんですか??」
「そうだよ。まあお試しと思って乗ってみて」
後ろの荷台をポンポンと叩きルーに座るように勧めた。
「えーとこうですか?」
「うん、それであとは落ちないようにどこかつかまって」
ルーが荷台の隅を掴んだのを確認すると俺もサドルにまたがりペダルをこぎ始めた。
「わ…わっ」
ふらふらと走り出しだんだんと速度が出てくるといつの間にかルーは荷台ではなく俺の腰にしがみついていた。そうなんだよね~ 初めてだと案外バランスをとるのが難しんだ。でもこれでルーは多少自転車に座る時のバランスを覚えるだろう。本人が乗りたいというのならルーの分の自転車も用意するか。
箱庭の中は外と違ってとてもいい天気だった。俺が設定しなければ雨が降ることはない。そんな中を風を受けながらルーと自転車の2人乗り。ちょっと楽しいかもしれない。湖につくまでの長いような短いような時間を堪能しよう。
それで今俺たちが市場を歩いているというのは、船の時間の確認と予約のために反対側にある港へと向かっている途中。何かめぼしいものがあったらお土産に買って帰るんだそうだ。ジエルがえらくネコルーを気に入ってずっと背中に乗っているのは気にしてはいけない。
「天気が悪いのであまりよさそうなものはないですね~」
ルーの言う通りさっきから市場は食べ物以外は見かけない。やっぱり濡れてしまうと売り物としてよくはないってことなんだろうね。その点野菜や果物はどうせ洗ってから食べるものも多いから多少雨に濡れたところで誰も気にしない。魚は元から海の生き物だしね。
「じゃあさっさと船の予約へ行こうか」
「はい」
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船着き場につくとすぐそばにある小屋へと向かいそこで船の出発予定を確認する。今日みたいに天気が不安定だと船が出せるかどうかわからないのでいつも出発時間が同じとは限らないそうだ。
「あっ どうやら今日は午後から船が出ないみたいですね。午前の最終出発は、今港に止まっている船みたいです。どうしますか?」
「そうだな…」
このまま次の船を待った場合天気がさらに悪くなったらいつ出発できるかわからなくなるってことだよな…だけど今無理して途中で天気が崩れたらどうなるんだろう?
「ルー船の移動はどのくらいかかるんだ?」
「半日くらいだと思うけど…」
冗談じゃない。天気の悪い中半日も船の上とか。絶対かなり揺れる…つまり船酔いがひどくなるってことだ。
「じゃあまた明日にしようか。とくに急いではいないだろう?」
「まあそうですね…急いで見つけてこいとは言われていないかな」
となればここにいる意味はない。小屋を出て人通りの少ないところから箱庭へ移動だ。すぐに家の鍵を開け中へと入ろうとしたところでネコルーが急に走り出す。
「あっ どこにいくのー?」
「多分湖の所かな。いつもそこにいるし…あーあージエル乗せたまま行っちゃったよ」
遠目で見た感じジエルは怖がっている感じではなかったから大丈夫だと思うが、このままだとルーのほうが心配してしまうな。それにもしそのまま川とかに飛び込んだら…うん、追いかけようか。そうだっ
「ルー 自転車の後ろに乗ってみる?」
どうせならと自転車を取り出した。もう一台あればよかったんだけどないんでね。複製で増やしてもいいが、どうせなら2人乗りとかやってみたい。
「のる…? これは乗り物なんですか??」
「そうだよ。まあお試しと思って乗ってみて」
後ろの荷台をポンポンと叩きルーに座るように勧めた。
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「うん、それであとは落ちないようにどこかつかまって」
ルーが荷台の隅を掴んだのを確認すると俺もサドルにまたがりペダルをこぎ始めた。
「わ…わっ」
ふらふらと走り出しだんだんと速度が出てくるといつの間にかルーは荷台ではなく俺の腰にしがみついていた。そうなんだよね~ 初めてだと案外バランスをとるのが難しんだ。でもこれでルーは多少自転車に座る時のバランスを覚えるだろう。本人が乗りたいというのならルーの分の自転車も用意するか。
箱庭の中は外と違ってとてもいい天気だった。俺が設定しなければ雨が降ることはない。そんな中を風を受けながらルーと自転車の2人乗り。ちょっと楽しいかもしれない。湖につくまでの長いような短いような時間を堪能しよう。
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