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中央の島
154. 丘の上の家
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青い空と潮の香…それと激しく揺れる船。はっきりいって最悪である。昨日言っていた通り朝から船に乗ることになった。それはいい…だけど朝早すぎで若干寝不足、しかも俺船に初めて乗ったんだけど、そのせいなのか船酔いがひどい。こんなに気持ち悪くなるもんだなんて聞いてない。
「辛そうだなリョータ」
「ヨルさん…平気なんですか?」
「まあわりと」
羨ましい…
「何だったらテントでも出して寝てたらどうだ? 流石にその中は影響ないだろう」
「そうしておきます。ついたら起こしてくださいよ?」
初めての経験だったのでもう少し頑張ろうかと思ったが断念した。別に船に乗れなくたって困らないし! しいて言うなら船釣りとかが出来ないだけだしね。
寝室の中に入りベッドに横になった。あー揺れないって素晴らしい。ヨルさんに言われたからじゃないけれどこのままちょっとだけ寝てしまおう。おやすみ~
ピロ~ン ピロ~ン…
「ん~?」
ピロンピロンピロンピロンピロンピロン…
「うるせぇーーーーーっ」
なんでどいつもこいつもすぐに反応がなかっただけで連打しやがる。起き上がって身なりを整えるくらい待ってくれてもいいだろうに。
「お、起きたなリョータ。ほら島まであと少しだぞ」
ヨルさんが指をさす方向を見た。確かに島が目の前にある。どうやら思ったよりは大きくない島のようだね。視線を動かして見ても見える範囲が狭い。
「あの島はな、王都がすっぽりと収まるくらいしかないんだ」
「王都サイズなんだ」
「だから島の住人はほぼ顔見知りってやつだ外からやってくるやつはあまり歓迎されない」
…ん? 俺そこに行っていいのか?? ヨルさん達は取引とかしているだろうからいいだろうが、俺は完全によそもんだぞ。
「ま、変なことしなければ大丈夫だ」
変なことってなんだよ…ヨルさんと会話をしている間に船は港についた。
ふらつく船から陸地に降りたち、地面が揺れないことに軽く感動した。やっぱり人は土がないところで生きるものではない。そんなことを思った。
「おやおやおやおや…ムコン様のところの。連絡くだされば迎えをよこしましたのに」
「いやいいって、今日はちょっとした御使いにきただけだからさ」
「そうでしたか」
「ああ、ほら以前言ってた土地、そこに家を建てるめどが立ったんでね」
ヨルさんが男性と会話をしている…というかこの人耳が犬だ! 初獣人の遭遇がおっさんかよ…っ 軽くがっかりした。
「あーそういえばそうでしたな。場所はわかりますか?」
「たしか北東側の高台だっけね」
「はいそうです。私は領主様に報告してまいりますので…あっ 職人の手配とかはいかがいたしましょう」
「いやいらない。多分後日使用人だけこっちで雇うとおもうから、家の管理出来るやつを数人見繕っておいてくれ」
「わかりましたそれでは」
おお…尻尾もある。おっさんの尻にだけど。
「んじゃいくぞー」
「え? 俺も??」
「ああ、打ち上げやるって話だっただろうが」
あーあー…そういえば。それって俺が全部食事作るのかな…なんて不安に思いながらヨルさんの後をついて行った。しばらく北へ向かって歩いていくとちょっとだけ高くなって何もない場所に到着した。
「よっし、ん-この辺でいいかな」
ヨルさんがカードを取り出し破った。それってこの間俺がジルベスターさんにあげた家じゃないか! どすんと大きな音と振動を起こして家が現れた。
「あれ…入り口が反対側になってるな。ちょっと失敗したか?」
「ヨルさん俺が直しますよ。入り口はどっち側ですか」
入り口の要望を聞いて何度かインベントリから出し入れをし、正しいむきに出しなおした。何度も大きな音や振動があるもんだから気がついたらこの島の人たちが何人か集まっていて驚いた。
エルフがあんなに…それに色んな耳を生やした人や羽を生やした人もいる…っ それに体の大きい人に小さいな人…種族はたくさんいるんだね。今まで人間しか見なかったからあきらめていたけれどやっぱり異世界と言ったらこう色んな種族に会うことだろう。ちょっと感動した。
「辛そうだなリョータ」
「ヨルさん…平気なんですか?」
「まあわりと」
羨ましい…
「何だったらテントでも出して寝てたらどうだ? 流石にその中は影響ないだろう」
「そうしておきます。ついたら起こしてくださいよ?」
初めての経験だったのでもう少し頑張ろうかと思ったが断念した。別に船に乗れなくたって困らないし! しいて言うなら船釣りとかが出来ないだけだしね。
寝室の中に入りベッドに横になった。あー揺れないって素晴らしい。ヨルさんに言われたからじゃないけれどこのままちょっとだけ寝てしまおう。おやすみ~
ピロ~ン ピロ~ン…
「ん~?」
ピロンピロンピロンピロンピロンピロン…
「うるせぇーーーーーっ」
なんでどいつもこいつもすぐに反応がなかっただけで連打しやがる。起き上がって身なりを整えるくらい待ってくれてもいいだろうに。
「お、起きたなリョータ。ほら島まであと少しだぞ」
ヨルさんが指をさす方向を見た。確かに島が目の前にある。どうやら思ったよりは大きくない島のようだね。視線を動かして見ても見える範囲が狭い。
「あの島はな、王都がすっぽりと収まるくらいしかないんだ」
「王都サイズなんだ」
「だから島の住人はほぼ顔見知りってやつだ外からやってくるやつはあまり歓迎されない」
…ん? 俺そこに行っていいのか?? ヨルさん達は取引とかしているだろうからいいだろうが、俺は完全によそもんだぞ。
「ま、変なことしなければ大丈夫だ」
変なことってなんだよ…ヨルさんと会話をしている間に船は港についた。
ふらつく船から陸地に降りたち、地面が揺れないことに軽く感動した。やっぱり人は土がないところで生きるものではない。そんなことを思った。
「おやおやおやおや…ムコン様のところの。連絡くだされば迎えをよこしましたのに」
「いやいいって、今日はちょっとした御使いにきただけだからさ」
「そうでしたか」
「ああ、ほら以前言ってた土地、そこに家を建てるめどが立ったんでね」
ヨルさんが男性と会話をしている…というかこの人耳が犬だ! 初獣人の遭遇がおっさんかよ…っ 軽くがっかりした。
「あーそういえばそうでしたな。場所はわかりますか?」
「たしか北東側の高台だっけね」
「はいそうです。私は領主様に報告してまいりますので…あっ 職人の手配とかはいかがいたしましょう」
「いやいらない。多分後日使用人だけこっちで雇うとおもうから、家の管理出来るやつを数人見繕っておいてくれ」
「わかりましたそれでは」
おお…尻尾もある。おっさんの尻にだけど。
「んじゃいくぞー」
「え? 俺も??」
「ああ、打ち上げやるって話だっただろうが」
あーあー…そういえば。それって俺が全部食事作るのかな…なんて不安に思いながらヨルさんの後をついて行った。しばらく北へ向かって歩いていくとちょっとだけ高くなって何もない場所に到着した。
「よっし、ん-この辺でいいかな」
ヨルさんがカードを取り出し破った。それってこの間俺がジルベスターさんにあげた家じゃないか! どすんと大きな音と振動を起こして家が現れた。
「あれ…入り口が反対側になってるな。ちょっと失敗したか?」
「ヨルさん俺が直しますよ。入り口はどっち側ですか」
入り口の要望を聞いて何度かインベントリから出し入れをし、正しいむきに出しなおした。何度も大きな音や振動があるもんだから気がついたらこの島の人たちが何人か集まっていて驚いた。
エルフがあんなに…それに色んな耳を生やした人や羽を生やした人もいる…っ それに体の大きい人に小さいな人…種族はたくさんいるんだね。今まで人間しか見なかったからあきらめていたけれどやっぱり異世界と言ったらこう色んな種族に会うことだろう。ちょっと感動した。
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◇
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生暖かい目で見て下されば幸いです。
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