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第14話 再出発
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建物の中に入るとほとんどの人が出払っているのかあまり人はいませんでした。カウンターの中ではここの従業員でしょうか…暇そうにぼんやりとしています。
「あら、いらっしゃい。二人は何しにここへ来たのかな?」
カウンターの中から優しそうな女性が声をかけてきます。
「僕たち冒険者登録にきました」
「あらそうなのね。でも本登録は十五歳からよ?」
「知っています」
「そう…? じゃあこっちの用紙に記入してね。文字は書けるかしら」
「大丈夫です」
私達は姿を変え再び冒険者ギルドでの登録をしにきたのです。出来るだけ余分なことを口に出さないように私は女性と会話します。もちろん彼女にはギルド内での会話は極力しないように言い聞かせてあるので大丈夫だとおもいたいところです。
「えーと…あなたがマイルちゃんで剣士、十二歳っと。で、君がアルク君で魔法使い、十五歳??」
女性が不思議なものを見る目でこちらを眺めています。まあ…魔法で姿を変えたと言っても年齢を半分にする魔法でしたので、見た目が十歳ほど。十五歳に見えないのは当たり前なんですがね。
「うーん…流石にこれは信じられないかな」
「嘘じゃないんですけど?」
「ふむう…仕方ありませんね。ちょっとこっちの水晶に触れていてくださいね」
これは確か相手が嘘をついていないかどうかを調べる魔道具だったと記憶しております。相手の質問にどう答えるかで切り抜けることが出来ると思いますが…
「ではっ あなたは本当に十五歳ですか?」
「僕は成人しています」
私の言葉に水晶が青く光ります。
「う…嘘じゃない?? え、ほんとに十五歳??」
女性が驚いて水晶と私を交互に眺めています。ほっと私は軽く胸をなでおろしました。嘘をつくと水晶は赤く光るはずです。どうやら無事に乗り切りました。
「ん~~~~~~疲れたのじゃっ」
終始黙っていた彼女は体を伸ばし声を上げます。私達は冒険者ギルドで登録を済ませると北門を抜け今は森の傍に来ています。どうやら一晩で魔物達が生まれたらしいのでそれを確認するのともちろんレベルを上げるためですね。
「もうレベル上げをしてもいいのじゃな?」
「もちろんです。名前と職業をこれからも間違えないようにお願いしますね?」
「わかってるのじゃ…ただ、この髪の毛は何とかならんのか?」
「なりませんね」
「むう…仕方ないのじゃ。少し重いが我慢するのじゃ」
質量が変わったわけではないので重さは変らないのですが、彼女には重く感じるみたいですね。
「おおっ アルクウェイ! 見るのじゃっ」
「アルクですよ」
嬉しそうに彼女が指を向けている先を見ますとキノコが二足歩行しております。どうやらこれがこの森に新たに現れた魔物の一体のようです。動きはスライムよりは少し早いくらいですね。彼女が嬉しそうにキノコに飛び掛かります。
「ぬ…弾力があってこんな武器じゃあまりダメージが通らないのじゃ」
「では最初に買うのはマイルの武器にしようか?」
「それがいいのじゃ」
数回キノコの魔物を彼女が殴りつけると魔物はぱたりと倒れます。スライムのように簡単にいかないようで少しばかり苦戦しています。私が援護したほうがいいのでしょうかね?
「ファイアーボール」
「わっ 危ないぞアルクウェイ!」
「アルクですよ」
私の手から飛び出した火の玉がキノコ魔物にあたりました。あっという間にキノコ焼きの出来上がりです。でもあまりおいしくはなさそうですね。それから私達はスライムとキノコをしばらく相手にしておりました。今のところ魔物はこの二種類しか見かけておりません。何度か彼女の体が光り、レベルが上がっていきます。やはりその間一度も私のレベルは上がりませんでした。
「あら、いらっしゃい。二人は何しにここへ来たのかな?」
カウンターの中から優しそうな女性が声をかけてきます。
「僕たち冒険者登録にきました」
「あらそうなのね。でも本登録は十五歳からよ?」
「知っています」
「そう…? じゃあこっちの用紙に記入してね。文字は書けるかしら」
「大丈夫です」
私達は姿を変え再び冒険者ギルドでの登録をしにきたのです。出来るだけ余分なことを口に出さないように私は女性と会話します。もちろん彼女にはギルド内での会話は極力しないように言い聞かせてあるので大丈夫だとおもいたいところです。
「えーと…あなたがマイルちゃんで剣士、十二歳っと。で、君がアルク君で魔法使い、十五歳??」
女性が不思議なものを見る目でこちらを眺めています。まあ…魔法で姿を変えたと言っても年齢を半分にする魔法でしたので、見た目が十歳ほど。十五歳に見えないのは当たり前なんですがね。
「うーん…流石にこれは信じられないかな」
「嘘じゃないんですけど?」
「ふむう…仕方ありませんね。ちょっとこっちの水晶に触れていてくださいね」
これは確か相手が嘘をついていないかどうかを調べる魔道具だったと記憶しております。相手の質問にどう答えるかで切り抜けることが出来ると思いますが…
「ではっ あなたは本当に十五歳ですか?」
「僕は成人しています」
私の言葉に水晶が青く光ります。
「う…嘘じゃない?? え、ほんとに十五歳??」
女性が驚いて水晶と私を交互に眺めています。ほっと私は軽く胸をなでおろしました。嘘をつくと水晶は赤く光るはずです。どうやら無事に乗り切りました。
「ん~~~~~~疲れたのじゃっ」
終始黙っていた彼女は体を伸ばし声を上げます。私達は冒険者ギルドで登録を済ませると北門を抜け今は森の傍に来ています。どうやら一晩で魔物達が生まれたらしいのでそれを確認するのともちろんレベルを上げるためですね。
「もうレベル上げをしてもいいのじゃな?」
「もちろんです。名前と職業をこれからも間違えないようにお願いしますね?」
「わかってるのじゃ…ただ、この髪の毛は何とかならんのか?」
「なりませんね」
「むう…仕方ないのじゃ。少し重いが我慢するのじゃ」
質量が変わったわけではないので重さは変らないのですが、彼女には重く感じるみたいですね。
「おおっ アルクウェイ! 見るのじゃっ」
「アルクですよ」
嬉しそうに彼女が指を向けている先を見ますとキノコが二足歩行しております。どうやらこれがこの森に新たに現れた魔物の一体のようです。動きはスライムよりは少し早いくらいですね。彼女が嬉しそうにキノコに飛び掛かります。
「ぬ…弾力があってこんな武器じゃあまりダメージが通らないのじゃ」
「では最初に買うのはマイルの武器にしようか?」
「それがいいのじゃ」
数回キノコの魔物を彼女が殴りつけると魔物はぱたりと倒れます。スライムのように簡単にいかないようで少しばかり苦戦しています。私が援護したほうがいいのでしょうかね?
「ファイアーボール」
「わっ 危ないぞアルクウェイ!」
「アルクですよ」
私の手から飛び出した火の玉がキノコ魔物にあたりました。あっという間にキノコ焼きの出来上がりです。でもあまりおいしくはなさそうですね。それから私達はスライムとキノコをしばらく相手にしておりました。今のところ魔物はこの二種類しか見かけておりません。何度か彼女の体が光り、レベルが上がっていきます。やはりその間一度も私のレベルは上がりませんでした。
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