23 / 29
23
しおりを挟む
昼食が終わったので、午後からの予定を確認する。受付で受け取った紙に午後からは戦闘技能と魔法技能と書かれていた。どうやら番号で振り分けて最初に受ける方が俺は戦闘技能らしい。第3訓練室ね。どういった振り分け方なのかわからないけれど、第3は100人ほどいるみたいだ。戦闘と魔法で半分に分けたとしても第1と第2に比べて多い。ちょっと時間がかかりそうだけどこればかりは仕方がないのだろうね。
紙に書かれていた地図に従って第3訓練室へ。そもそも昼食を食べている人はまだ少なかったくらいなので、ここにもまた人がいない。ちょうどいいので少し体をほぐしておこうかな。といっても何をやらされるのかわからないので軽いストレッチをするくらい。体を伸ばしたり縮めたり手足などを回しておく。
「あっ 一番のりさんね!」
俺が体をほぐしていると女の子がやってきた。少しだけ俺より年上だと思うからここの生徒だろうか? 金色の髪の毛を二つに分け編み込み後ろで束ねている。瞳の色は青くてこの世界でよく見る色だ。服装は膝くらいのスカートにマントを肩で留めていた。もしかするとここの制服なのかもしれない。
「私はアンネ・フォン・マキシマータ。あなたは?」
「シオンです」
「そうシオン君ね。私は初等部2年…あっ 今度3年なのでこの試験の対戦相手の一人なのよ」
「対戦…?」
「あ! 今のは内緒でっ 受験者には全員そろってからの説明だったわ」
「わかりました」
名前からして貴族っぽいけど気安く話しかけてきてくれてちょっと好印象。今まで貴族はすれ違ったことはあったかもしれないけど、こうやって会話をするのは初めてだ。勝手なイメージだけど遺族って偉そうな態度の人が多そうな気がしてたから。
「私の弟も今回の試験受けているのよ~ どうせなら弟のいる部屋へ行きたかったのだけど…身内同士では甘えが出るからダメなのですって」
「まあそうなのかもしれ…あ」
「あら、人が来始めましたね。では私は少し離れたところにいますので。さっきのことは内緒でね?」
訓練所の入り口からちらほらと人が入ってくる。中には制服と思われるさっき会ったアンネさんと同じ服装の人もいた。その人たちはアンネさんの方へと向かうと親しげに会話を始める。
…会話相手はいないしもうちょっと体ほぐしておくか。
俺は一人ストレッチを再開した。
第3訓練所に人がかなり増えたころ、聞き覚えのある声が聞こえ始めた。
<午後の試験が間もなく始まります。各訓練所にて説明が行われますので時間になりましたら開始してください>
今回はこの声の人が説明をするわけじゃないらしい。少しすると訓練所の扉が閉められた。
「どうやら時間のようですので説明に入ります。私はアンネ・フォン・マキシマータ。この学園初等部の今年の3年生です。今回の戦闘技能の試験は私達新初等部3年生10名が受験生と1対1の対戦を行います」
アンネさんがここまで行ったところで周りがざわつき始めた。やっぱり対戦というのに誰もが驚きを隠せずにいるみたいだ。不安そうな顔をしている人が結構いる。
「対戦は1人5分間。この場所を10に区切って同時に行います。ちなみに勝つ必要は全くありません。思う存分自分の力を示してください。評価をするのは私達ではなく、ここでの対戦記録を後程先生方が確認しますので安心してくださいね?」
なるほど…生徒が評価するとなったら後でもめ事になりそうだもんね。このあたりは安心だ。
「それでは始めたいと思いますので、あちらを見てください」
上の方に手をあげ示す先にあるのも…やっぱり仕組みがわからないけど、何か半透明状態の板のようなものが浮いている。そこにはマスがに区切られていて数字が書かれている。
「この番号の方から始めますので書かれている配置と同じ場所へお願いします。他の方はあちらの観客席でお待ちください」
俺の番号はまだないみたいだ。まあ一番最後の数字だもんね…もしかすると表示されるのは本当に最後の方かもしれない。まあその間他の人の対戦を眺めていようか。
対戦が始まり少し離れた観客席からその様子を眺める。こうやって一度の行うとどこを見たらいいのか迷ってしまうな。お…あそこにいるのはアンネさん。アンネさんは木剣で相手をしている。対する受験者は刃のついた槍。なるほどね、確かに自分が使っている武器を持ってくるようにあったし、それを使ているんだろう。それにしてもたった2年の差しかないのにアンネさんは相手の攻撃を軽々とさばいているね。ある程度戦える人が相手として選ばれているのかもしれない。となると俺が当たる相手が誰になるかわからないし、他の人も見ておいたほうがいいだろうか。
剣が4、槍が1、短剣が2、棍が1,弓が2か…
どれも木で出来た武器なので怪我をしても打ち身程度だろう。弓は…なるほど、矢じりがなくなり代わりに綿か何かが詰められていて色がついている。あれが当たったらわかるってことだね。中々よく出来ている。だけどあの色が当たったら後で取れるのかどうかが気になるところだ。
紙に書かれていた地図に従って第3訓練室へ。そもそも昼食を食べている人はまだ少なかったくらいなので、ここにもまた人がいない。ちょうどいいので少し体をほぐしておこうかな。といっても何をやらされるのかわからないので軽いストレッチをするくらい。体を伸ばしたり縮めたり手足などを回しておく。
「あっ 一番のりさんね!」
俺が体をほぐしていると女の子がやってきた。少しだけ俺より年上だと思うからここの生徒だろうか? 金色の髪の毛を二つに分け編み込み後ろで束ねている。瞳の色は青くてこの世界でよく見る色だ。服装は膝くらいのスカートにマントを肩で留めていた。もしかするとここの制服なのかもしれない。
「私はアンネ・フォン・マキシマータ。あなたは?」
「シオンです」
「そうシオン君ね。私は初等部2年…あっ 今度3年なのでこの試験の対戦相手の一人なのよ」
「対戦…?」
「あ! 今のは内緒でっ 受験者には全員そろってからの説明だったわ」
「わかりました」
名前からして貴族っぽいけど気安く話しかけてきてくれてちょっと好印象。今まで貴族はすれ違ったことはあったかもしれないけど、こうやって会話をするのは初めてだ。勝手なイメージだけど遺族って偉そうな態度の人が多そうな気がしてたから。
「私の弟も今回の試験受けているのよ~ どうせなら弟のいる部屋へ行きたかったのだけど…身内同士では甘えが出るからダメなのですって」
「まあそうなのかもしれ…あ」
「あら、人が来始めましたね。では私は少し離れたところにいますので。さっきのことは内緒でね?」
訓練所の入り口からちらほらと人が入ってくる。中には制服と思われるさっき会ったアンネさんと同じ服装の人もいた。その人たちはアンネさんの方へと向かうと親しげに会話を始める。
…会話相手はいないしもうちょっと体ほぐしておくか。
俺は一人ストレッチを再開した。
第3訓練所に人がかなり増えたころ、聞き覚えのある声が聞こえ始めた。
<午後の試験が間もなく始まります。各訓練所にて説明が行われますので時間になりましたら開始してください>
今回はこの声の人が説明をするわけじゃないらしい。少しすると訓練所の扉が閉められた。
「どうやら時間のようですので説明に入ります。私はアンネ・フォン・マキシマータ。この学園初等部の今年の3年生です。今回の戦闘技能の試験は私達新初等部3年生10名が受験生と1対1の対戦を行います」
アンネさんがここまで行ったところで周りがざわつき始めた。やっぱり対戦というのに誰もが驚きを隠せずにいるみたいだ。不安そうな顔をしている人が結構いる。
「対戦は1人5分間。この場所を10に区切って同時に行います。ちなみに勝つ必要は全くありません。思う存分自分の力を示してください。評価をするのは私達ではなく、ここでの対戦記録を後程先生方が確認しますので安心してくださいね?」
なるほど…生徒が評価するとなったら後でもめ事になりそうだもんね。このあたりは安心だ。
「それでは始めたいと思いますので、あちらを見てください」
上の方に手をあげ示す先にあるのも…やっぱり仕組みがわからないけど、何か半透明状態の板のようなものが浮いている。そこにはマスがに区切られていて数字が書かれている。
「この番号の方から始めますので書かれている配置と同じ場所へお願いします。他の方はあちらの観客席でお待ちください」
俺の番号はまだないみたいだ。まあ一番最後の数字だもんね…もしかすると表示されるのは本当に最後の方かもしれない。まあその間他の人の対戦を眺めていようか。
対戦が始まり少し離れた観客席からその様子を眺める。こうやって一度の行うとどこを見たらいいのか迷ってしまうな。お…あそこにいるのはアンネさん。アンネさんは木剣で相手をしている。対する受験者は刃のついた槍。なるほどね、確かに自分が使っている武器を持ってくるようにあったし、それを使ているんだろう。それにしてもたった2年の差しかないのにアンネさんは相手の攻撃を軽々とさばいているね。ある程度戦える人が相手として選ばれているのかもしれない。となると俺が当たる相手が誰になるかわからないし、他の人も見ておいたほうがいいだろうか。
剣が4、槍が1、短剣が2、棍が1,弓が2か…
どれも木で出来た武器なので怪我をしても打ち身程度だろう。弓は…なるほど、矢じりがなくなり代わりに綿か何かが詰められていて色がついている。あれが当たったらわかるってことだね。中々よく出来ている。だけどあの色が当たったら後で取れるのかどうかが気になるところだ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
私の愛した召喚獣
Azanasi
ファンタジー
アルメニア王国の貴族は召喚獣を従者として使うのがしきたりだった。
15歳になると召喚に必要な召喚球をもらい、召喚獣を召喚するアメリアの召喚した召喚獣はフェンリルだった。
実はそのフェンリルは現代社会で勤務中に死亡した久志と言う人間だった、久志は女神の指令を受けてアメリアの召喚獣へとさせられたのだった。
腐敗した世界を正しき方向に導けるのかはたまた破滅目と導くのか世界のカウントダウンは静かに始まるのだった。
※途中で方針転換してしまいタイトルと内容がちょっと合わなく成りつつありますがここまで来てタイトルを変えるのも何ですので、?と思われるかも知れませんがご了承下さい。
注)4章以前の文書に誤字&脱字が多数散見している模様です、現在、修正中ですので今暫くご容赦下さい。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる