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マリーへの説明
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部屋を出ると俺とマリーは元の部屋へと戻って来た。テーブルの上にはマリーが置いた箱が乗っている。ばんっと大きな音を立ててマリーが机を叩いた。この乱暴者め…
「ほら早く説明しなさいよ!」
「とりあえず落ち着いてくれよ…まずはこっちの話を聞いてもらえないと会話にもならないだろう?」
「私は全然落ち着いてるわよ!」
「急がなくても話すからとにかく座って」
「わかったわっ」
全然落ち着いてないじゃないか…ずっとこっちを睨んでいるし。まあ座ってくれたから話はちゃんと聞こえてるみたいだし、大丈夫…かな?
「ふぅ…えーとね簡単に言うと森へ採取に行ったら彼女が倒れてたんだ」
「そうなのね? それで?」
「それで流石に放置はいけないと思って連れ帰ったんだよ」
「たしかに放置はだめよね? それで?」
「それで…? いやそれだけだけど??」
「はぁ~? それだけなわけがあるもんですかっ 普通ならそんな知らない子門番に預けるでしょうがっ 連れ帰ったなら知っている子なんでしょう?」
もう何を言っているのかわからないよ…あの耳を見たでしょうが。数少ない獣人なんだ、へたに預けたらあの子がどうなるかわからないことくらいわかるだろうに…
「意識のない獣人を門番になんて預けられないよ…」
「たしかにそうだけどっ レイが匿う必要だってないでしょうがっ あんなかわいい子!」
顔を真っ赤にして相当これは怒っているね…何がいけなかったんだろう?
「マリーだって自分の立場だったら連れ帰るでしょう?」
「当り前じゃない! でもレイがやることじゃないわっ」
「なんでだよ…」
「なんでもよ!」
意味がわからないよ。
「とにかく状況は理解したわっ」
「そうですか…」
「怪我とかなかったら早く帰ってもらいなさいっ」
「あーうん、そうだね」
「それなら許すわ」
…何を?
「そうと決まったらあの子を話をしないとね!」
「もう!? 少しくらい休ませて…」
「話くらい出来るでしょう?」
「いや…はい」
言っていることは間違っていないのになんで俺はこんな怒られている気持ちになるんだろう。後ろめたいことなんて何もないのにな…というかそもそもマリーにもこれは関係ない話だと思うんだよ。だけどこう…まっすぐっていうか思い立ったら止まらないというか、半分暴走してるんじゃないかと思わせるこの態度にはなぜか逆らえないんだ…
「ほらレイも行くわよ」
「はいはい…」
「ほら早く説明しなさいよ!」
「とりあえず落ち着いてくれよ…まずはこっちの話を聞いてもらえないと会話にもならないだろう?」
「私は全然落ち着いてるわよ!」
「急がなくても話すからとにかく座って」
「わかったわっ」
全然落ち着いてないじゃないか…ずっとこっちを睨んでいるし。まあ座ってくれたから話はちゃんと聞こえてるみたいだし、大丈夫…かな?
「ふぅ…えーとね簡単に言うと森へ採取に行ったら彼女が倒れてたんだ」
「そうなのね? それで?」
「それで流石に放置はいけないと思って連れ帰ったんだよ」
「たしかに放置はだめよね? それで?」
「それで…? いやそれだけだけど??」
「はぁ~? それだけなわけがあるもんですかっ 普通ならそんな知らない子門番に預けるでしょうがっ 連れ帰ったなら知っている子なんでしょう?」
もう何を言っているのかわからないよ…あの耳を見たでしょうが。数少ない獣人なんだ、へたに預けたらあの子がどうなるかわからないことくらいわかるだろうに…
「意識のない獣人を門番になんて預けられないよ…」
「たしかにそうだけどっ レイが匿う必要だってないでしょうがっ あんなかわいい子!」
顔を真っ赤にして相当これは怒っているね…何がいけなかったんだろう?
「マリーだって自分の立場だったら連れ帰るでしょう?」
「当り前じゃない! でもレイがやることじゃないわっ」
「なんでだよ…」
「なんでもよ!」
意味がわからないよ。
「とにかく状況は理解したわっ」
「そうですか…」
「怪我とかなかったら早く帰ってもらいなさいっ」
「あーうん、そうだね」
「それなら許すわ」
…何を?
「そうと決まったらあの子を話をしないとね!」
「もう!? 少しくらい休ませて…」
「話くらい出来るでしょう?」
「いや…はい」
言っていることは間違っていないのになんで俺はこんな怒られている気持ちになるんだろう。後ろめたいことなんて何もないのにな…というかそもそもマリーにもこれは関係ない話だと思うんだよ。だけどこう…まっすぐっていうか思い立ったら止まらないというか、半分暴走してるんじゃないかと思わせるこの態度にはなぜか逆らえないんだ…
「ほらレイも行くわよ」
「はいはい…」
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