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出会ってしまいました

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 ある日のこと。
 いつものように私は依頼を受け、町の隣の森へと足を運びました。冒険者にとってコレは当たり前のこと。かく言う私もそんな冒険者の一人。今ではこんな毎日も慣れたもので、軽い足取りと言いますか軽くスキップなどをしながら森の中を進みます。

「なんだってぇぇぇぇ~~っ」

 突然叫び声が聞こえてきました。助けを求めている…のとは違うようですが、気になります。確かめましょう。念のためコッソリと…足音を忍ばせ木々に隠れながら。

 …いえ、怖いわけではないんですよ? もしもとかあるかもしれないじゃないですか。慎重な行動は長生きのコツですね。

 そろそろ声の主の姿が見えると思うんですが…変ですね…え? 今わたしのお尻に何かがぶつかりましたよ? これはちょっと怖いですが確認しないわけにはいかないでしょう。ゆっくりと振り返った先には人間の顔が…

「「なんだってぇぇぇぇぇ~~っ」」

 探していた相手と思われる人とぶつかっていたみたいです。お互い驚いて声をあげてしまいました。いけません…まだ森の浅い場所とはいえ何がいるのかわからないのです。大きな声で自分の居場所を伝えてしまいます。

「し~~~っ」

 私が指を口に当ててこうしますと相手も同じ動作をしました。どうやらわかってくれたようです。

 さて…ふむ。この辺では見ない服装をしていますね。と言うことは何処か他所の国の人なのでしょう。

「なあ…」

 私がジロジロと眺めていると声をかけられました。首をこてりと横に倒し私は返事を返します。

「何?」
「お前コスプレイヤーなのか?」
「……?」

 意味がわかりません。どうやら私の耳を指して言ったみたいです。そのコス…何とか? よくわかりませんがどうやら学がないか田舎者なのでしょう。私のように可愛らしいラビチューン族を知らないなんて。

「私ラビチューン族なんですよ。ほら、この長い耳が特徴なのです」
「ラビ…なんだって?」

 やっぱり知らないみたい。私が耳をピコピコと動かすと目を輝かせています。

「獣人! そうかそう言うことかっ」

 なんだか一人で納得したみたいです。獣人というのは知ってるようですが…手を耳に伸ばして来たのではたきおとしてやりました。

「ん、んっ えーと、俺はダイス。まあ見たまま人間だ。とりあえずここじゃない世界から来たっぽい。異世界人? ってやつ」

 ちょっと待ってください…別の世界から来た? なんなんですかっ 頭のおかしい人じゃないでしょうね…

「で、お前の名前は?」
「ユーナ…ですけど」
「ユーナ早速で悪いんだけどさ」

 いきなり呼び捨てとか誰がいいと言いましたか…

「お金ちょうだい?」

 これが私と自称異世界人ダイスの出会いでした。最悪としか言えません。
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