一話完結ヤンデレシリーズ

彼女と駆け落ちすると？下

そうして、やがて僕達の間に子供が出来た。
それからというもの僕はさらに仕事に精をだすようになり、僕達はその子の名で三日三晩話し合い、アルカイと名付け2人で成長を見守っていたある日
それは起きた。









僕たちが夜中食事を取っているといきなり扉が開いたかと思うとそこにはフィローネがいた。
僕は「フィ、フィローネがなんでここに」と言った。
それはそうだ。あれから何年も経っているのになぜ今ここに、それに僕はもうあれから家に帰っていないから恐らく廃嫡されているはずだ。
そうして、フィローネがここに来た理由を考えていると
「ねぇ、ルイさん」と僕は彼女の声を初めて聞く。
「なんだよ、何か用か？」と返すと
「何の用ですって？」と聞き返してくる。
僕は「それはそうだろ、僕は数年前にいきなり家を出て帰らなかったから君との婚約も僕の地位も消えたはずだそうすれば僕は君と婚約する必要が無くなる。僕を嫌っていた君からすれば喜ばしいことじゃないのか？」と僕が思うことを全て言ってみる。
「....................」そう言うと彼女は俯いて黙る。
「それじゃあ帰ってくれないかな」というと彼女何かを言おうとするが、その前に僕は扉を閉めた。


「ごめんな、俺のせいでこんなことになって」とミネアに言うと
「大丈夫、少しびっくりしただけだから」というが彼女の愛は震えていた。
僕は何も言わずに彼女を抱きしめた。



次の日僕が仕事場に行くと僕の席がなくなっていた。
社長に言うと僕を解雇にしないと取引をやめると脅されたらしい。
しかし幸いか今月分の給料とその分の慰謝料をもらい僕はその場を後にする。

僕が家に帰るとミネアはいなかった。
「え？」と僕は声をだす。
ミネアはこの時間帯は家にいるはずだ。なのにいないということは

僕は嫌な妄想をしてしまう、その瞬間僕は走り出した。
吸い寄せられるように、そこに行くのが必然だというほど迷いなくその場所に向かう。


来たのは廃屋だった。
なんてことのない、少しさびれた場所だ。
僕は扉を開く。
その瞬間僕は見てしまったのだ。
彼女が、、、僕の妻であるミネアが複数人の男に強姦されそうになっている場所を、、、、、、

そして、、、そして彼女と目が合う。
そして声をださずに口パクで告げる。
逃げてと


そんなことできるはずがない。だって僕は、、僕という人間はからっぽだった、でもそんなあるとき僕に光を当ててくれて、僕に価値をつけてくれて、僕という人間を肯定してくれた彼女を、彼女を、、、、僕は、「守らなきゃいけないんだああああああああ！」その瞬間、僕という人間の限界を超えた力が出る。
あきらかに僕よりガタイのいい人間複数人を全員を相手に僕は勝った。それもすべて一発で。
しかしそんなことも今の僕にはどうでもよくて、僕は彼女に近づいた。
「ごめん、ごめん、僕が、僕がいたら、、、、、、、」そう声が出る。しかし遅いのだ僕が家にいたら、いやそもそも僕が平民だったら、、、、、そんなことばかり考えてしまう。後悔が押し寄せてくる。
しかし次の瞬間僕はミネアにハグされていた。
その瞬間僕という人間の後悔が、強大でとても深い後悔はちっぽけで矮小な存在へとなり下がっていた。

そうしていると僕は気配を感じ「隠れてるやつ、でてこいよ」と物陰に向かって言う。
そこから出てきたのは、、、、、、、、フィローネだった。

「全部お前の仕業か」そういうと彼女は笑みを浮かべる。
「沈黙は肯定と受け取らせてもらう」と言う。
「いったいなんでこんなことをしたんだ」というと彼女はいきなり

「あなたが、、、、、あなたが私を捨てたんでしょう！あなたがいきなり私を！」と言ってくる。
「ああそうだ、僕は君を捨てた！でもよかっただろう。やりたくもない結婚に話したくもないほど嫌っていた僕がいなくなって！あれからどうだった！僕がいなくなってせいせいしただろう！」と僕は彼女に怒りをぶつける。

「嫌い？一体いつ私がそんなこと言ったんですか！」と大声で言ってくる。彼女の大声も初めて聞いたため僕は一瞬たじろいだが

「聞いてないさ！だけど僕と目を合わさず、話も聞かない、何かを聞いても無視をする！」こんなことするんだから僕のことが嫌いに決まっているだろ！というが彼女の答えは違っていた。


「違います！私は、私は一目ぼれしたんです！あなたに、そうして権力を使って結婚までさせたのに、あなたがいなくなって！何がしたいんですか一体！数年間もいなくなって！」と怒ってくる
「私は、あなたがはなしかけてくれるとき、視線を向けてくれたとき、あなたがわたしにしてくれることすべてが幸せで、私は恥ずかしくて返せなかっただけなのに、、、なんできゅうにいなくなったんですか！あなたは、、、あなたは私だけのものなのに」と言ってくる。

なんだよこいつ、無視をした理由が好きだったから？好きだから俺を無視してもいいのか？そんな言葉が出そうだったが先にミネアが
「あなたのその気持ちは理解できないことはない、けど、それでも好きだからと言って、恥ずかしかったからという理由で無視していいなんてことはないと思います」とただそういった。

「あなたに何が、なにがわかるのよ！」といい彼女に向かって隠し持っていた刃物を突き刺そうとする。
それを僕はかばって刺された。
「え？」とミネアは声をだす。
一方フィローネは
「死んだ？死んだってことは、、、私も死ねば、、、、、彼と共に、、こんどこそ、奪われないように、、、、それじゃあ先に言ってますねルイさん」といい彼女は自身の胸に刃物を刺す。
そして彼女からは血が流れていき、、、、、、、、、、、死んだ。

しかし彼女はそれすらも気にせずに僕に話しかけてくる。
「なんで、なんでこんなことに私のせいで、、、私の、、、、、、それじゃあ私も」といい刃物をフィローネから奪い取ろうとするが僕は彼女を制止する
「なんで、なんで！」という彼女にキスをする。
「あっ」と彼女は声をだし、涙を流し始める。
僕は「ごめん、ごめんな、、、、僕のせいで、、、、、、」と僕は彼女を抱きしめながら言う。
「違う、違うの、、、私がもっとちゃんとすれば私は、、、、、、あなたは、、、、、、」
「大丈夫、大丈夫だ」と僕は彼女の頭をなでる。
「何が大丈夫なのよ」とミネアはかすれそうな声で言う。
「君にはアルカイがいる」という。
彼女はハッとしたような顔をして、先ほどより涙を流す。
「だから、、、だからさ、、、、」と僕は今にも燃え尽きそうな命でその言葉を告げる。
「アルカイを頼んだ」そういって僕の命は燃え尽きた。




これでよかったのだろうかもっといい選択があったのかもしれない。
でも不思議と後悔はわいてこない。
それはきっと彼女を守れたからなのだろう。彼女をこの手ですくうことができたから、後悔は、、、、、後悔はないんだ。