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第六章 家族で気ままなスローライフ

第百二十四話 旧友との語らい

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 ある日の朝、ミナヅキ宛に一通の手紙が届いた。
 その手紙を読んだ彼は、フレッド王都に友達が来るから、一緒に墓参りに行ってくると言い出した。
 するとアヤメが、目を丸くしながら言う。

「あら、偶然ね。私も王都に用があるのよ。ヴァネッサさんと会うために」

 ヴァネッサ――元々はとてもプライドが高い、アヤメの先輩冒険者であった。
 しかしとある事件により、冒険者の引退を余儀なくされた。それがキッカケで心を入れ替えた彼女と、アヤメは友達になったのである。
 他国にある実家へ帰ったヴァネッサとは、ずっと文通を続けていた。
 彼女も最近、ようやく結婚したという知らせを聞いて、一度会って話したいという気持ちが膨れ上がっていた。
 しかし実際に会う機会は、なかなか来なかった。
 ヴァネッサも何かと忙しい日々を送っており、なかなか休みが取れないと、手紙で愚痴をこぼしていたほどであった。
 アヤメにとって今回のお誘いは、逃したくないチャンスそのものであった。

「じゃあ今日は、パパもママもいないってことなんだね」

 ヤヨイが朝食のパンを食べながら言う。ちなみに今日は学校が休みの日であり、いつもよりのんびりとしていた。

「あたし留守番するよ。畑のほうも見ておくし。あっ、シオンも一緒にね」
「えー? ぼくもー?」
「たまには手伝いなさいっての」
「ぶー」

 姉にそう言われ、ふてくされる弟。そんな子供たちの様子を、ミナヅキとアヤメは微笑ましさを感じていた。

「じゃあ頼むわ」
「夕方までには帰ってくるからね」
『はーい』

 かくしてミナヅキとアヤメは、急きょ一緒に王都へ向かうこととなった。朝食を終えて程なくして、二人は子供たちに見送られ出発する。
 王都へ続く平原を歩きながら、アヤメはよく晴れた青空を見上げた。

「そういえばさ、こうして二人っきりで歩くのって、随分久しぶりじゃない?」
「あー、確かにな」

 ミナヅキもアヤメの言葉には即同意した。
 子供が生まれてからは、皆無といっても過言ではない気がする。むしろ今では、娘と一緒に行動することのほうが多いくらいだ。
 調合や畑という共通の興味や適性を持っている以上、ある程度は仕方のないことだと言えなくもないが――

「お父さんは最近、娘とばっかりイチャイチャしてるもんね」

 アヤメは笑みを浮かべながらも、少し拗ねるような口調で言った。それに対して一瞬呆気にとられるミナヅキであったが、すぐに苦笑を浮かべる。

「いや、一緒にいるだけでイチャイチャはしてないだろ」
「そうとしか見えないわよ」

 そしてアヤメは、スッとミナヅキの腕に抱きつく。

「私だって嫉妬するときもあるんだからね? 娘相手で大人げないかもだけど」

 そして少し妻の声のトーンが落ちる。純粋に寂しい気持ちからなのか、それとも言葉のとおり、大人げない自分に対する恥ずかしさなのか。
 どちらにせよ、ミナヅキはそれに対して拒む様子は見せなかった。

「……まぁ、いいんじゃないか? たまにはそーゆーのがあってもよ」

 久々に弱弱しく甘えてくる妻の姿を見た気がした。子供が生まれてからは、力強いお母さんのイメージが前面に出ていた。しかしこういった部分も、まだまだ残っていたということだろう。
 子供たちがいないからこそ、本来の姿をさらけ出せる。
 それもまた、親として自然なことと言えるのかもしれない――ミナヅキはなんとなくそう感じるのだった。
 それから程なくして、二人は王都へ到着した。
 街門をくぐり、いつもの如く賑やかな中心街を歩く。やがて墓地に向かう分かれ道に差し掛かったところで、アヤメは自然とミナヅキから離れた。

「じゃあミナヅキ、お友達にヨロシクね」
「おぅ、行ってくるわ」

 ミナヅキは軽く手を挙げつつ、墓地へ向かって歩き出していく。それを見送ったところで、アヤメも待ち合わせ場所を目指すことにした。

(えーと、確か中央広場の噴水だったわよね?)

 そこで待っていると、手紙には書いてあった。例の事件以降、ヴァネッサと全く顔を合わせていないアヤメは、彼女のことを見つけられるかどうか、少しだけ不安を覚えていた。
 しかし、それは杞憂であった。
 噴水の中央部分。白い水飛沫を背景に、揺れ動くワインレッドのセミロング。背が高く細身の体系に切れ長の赤い目。一人で立つその女性の姿に、男女問わずしっかりと注目を集めていた。
 ある意味、変わってないなぁと、アヤメは思わずほくそ笑んでしまう。

「――ヴァネッサさん」
「えっ?」

 アヤメが近づきながら呼びかけると、女性は少し驚いた反応を示す。そしてすぐにその表情は、笑顔となった。

「アヤメさん、久しぶりね。会えて嬉しいわ」
「こちらこそ」

 二人は再会の握手を交わす。その瞬間、再び噴水が噴き出し、周囲にはその光景が途轍もなく輝いているように見えた。
 驚きと感激と混乱の入り混じったどよめきが広がる中、アヤメは全く気にする素振りを見せずに言う。

「とりあえず移動しましょうか。すぐそこに新しい人気のカフェがあるのよ」
「へぇ、そうなの。是非とも行ってみたいわ」

 そして同じくヴァネッサも、周囲の様子などまるで気づいていないかのように振る舞っていた。
 笑顔を向け合いながら歩く二人の美女に、やはり周囲は注目する。
 男も、そして――女も。


 ◇ ◇ ◇


「――美味しいわね、ここのスコーン」
「でしょ? 前に娘から教えてもらったのよ」

 カフェのテラス席にて、アヤメとヴァネッサはティータイムを満喫する。まるでかつての頃に戻った気分となりつつも、現在の状態も忘れない。

「パパと一緒に食べたけど、凄く美味しかったーってね」
「ヤヨイちゃん、だったかしら? 中身は完全にお父さん譲りだそうね」
「えぇ。ホントそれよ」

 クスクスと笑みを浮かべるヴァネッサに、アヤメは小さなため息をついた。

「ヒマさえあれば調合か畑のどっちか。もう完全に、我が道を行く女の子になってしまったわ」
「フフッ――そこは案外、お母さん譲りかもしれないわよ?」
「ちょっとぉ、それってどーゆー意味?」

 軽くむくれた様子を見せるアヤメ。勿論、本当に怒ってはおらず、ヴァネッサもそれを理解している。

「でもホント、改めて思ったのだけど――」

 それは再会してから、ヴァネッサが心から感じたことであった。

「アヤメさん、もうすっかりお母さんになったのね」
「当たり前じゃない。上の子なんて、もう十歳になってるんだから」
「そうだったわね」

 我ながら今更過ぎることを言ってしまったと、ヴァネッサは苦笑する。
 しかしそれでも、言わずにはいられなかったのだ。
 子供が生まれて家庭に専念するから冒険者を引退する――アヤメから手紙でそう明かされた時は、正直かなり驚いた。
 アヤメの人生だからと頭の中では理解していたが、やはりどこかで納得できない部分も大きかった。それだけヴァネッサは、アヤメに対して期待していたのだ。彼女ならば、自分の辿り着けなかった冒険者の頂点に行けるのではないかと。
 最初は少し苛立ちを覚えた。折角の才能を簡単に放り捨てるなんて、一体何を考えているのか。
 しかし文通を重ねていくうちに、その気持ちも薄れていった。
 特にアヤメが二人目の子を産んだと知った頃だろうか。大変だけど毎日が賑やかで退屈しない――そんな彼女の文章が、とても輝いて見えたのだった。
 そして今日、実際に再会して――改めて分かった気がした。

(アヤメさんは、自分だけの光を手に入れたのね)

 それは、他の誰もが手に入れることが出来ない光。アヤメにしか掴むことが出来ない小さな光を、彼女は掴み取ったのだ。
 冒険者の頂点よりも、遥かに小さくて眩しい――暖かな幸せという名の光を。

(私も手に入れたといえば、手に入れたと言えるのだけど……)

 ヴァネッサは香ばしいスコーンをサクッと一口齧る。そこにアヤメが、思い出したような反応とともに話しかけてきた。

「確か今日ヴァネッサさんは、旦那さんのお仕事の付き添いで来たのよね?」
「えぇ。フレッド王都へ行くと聞いて、無理を言わせてもらったわ」

 その時のことを思い出し、ヴァネッサは苦笑する。

「もう説得するの大変だったのよ? 知らない土地でキミに何かあったら、僕はとても耐えられないー、とかなんとか言ってね」
「フフッ、愛されてるのね」
「もはやそれ通り越して、単なる過保護でしかないわよ、全く……」

 ヴァネッサが軽く頬を膨らませながら思い浮かべるのは、数年前に結婚した旦那の姿であった。
 それなりの立場にある人間であり、今回も王宮に呼ばれて訪れていた。

(ホント……まさか私が結婚できるなんて、夢にも思わなかったわ)

 その原因は、まさに身から出た錆という他なかった。
 力を求めるあまり、呪いの剣に手を出した――その大きな代償は、冒険者の引退を余儀なくされるだけでは済まなかった。
 ヴァネッサは二度と、子供が出来ない体になってしまった。
 命に別条がないだけで済んだといえば、幸いに聞こえるかもしれない。しかし女性としての幸せが潰えたことを、やはりすぐに受け止めることはできなかった。
 救いがあるとすれば、実家の家族が理解を示したことだろう。
 引退して家族とよりを戻した後に発覚したのは、ある意味で運が良かったと言えるのかもしれない。
 しかし――それで済むほど、ヴァネッサの家系は甘くなかった。
 彼女の実家は魔法の名家である。貴族でこそないが、それに準ずるほどの立場を得ていると言えるのだ。
 魔法の活躍も、冒険者としての活躍も期待できず、子孫を残すこともできない。
 そんな女に価値がないと思われることは、想定の範囲内であった。

(両親は気にしなくていいと言ってくれたけど、流石に無理していることは、嫌でも分かってしまうものね)

 改めて白い目で見られることとなった彼女だが、それを甘んじて受け入れた。
 これは天罰だ。これまで散々好き勝手振る舞ってきたツケが、大きな罰となって容赦なく降り注いでいる状態なのだ。
 ――役立たずの出来損ないとはこのことか。
 ――あんな娘をよく何も言わず、家に置いておけるわね。
 ――むしろその甘さが、あんな穀潰しを生み出したんだろうな。
 ――いつまで泥を塗り続けるつもりだ?
 ――さっさと家を出るのが家のためだというのが、どうして分からんのか。
 そんな親族の声がささやかれる度に、辛い表情を浮かべる両親に対して、本当に申し訳なく思ってきた。
 確かに自分が家を出れば楽になれるのだろう。しかしそれでは何も解決しない。むしろ余計に両親を傷つけるだけだ。
 このまま白い目で見られ続け、髪の毛も何もかもが白くなり、そのままみすぼらしいおばあちゃんになって、一人寂しくこの世を去る――きっとそんな人生を送るのだろうと、ヴァネッサは思っていた。
 そんなある日、転機が訪れた。

「そちらのご主人が、一目惚れなされただけのことはあるわね」
「ホントよ。まさか出会って数分経たないうちに、プロポーズしてくるなんて」

 ――ヴァネッサさん! 是非この私と、生涯を共にしてはくれませんか?
 とある大規模な立食パーティにて、テレンスと名乗るその男性が、ヴァネッサに突然そう申し出てきた。
 彼は魔法の名家の次男であり、かなりの実力者として名が知れ渡っていた。
 お互いの親同士が知り合いということで顔を合わせ、数分ほど話した時にそれは起こったのだった。
 無論、周囲は驚きを隠せなかった。
 ヴァネッサも必死に話した。自分は子供が出来ない体なので、将来有望であるあなたとは釣り合いませんと。
 しかしテレンスは、そんな彼女の言葉を一蹴した。

「そんなことは関係ありません。ヴァネッサさんという存在そのものを、私は心から欲しているのです――だったかしら?」
「……よく覚えてるわね」
「それぐらい衝撃的だったのよ。手紙にセリフをしっかり書いてくるんだから」
「確かに……今思えば私も、動転しきってたのかもしれないわね」

 その時、口を開けて呆然としていたのは、ヴァネッサだけではなかった。
 テレンスの家族も、子供が出来ないと相続で不利になるぞと、半場脅しに近いような雰囲気で厳しく言ってきた。
 しかしテレンスは決して引かなかった。
 そんなモノはいらないと、真顔で即答してきたのだった。

「それで結局、相手のお父さまが折れたのよ。彼が全く引かなかったから、もう諦めようって思われたみたい」
「あらら……テレンスさんも、相当なまでに意志が固かったのね」
「ただ頑固なだけよ」

 そしてテレンスの父親が、ヴァネッサの父親に頭を下げて頼み込んだ。どうかこのバカ息子に、お宅の娘さんを寄り添わせてはくれませんかと。
 仮にここで勘当を言い渡したところで、バカ息子は喜んで娘さんを連れてこの場から逃げ出すことになる。
 そうなったほうが、余計に面倒極まりないからと。

「私にも、どうかバカ息子の手綱を握ってやってください、って言ってきてね。呆然としていた私は、ついその場で頷いてしまったのよ」
「それで婚約が成立しちゃったと?」
「そう。ただの懇親会レベルのパーティーが、とってもおめでたい婚約パーティーと化してしまったわ」

 まさかの展開で人生のパートナーを手に入れてしまったヴァネッサ。現在は旦那であるテレンスの秘書みたいなことを行っており、簡単ながらスケジュール管理もしているのだという。
 二人の間に子供こそいないが、最近ではやり手の若夫婦と言われるらしい。

「まぁでも、なんだかんだで結婚して数年が経っちゃったし、もう一生このままでもいいとは思ってるわ」
「別れるつもりはサラサラないってこと?」
「えぇ」

 素っ気なく答えるヴァネッサに、アヤメがニンマリと笑う。

「ふぅん。旦那さんのこと、ちゃんとそれなりには愛してるってことね」
「それもあるけど――」

 ヴァネッサは素直に認めつつ、小さなため息をついた。

「彼は頑固で一途で果てしなくしつこいからね。もし私が見捨てたら、次に口説かれる女性が可哀想だもの」

 そうヴァネッサはしれっと言ってのけた。アヤメは思わずポカンと呆けるが、すぐに軽く噴き出す。

「ふふっ、なんかヴァネッサらしいわね」
「――でしょ?」

 二人の美女が笑い合う。そんなテラス席の光景に、通りすがりの男性たちが思わず目を向けてしまっていることを、本人たちは気づく由もなかった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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