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5年生 3学期 2月
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地下の練習場。その真ん中に、円卓が用意された。周りに椅子が5つ、均等にせり上がる。
「こほん。えー、では改めまして」
僕の土人形、大ちゃん、栗っち、彩歌の分身がそれぞれ席につき、ユーリが立ち上がって、自己紹介を始めた。
因みに、眠い目を擦りながら、彩歌本人もオランダで聞いている。円卓中央に置かれた、大ちゃんの変身ベルトの中のブルーの欠片を経由して。
「私……えっと大波友里の一族は、光の速さでも2万4千年ほどかかるぐらい離れた〝惑星ウォルナミス〟から、1967年前に来た、あ、違った。年が変わったから1968年前かな。異星人の子孫なんだよ」
「そんな昔に、地球に来たの?! すごいねー!」
栗っちが、身を乗り出して目を輝かせる。
「ユーリの先祖は、何をしに地球に来たんだ? まさか観光とかじゃないよな」
腕を組んだまま、少し口角を上げて、答えを知っている風の大ちゃんが、あえて質問する。
「やー、ちょっと言いづらいんだけど……」
「たぶんだけど……侵略、だよなー」
大ちゃんがそう言うと、ユーリはちょっとだけバツが悪そうに笑う。
「やははは……どうやら、そうらしいんだ。この星はその頃、全く未開の状態で、ご先祖様達は、植民星にするつもりでやって来たんだって」
うーん。なんとなく僕も、そんな気がしてたんだよな。
『という事は、地球は今、ウォルナミス星人の支配下ってことなの?』
彩歌がブルー経由で会話に参加する。目の前に分身が居るので、腹話術みたいに感じるな。
「やー、そうじゃないんだよなー。ちょっと複雑なんだけど、説明させてくれるかな」
ユーリは、ウォルナミス星人が地球に来た時の事を話し始めた。
2000年近く前とはいえ、高度な文明を持ったウォルナミスの船は、母星から地球まで、わずか4年で移動出来たそうだ。
「〝銀河法〟っていうのがあってさー。この銀河内の星々の間で、幾つかの取り決めがあるんだよ」
他の星を侵略する時は、時間を止めて、5対5の代表戦を行い、侵略者側が勝てば、その星を好きにできる。1万年以上も前からある法律なのだそうだ。
侵略した側が負けた場合、それ相応の賠償と、その後20メーゼンの間……換算すると130年ぐらいの、不可侵が義務付けられている。この法律を破れば、銀河全体の星々から、逆に〝銀河法に乗っ取らない〟形での制裁を受ける事になる。
「時間を止められた時点で代表者を出せないような未開の星は、なす術もなく侵略される。地球もそうなるはずだったのさー」
ところがここで、事件が起きた。
「母星が、侵略されたんだよ」
はるか昔、惑星ウォルナミスは、他の追随を許さない高い技術力と、個々の秀でた戦闘力で、周辺の星を次々に配下とし、辺境を植民星にしていた。
「地球の、もうチョット先に、すごく強い星があるんだよ。そこへ行く道すがらに、地球へ寄ったんだって」
〝惑星オプラ・オブナ〟……そこに住む人々は温厚な性格だが、いざ戦いとなると最強の戦士へと変貌し、侵略を許さない。
ウォルナミス星人は、その星攻略の足がかり……といえば聞こえは良いが、ちょっとしたつまみ食い程度に、地球を侵略しようとしていた。
「オプラ・オブナ攻略用に、船には最強の戦士5人と、それに次ぐ実力の、控えの戦士5人、それから、最新式のガジェットが予備も含めて12個、乗せてあった」
「なるほど……最高の戦力が、全部、母星から出払ってたんだなー?」
「そうなんだよー。でね、母星に攻めてきたのが、オプラ・オブナだったのさー」
ウォルナミス星周辺の星々が画策し、オプラオブナに依頼して、ウォルナミスを攻略させたらしい。
オプラ・オブナにしてみれば、攻められる前に直接攻撃できる、最良のこのタイミングだった。
……ウォルナミスの滅亡は完全に計画されたものだったのだ。
計画通り母星は侵略され、王族は皆殺し。銀河の星々への支配権は失われた。
「そんなこんなでさー、攻略船はもう、パニックだよー」
考えられない〝人的ミス〟だったらしい。
致命的なトラブルが発生して、宇宙船は衛星軌道上から地球へ無防備に墜落。
生き残ったのは、最強の戦士が2人と、控えの戦士が1人、そしてガジェット11個と少量の機材のみだった。
「ガジェットが頑丈なのはわかるけどさー、それを装備もしてない生身の状態で、3人も生き残るって凄くない?」
確かにスゴい。
けど、宇宙船を人為的ミスで落っことしてしまうウォルナミス人って、ちょっと〝パニックになったネコ〟っぽいよな。
「……で、落ちた先が、日本なんだね、スゴいねー」
栗っちの目の輝きがハンパない。昔ばなしを聞いている子どもの様だ。
……あ、昔ばなしを聞いている子どもか。
「でさ、その攻略船の写真を見た事があるんだけど〝まんま〟なんだよー、形が」
「まんま?」
「そうそう。まんま琵琶湖」
待て待て! あれって、お前の先祖が作ったの?!
「知ってたか、ブルー?」
『まさか。軟着陸されたなら気付きもするけど、湖が出来る程の落ち方なら、異星から来たとは思わないよ』
そうだよな。某有名マンガの戦闘民族じゃあるまいし。
「で、そこからが問題なんだ。船が落ちる前にはもう、銀河法で定める通り地球の知的生命体に、わかりやすく〝宣戦布告〟しちまってたからさー」
あらゆる言語に加え、サルにも分かる図解入りで、100か所以上の地域に、まんべんなく……
メチャクチャ気まずいな……よくある〝悪役の末路〟のパターンじゃん。
「いくら最強のウォルナミスの戦士でも、3人とも瀕死の重傷だし、近付いてくる人間を見て、絶対に殺されると思ったんだよね。ところがだよー」
地球人は、彼らを治療し、手厚く保護したらしい。まあ、やると思ったけど。お人好しなんだよな。僕等って。
「そんでね、地球人に助けられたご先祖様……最強のウォルナミスの戦士たちは、銀河の星々に宣言したんだ。〝この星は自分たちが守る〟って」
ウォルナミス人は、地球の守護者となり、それから、2000年近くも、異星の侵略を阻んできた。
戦いのたびに戦士は減り、ガジェットを失い、今、残されたウォルナミスの戦士はユーリだけ。そしてガジェットは……
「戦場は作れるんだけど、武装部分が壊れちまってさ……これじゃもう、戦えない」
机の上に置かれたのは、勾玉だった。社会で習ったヤツだ。これが最後のガジェット。
そしてその隣には、これも社会の教科書で見掛けたことがある、銅鏡。
「こっちが〝マーカー〟。敵は、これを目指して攻めてくるのさ。壊されたら、防衛失敗になっちゃう」
戦士がいる場合、マーカーを持つのが決まりらしい。そして失えば、即、敗戦。
「次の予約は、3ヶ月ぐらい先だけど、ガジェットがこれじゃあ、もう……」
「あー、直せるぜ?」
「やー……ゴメンね。私の代で地球は侵略され……にゃ?」
「ちょっと見た感じ、時間操作に関する部分は無傷っぽいから、そんなに難しくないぜー」
あまりの驚きに、動きを止めるユーリ。油断しすぎだ。耳出てるぞ。
「大ちゃん、それ、ホントかにゃ?!」
「んー、好きにイジっていいなら、もっとスゴイ性能に出来そうだな。俺に任せてみるか?」
ガジェットをつまんで、指の先でトントンと突きながら、大ちゃんがにっこり微笑む。
「ユーリの戦い、これからは俺にも手伝わせてくれよ。もう絶対に、ユーリを傷つけさせないからなー!」
「す……」
「す?」
「好き! 大ちゃん、お嫁さんにして!」
「こほん。えー、では改めまして」
僕の土人形、大ちゃん、栗っち、彩歌の分身がそれぞれ席につき、ユーリが立ち上がって、自己紹介を始めた。
因みに、眠い目を擦りながら、彩歌本人もオランダで聞いている。円卓中央に置かれた、大ちゃんの変身ベルトの中のブルーの欠片を経由して。
「私……えっと大波友里の一族は、光の速さでも2万4千年ほどかかるぐらい離れた〝惑星ウォルナミス〟から、1967年前に来た、あ、違った。年が変わったから1968年前かな。異星人の子孫なんだよ」
「そんな昔に、地球に来たの?! すごいねー!」
栗っちが、身を乗り出して目を輝かせる。
「ユーリの先祖は、何をしに地球に来たんだ? まさか観光とかじゃないよな」
腕を組んだまま、少し口角を上げて、答えを知っている風の大ちゃんが、あえて質問する。
「やー、ちょっと言いづらいんだけど……」
「たぶんだけど……侵略、だよなー」
大ちゃんがそう言うと、ユーリはちょっとだけバツが悪そうに笑う。
「やははは……どうやら、そうらしいんだ。この星はその頃、全く未開の状態で、ご先祖様達は、植民星にするつもりでやって来たんだって」
うーん。なんとなく僕も、そんな気がしてたんだよな。
『という事は、地球は今、ウォルナミス星人の支配下ってことなの?』
彩歌がブルー経由で会話に参加する。目の前に分身が居るので、腹話術みたいに感じるな。
「やー、そうじゃないんだよなー。ちょっと複雑なんだけど、説明させてくれるかな」
ユーリは、ウォルナミス星人が地球に来た時の事を話し始めた。
2000年近く前とはいえ、高度な文明を持ったウォルナミスの船は、母星から地球まで、わずか4年で移動出来たそうだ。
「〝銀河法〟っていうのがあってさー。この銀河内の星々の間で、幾つかの取り決めがあるんだよ」
他の星を侵略する時は、時間を止めて、5対5の代表戦を行い、侵略者側が勝てば、その星を好きにできる。1万年以上も前からある法律なのだそうだ。
侵略した側が負けた場合、それ相応の賠償と、その後20メーゼンの間……換算すると130年ぐらいの、不可侵が義務付けられている。この法律を破れば、銀河全体の星々から、逆に〝銀河法に乗っ取らない〟形での制裁を受ける事になる。
「時間を止められた時点で代表者を出せないような未開の星は、なす術もなく侵略される。地球もそうなるはずだったのさー」
ところがここで、事件が起きた。
「母星が、侵略されたんだよ」
はるか昔、惑星ウォルナミスは、他の追随を許さない高い技術力と、個々の秀でた戦闘力で、周辺の星を次々に配下とし、辺境を植民星にしていた。
「地球の、もうチョット先に、すごく強い星があるんだよ。そこへ行く道すがらに、地球へ寄ったんだって」
〝惑星オプラ・オブナ〟……そこに住む人々は温厚な性格だが、いざ戦いとなると最強の戦士へと変貌し、侵略を許さない。
ウォルナミス星人は、その星攻略の足がかり……といえば聞こえは良いが、ちょっとしたつまみ食い程度に、地球を侵略しようとしていた。
「オプラ・オブナ攻略用に、船には最強の戦士5人と、それに次ぐ実力の、控えの戦士5人、それから、最新式のガジェットが予備も含めて12個、乗せてあった」
「なるほど……最高の戦力が、全部、母星から出払ってたんだなー?」
「そうなんだよー。でね、母星に攻めてきたのが、オプラ・オブナだったのさー」
ウォルナミス星周辺の星々が画策し、オプラオブナに依頼して、ウォルナミスを攻略させたらしい。
オプラ・オブナにしてみれば、攻められる前に直接攻撃できる、最良のこのタイミングだった。
……ウォルナミスの滅亡は完全に計画されたものだったのだ。
計画通り母星は侵略され、王族は皆殺し。銀河の星々への支配権は失われた。
「そんなこんなでさー、攻略船はもう、パニックだよー」
考えられない〝人的ミス〟だったらしい。
致命的なトラブルが発生して、宇宙船は衛星軌道上から地球へ無防備に墜落。
生き残ったのは、最強の戦士が2人と、控えの戦士が1人、そしてガジェット11個と少量の機材のみだった。
「ガジェットが頑丈なのはわかるけどさー、それを装備もしてない生身の状態で、3人も生き残るって凄くない?」
確かにスゴい。
けど、宇宙船を人為的ミスで落っことしてしまうウォルナミス人って、ちょっと〝パニックになったネコ〟っぽいよな。
「……で、落ちた先が、日本なんだね、スゴいねー」
栗っちの目の輝きがハンパない。昔ばなしを聞いている子どもの様だ。
……あ、昔ばなしを聞いている子どもか。
「でさ、その攻略船の写真を見た事があるんだけど〝まんま〟なんだよー、形が」
「まんま?」
「そうそう。まんま琵琶湖」
待て待て! あれって、お前の先祖が作ったの?!
「知ってたか、ブルー?」
『まさか。軟着陸されたなら気付きもするけど、湖が出来る程の落ち方なら、異星から来たとは思わないよ』
そうだよな。某有名マンガの戦闘民族じゃあるまいし。
「で、そこからが問題なんだ。船が落ちる前にはもう、銀河法で定める通り地球の知的生命体に、わかりやすく〝宣戦布告〟しちまってたからさー」
あらゆる言語に加え、サルにも分かる図解入りで、100か所以上の地域に、まんべんなく……
メチャクチャ気まずいな……よくある〝悪役の末路〟のパターンじゃん。
「いくら最強のウォルナミスの戦士でも、3人とも瀕死の重傷だし、近付いてくる人間を見て、絶対に殺されると思ったんだよね。ところがだよー」
地球人は、彼らを治療し、手厚く保護したらしい。まあ、やると思ったけど。お人好しなんだよな。僕等って。
「そんでね、地球人に助けられたご先祖様……最強のウォルナミスの戦士たちは、銀河の星々に宣言したんだ。〝この星は自分たちが守る〟って」
ウォルナミス人は、地球の守護者となり、それから、2000年近くも、異星の侵略を阻んできた。
戦いのたびに戦士は減り、ガジェットを失い、今、残されたウォルナミスの戦士はユーリだけ。そしてガジェットは……
「戦場は作れるんだけど、武装部分が壊れちまってさ……これじゃもう、戦えない」
机の上に置かれたのは、勾玉だった。社会で習ったヤツだ。これが最後のガジェット。
そしてその隣には、これも社会の教科書で見掛けたことがある、銅鏡。
「こっちが〝マーカー〟。敵は、これを目指して攻めてくるのさ。壊されたら、防衛失敗になっちゃう」
戦士がいる場合、マーカーを持つのが決まりらしい。そして失えば、即、敗戦。
「次の予約は、3ヶ月ぐらい先だけど、ガジェットがこれじゃあ、もう……」
「あー、直せるぜ?」
「やー……ゴメンね。私の代で地球は侵略され……にゃ?」
「ちょっと見た感じ、時間操作に関する部分は無傷っぽいから、そんなに難しくないぜー」
あまりの驚きに、動きを止めるユーリ。油断しすぎだ。耳出てるぞ。
「大ちゃん、それ、ホントかにゃ?!」
「んー、好きにイジっていいなら、もっとスゴイ性能に出来そうだな。俺に任せてみるか?」
ガジェットをつまんで、指の先でトントンと突きながら、大ちゃんがにっこり微笑む。
「ユーリの戦い、これからは俺にも手伝わせてくれよ。もう絶対に、ユーリを傷つけさせないからなー!」
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「す?」
「好き! 大ちゃん、お嫁さんにして!」
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