122 / 170
アンブロワーズ魔法学校編
47.2の騎士と王女殿下
しおりを挟む
理解していた。マリユスは己の役目を。
僅か六歳にして、マリユスの命は王女殿下、延いては国のためのモノとなった。顔合わせの前日は、緊張してよく眠れなかった。
「はじめまして。私はリル・イネス・ヴィノダエム。よろしく頼むよ、マリユス」
「は、はい! よろしくお願いいたします!」
自身の拙い挨拶に、優しい微笑みを浮かべたこの方を命に代えても守らねばならない。恐れがないなど無理な話であった。
しかし、王女殿下にこの身を捧げられる。騎士にとってこの上ない誉れなのだと、マリユスは己に言い聞かせた。
病弱でか弱い。世間知らずの箱入りお姫様。周囲で囁かれていた印象と、実際に関わったリルの印象はまったくといって良い程に違っていた。
確かに彼女は病弱ではあった。しかし、“か弱い”というよりも“逞しい”という表現が合うような方だった。熱が出ようとも快活に笑い。病み上がりだとて机に向かい勉学に励む。
マリユスはリルを立派な方だと思った。支えて差し上げたいと。必ずお守りしなければと。何処かで自分の方が強いのだからという自負は確かに存在していた。リルがこっそりと鍛えている現場を目撃するまでは。
「あっ」
「な、な、なにをされて」
「見つかってしまっては仕方がない。どうかな、マリユス。私と手合わ」
「うわぁあ!? お体に障ります、殿下!!」
「やはりこうなるか」
マリユスは必死に訴えリルを止めたが、リルは微笑むばかりで。完全に流されたなとマリユスは頭を抱えたのだった。
そして、マリユスはリルに“か弱い”などという言葉が如何に似合わないかを再認識する事となった。何が自分の方が強いだ。遅れを取るなどあってはならない。騎士の名折れだ。マリユスは一層鍛錬に勤しんだのだった。
その日もリルに振り回されつつ、いつも通りの何でもない午後を過ごしていた。だというのに、何故こんな事になってしまったのか。
複数のならず者達を前に、一歩も引かない堂々としたリルの背中にマリユスは歯噛みする。彼女も同じ十二歳なのに。どうして護衛騎士の自分の方が震えているのか、と。
「神妙にお縄につけ!!」
一応止めてはみたが、マリユスはこの六年で十分に理解していた。リルが止まる筈などないと。早々と諦めたマリユスは、勢いに任せて飛び出した。リルと背中合わせになり、剣を構える。
「背中は預けたからな、マリユス!」
「お任せを。全ては王女殿下の仰せの通りに!」
そこからは、無我夢中であまり覚えていない。ただ、震えは気付けば止まっていた。
ならず者達を全員捕縛出来たのは良かったが、リルは熱を出し倒れてしまった。マリユスは鍛錬が足りぬと、父に叱責されたのだった。
「何も知らないくせに……」
自室のベッドの上でマリユスは、不貞腐れたように丸まる。思わずそんな言葉を独りごちて、重々しく溜息を吐き出した。
自分はあの方に必要なのだろうか。マリユスは己の役目が分からなくなってきていた。今日の出来事がぐるぐると頭を回る。
ほの暗い感情に呑まれそうになった時だった。何処からともなくリルの“背中は預けたからな”という言葉が聞こえた気がした。それにマリユスは目を見開くと、弾かれたように起き上がる。
あぁ、そうか。あの方をお守りするなど畏れ多いことなのだ。寧ろ、足手まといになる可能性すらある。だが、それでも任された。任せてくださったのだ。半人前にすらなれていない自分に。
「お応えしなければ」
ぐだぐだと拗ねて止まっている暇などない。あっという間に置いていかれて、リルは見えなくなるだろう。
焦りにも似た何かに突き動かされて、マリユスは模擬刀を手に部屋を飛び出していた。迷いを振り払うように、ただひたすらに模擬刀を振った。
「すまなかったね、マリユス」
熱が下がり体調が落ち着いたリルと久方ぶりに会ったマリユスは、開口一番そう言われて固まった。リルは眉尻を下げながら自嘲を滲ませ微笑む。
「どうにも、私には覚悟というものが足りないようだ」
広げた両手をじっと見つめるリルの表情には、苦悩が滲んでいた。覚悟。何の覚悟。マリユスの脳裏に“命を奪う覚悟”という言葉が浮かぶ。
時に必要になる冷徹な判断。リルは無茶苦茶であるが、心優しき王女であるのだ。そして、自分と同じ迷い悔いる人間。マリユスの覚悟が本当に決まったのは、その時だった。
お守りしたいと思った。王女殿下の手は、人々を守るためのもの。その綺麗で優しい手が血で赤黒く染まらぬために。
「それは、俺も同じです」
マリユスは恭しく片膝をつく。リルがキョトンと目を瞬いた。
「マリユス?」
「どうか俺をお使いください」
「使うなんて」
「俺は、貴方の剣なのですから」
無下にしないで欲しかった。マリユスの覚悟を。それは、主に対して我が儘であるのかもしれなかったが、マリユスはどうしても受け取って欲しかったのだ。
その気持ちが通じたのか、リルは「そうか」とだけ言葉にする。時期女王に相応しい、凛とした声だった。十分だった。王女殿下の翳りも迷いも全てを斬り伏せてみせよう。
それが、己に与えられた役目。いや、自分で決めた。望みであり、志であり、生きる指針。誰が何と言おうとも、揺らぐことのない誇り。
それから、マリユスとリルの関係は……。特に変わりはしなかった。相も変わらずリルに振り回されながら、マリユスは必死に剣と魔法の腕を磨く日々であった。
それが、アンブロワーズ魔法学校への入学が決まり日常は変化し出す。晴れて自由の身となってしまったリルの無茶苦茶具合にマリユスは胃を痛めることとなったのだ。
今日も今日とて女子生徒に黄色い声を送られているリルに、マリユスは現実逃避するように何処か遠くを見遣る。こんなに目立って大丈夫なのだろうか。
「リルさーん……」
「心配無用だよ、マリユス」
「何処からその自信が出てくるんです?」
「心の底から!」
「強い……」
平民として入学するにあたり、堅苦しいのはなし、気安い雰囲気を心掛けると取り決めたため、マリユスはそれを忠実に守っていた。
それもすっかり板に付き、もうずっとそれで良いよなどと困らせてくるリルを躱す方法を探す羽目になった二年生の始業式。事件は起きた。
魔物が乱入してきたのだ。それを皮切りに魔物達の動きが活発になっていく。しかし、リルが警戒したのは、イヴェットという平民の女子生徒とテオフィル・レノズワール伯爵令息であった。
レノズワール伯爵家は元々きな臭い噂が絶えず、マリユスも護衛騎士として警戒するよう通達はされていた。しかし、イヴェットという平民のことは何の情報もない。
まぁ、何であれマリユスはリルのために動くのみである。そして、マリユスが頼まれたのは、テオフィル・レノズワールの監視統括の方であった。
二学期になると、何故か隣国からの留学生がやって来た。魔物の動きが活発なこの時期に何故と思ったが、答えは単純であったらしい。
光の乙女の再来、ロラ・リュエルミ男爵令嬢がいらっしゃるというのだ。国の思惑が色々と混ざり合っているのだろう。マリユスは触れないことにした。
だというのに、リルは隣国のご令嬢方と親しくなり。リュエルミ男爵令嬢と双子の姉妹だとか何とか。マリユスの胃痛の原因は増える一方であった。
しかし、闇の魔力もちであるルノー・シャン・フルーレスト公爵令息とトリスタン・ルヴァンス侯爵令息のお陰で、マリユスの任務が動き出す。教会の過激派が校内に侵入したのだ。
逃げ足の早い連中であることは情報にあったが、これ程までとは。道理で捕縛できない訳である。何とか隣国からのお客人にバレる前に事を終わらせたかったが、手こずってしまった。
そのせいで、トリスタンが急襲されてしまったのだ。どうリルに報告しようかとマリユスは重い足取りでリルの元へと向かったのだった。
僅か六歳にして、マリユスの命は王女殿下、延いては国のためのモノとなった。顔合わせの前日は、緊張してよく眠れなかった。
「はじめまして。私はリル・イネス・ヴィノダエム。よろしく頼むよ、マリユス」
「は、はい! よろしくお願いいたします!」
自身の拙い挨拶に、優しい微笑みを浮かべたこの方を命に代えても守らねばならない。恐れがないなど無理な話であった。
しかし、王女殿下にこの身を捧げられる。騎士にとってこの上ない誉れなのだと、マリユスは己に言い聞かせた。
病弱でか弱い。世間知らずの箱入りお姫様。周囲で囁かれていた印象と、実際に関わったリルの印象はまったくといって良い程に違っていた。
確かに彼女は病弱ではあった。しかし、“か弱い”というよりも“逞しい”という表現が合うような方だった。熱が出ようとも快活に笑い。病み上がりだとて机に向かい勉学に励む。
マリユスはリルを立派な方だと思った。支えて差し上げたいと。必ずお守りしなければと。何処かで自分の方が強いのだからという自負は確かに存在していた。リルがこっそりと鍛えている現場を目撃するまでは。
「あっ」
「な、な、なにをされて」
「見つかってしまっては仕方がない。どうかな、マリユス。私と手合わ」
「うわぁあ!? お体に障ります、殿下!!」
「やはりこうなるか」
マリユスは必死に訴えリルを止めたが、リルは微笑むばかりで。完全に流されたなとマリユスは頭を抱えたのだった。
そして、マリユスはリルに“か弱い”などという言葉が如何に似合わないかを再認識する事となった。何が自分の方が強いだ。遅れを取るなどあってはならない。騎士の名折れだ。マリユスは一層鍛錬に勤しんだのだった。
その日もリルに振り回されつつ、いつも通りの何でもない午後を過ごしていた。だというのに、何故こんな事になってしまったのか。
複数のならず者達を前に、一歩も引かない堂々としたリルの背中にマリユスは歯噛みする。彼女も同じ十二歳なのに。どうして護衛騎士の自分の方が震えているのか、と。
「神妙にお縄につけ!!」
一応止めてはみたが、マリユスはこの六年で十分に理解していた。リルが止まる筈などないと。早々と諦めたマリユスは、勢いに任せて飛び出した。リルと背中合わせになり、剣を構える。
「背中は預けたからな、マリユス!」
「お任せを。全ては王女殿下の仰せの通りに!」
そこからは、無我夢中であまり覚えていない。ただ、震えは気付けば止まっていた。
ならず者達を全員捕縛出来たのは良かったが、リルは熱を出し倒れてしまった。マリユスは鍛錬が足りぬと、父に叱責されたのだった。
「何も知らないくせに……」
自室のベッドの上でマリユスは、不貞腐れたように丸まる。思わずそんな言葉を独りごちて、重々しく溜息を吐き出した。
自分はあの方に必要なのだろうか。マリユスは己の役目が分からなくなってきていた。今日の出来事がぐるぐると頭を回る。
ほの暗い感情に呑まれそうになった時だった。何処からともなくリルの“背中は預けたからな”という言葉が聞こえた気がした。それにマリユスは目を見開くと、弾かれたように起き上がる。
あぁ、そうか。あの方をお守りするなど畏れ多いことなのだ。寧ろ、足手まといになる可能性すらある。だが、それでも任された。任せてくださったのだ。半人前にすらなれていない自分に。
「お応えしなければ」
ぐだぐだと拗ねて止まっている暇などない。あっという間に置いていかれて、リルは見えなくなるだろう。
焦りにも似た何かに突き動かされて、マリユスは模擬刀を手に部屋を飛び出していた。迷いを振り払うように、ただひたすらに模擬刀を振った。
「すまなかったね、マリユス」
熱が下がり体調が落ち着いたリルと久方ぶりに会ったマリユスは、開口一番そう言われて固まった。リルは眉尻を下げながら自嘲を滲ませ微笑む。
「どうにも、私には覚悟というものが足りないようだ」
広げた両手をじっと見つめるリルの表情には、苦悩が滲んでいた。覚悟。何の覚悟。マリユスの脳裏に“命を奪う覚悟”という言葉が浮かぶ。
時に必要になる冷徹な判断。リルは無茶苦茶であるが、心優しき王女であるのだ。そして、自分と同じ迷い悔いる人間。マリユスの覚悟が本当に決まったのは、その時だった。
お守りしたいと思った。王女殿下の手は、人々を守るためのもの。その綺麗で優しい手が血で赤黒く染まらぬために。
「それは、俺も同じです」
マリユスは恭しく片膝をつく。リルがキョトンと目を瞬いた。
「マリユス?」
「どうか俺をお使いください」
「使うなんて」
「俺は、貴方の剣なのですから」
無下にしないで欲しかった。マリユスの覚悟を。それは、主に対して我が儘であるのかもしれなかったが、マリユスはどうしても受け取って欲しかったのだ。
その気持ちが通じたのか、リルは「そうか」とだけ言葉にする。時期女王に相応しい、凛とした声だった。十分だった。王女殿下の翳りも迷いも全てを斬り伏せてみせよう。
それが、己に与えられた役目。いや、自分で決めた。望みであり、志であり、生きる指針。誰が何と言おうとも、揺らぐことのない誇り。
それから、マリユスとリルの関係は……。特に変わりはしなかった。相も変わらずリルに振り回されながら、マリユスは必死に剣と魔法の腕を磨く日々であった。
それが、アンブロワーズ魔法学校への入学が決まり日常は変化し出す。晴れて自由の身となってしまったリルの無茶苦茶具合にマリユスは胃を痛めることとなったのだ。
今日も今日とて女子生徒に黄色い声を送られているリルに、マリユスは現実逃避するように何処か遠くを見遣る。こんなに目立って大丈夫なのだろうか。
「リルさーん……」
「心配無用だよ、マリユス」
「何処からその自信が出てくるんです?」
「心の底から!」
「強い……」
平民として入学するにあたり、堅苦しいのはなし、気安い雰囲気を心掛けると取り決めたため、マリユスはそれを忠実に守っていた。
それもすっかり板に付き、もうずっとそれで良いよなどと困らせてくるリルを躱す方法を探す羽目になった二年生の始業式。事件は起きた。
魔物が乱入してきたのだ。それを皮切りに魔物達の動きが活発になっていく。しかし、リルが警戒したのは、イヴェットという平民の女子生徒とテオフィル・レノズワール伯爵令息であった。
レノズワール伯爵家は元々きな臭い噂が絶えず、マリユスも護衛騎士として警戒するよう通達はされていた。しかし、イヴェットという平民のことは何の情報もない。
まぁ、何であれマリユスはリルのために動くのみである。そして、マリユスが頼まれたのは、テオフィル・レノズワールの監視統括の方であった。
二学期になると、何故か隣国からの留学生がやって来た。魔物の動きが活発なこの時期に何故と思ったが、答えは単純であったらしい。
光の乙女の再来、ロラ・リュエルミ男爵令嬢がいらっしゃるというのだ。国の思惑が色々と混ざり合っているのだろう。マリユスは触れないことにした。
だというのに、リルは隣国のご令嬢方と親しくなり。リュエルミ男爵令嬢と双子の姉妹だとか何とか。マリユスの胃痛の原因は増える一方であった。
しかし、闇の魔力もちであるルノー・シャン・フルーレスト公爵令息とトリスタン・ルヴァンス侯爵令息のお陰で、マリユスの任務が動き出す。教会の過激派が校内に侵入したのだ。
逃げ足の早い連中であることは情報にあったが、これ程までとは。道理で捕縛できない訳である。何とか隣国からのお客人にバレる前に事を終わらせたかったが、手こずってしまった。
そのせいで、トリスタンが急襲されてしまったのだ。どうリルに報告しようかとマリユスは重い足取りでリルの元へと向かったのだった。
122
お気に入りに追加
1,180
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない
たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。
何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話
フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~
空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。
どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。
そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。
ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。
スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。
※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる