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いろとりどり

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  持ち物の色には性格が出る。
  逆に、その言葉に操られて「こういう性格だと思われたい」ということで選んだ色だとしても、その思考もまた人物の性格なのだから。

同様に、イメージで選ぶパッケージや、自己演出のためだけに重たくしたって。

昔も、別に好き好んで煙草を買いはしなかったし、それは嫌いだからというより限られた予算や時間を必要なものにさいていくなかで、煙草という選択肢に辿り着かなかっただけのはなしである。
一言で言えば余裕がない。好き嫌いが発生する前の段階で好き嫌いを産み出せるほど、特別な相性ではないのだろう。さすがに。

そのような私が喫煙するとしたら、撮影の被写体として提供されるか、断ると場を悪くすることがめに見えてるぐらい空気が悪いわけで、どちらにせよ自前ではない。そうなると、誰が何を吸っているかはパシリのごとく覚えるものだが、幸いにして誰も私に使いっぱしりをさせない。見た目が、年齢制限にかかるから。

  誰がなにかを覚えると、今度は傾向が見えてくる。車ほどではないがなんとなく、選ぶタバコで人がみえてくる。

  曖昧な記憶をはいてだれかを傷つけていいわけでなし、どれがなによと言わないけれど、当時はそんなことを考えてたなという記憶。

  さて、私の持ち物は。
  統一感を持つために揃えているにもかかわらず、法則を無視する要素にこそ本音が入るのだろう…と見やったところ、私のそれはすでにそれなりに増殖していて単純にAorBと見られるであろう別の統一になっていた。それはそれで不本意に感じる天の邪鬼は、いっそ別の色で埋め尽くすことを考え始める。

  あたかも。せんだっての、吸うものと思えない衣装の一部のような女性のタバコの話のように。
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