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回想の階層(2016.06.xx)
鶏肉のひと
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どうやら、サラダチキンというそうだ。調味液に浸されし蒸し鶏のようなもの。真空パックに近いそれをスチームしたのだろうか。目の前の美しい男女は、社交界の紳士淑女がボウイからシャンパンをうけとり口にするかのような風情で、真空パックのようなものをめくりむきだしの肉にくらいつく。バナナのように。きっと太古の記憶なのだろう。きじ、にわとり、すずめ、はと、名前はわからないが小鳥たちもいれば年老いたものや、なにかのトラブルで死に果てた遺骸もあったろうか。肉が我々のなかにはいってくる。
湯気を眺めているところで、はっと意識が戻る。近頃は鶏肉を調理することが増えた。動物性タンパク質を安価にとりたい一心か、はたまた食の好みか。
彼は何でも「美味しい」と食べてくれるが、私の好みによく付き合ってくれるものだと日々、思う。塩コショウ味、カレー風味、酒につけておいたもの…彼のために冷蔵庫を満たして実家に帰る。実家ではまた実験する、調理後に冷蔵庫保存していてもやわらかさを保てる仕上がりへ。ニセモノサラダチキン女は、勇猛果敢に真実の愛を歩むのだ。などと、意気込んで。
湯気を眺めているところで、はっと意識が戻る。近頃は鶏肉を調理することが増えた。動物性タンパク質を安価にとりたい一心か、はたまた食の好みか。
彼は何でも「美味しい」と食べてくれるが、私の好みによく付き合ってくれるものだと日々、思う。塩コショウ味、カレー風味、酒につけておいたもの…彼のために冷蔵庫を満たして実家に帰る。実家ではまた実験する、調理後に冷蔵庫保存していてもやわらかさを保てる仕上がりへ。ニセモノサラダチキン女は、勇猛果敢に真実の愛を歩むのだ。などと、意気込んで。
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