上 下
236 / 301

別れた理由

しおりを挟む
パートナーなのか何なのかよくわからない間柄の人と、距離を整理した結果、ひとりぼっちになってしまった。

私は醜いことを除けば、心身は女性だ。
性の対象は男性だ。

ただ幼い子が王子さまそっちのけでお姫様に夢中なように、アイドルのように、そういう失礼ながら鑑賞物の延長で女性が好きだ。醜いので憧れも大きいが、美容などの意味でアイドルに憧れる人からみれば外見に力をいれてない私がアイドルに熱量を示せば、もうレズビアンの領域に見えるそうだ。

無い物ねだりの理想の高まりで、もはやアートとして女性を愛してる、それは間違いない。それを恋と言われればそうかもしれないし、交際を申し込まれれば付き合ってきた。性器を舐めたりキスをするのも無理だが、それ以外なら相手をしてきた。失望もした。

そのパートナーなのかなんなのかわからない相手も、女性だった。

優しい人で、私のことを好きですきで仕方のないということを言ってくれていた。

けれど、なんだかおかしくなった。

私がレズビアンだと言わないのは(だってレズビアンじゃないもの!)
男社会に抑圧されているんだ!とか、
古い常識の犠牲者だからなのだ!とか、
言い出して、気の毒がられた。

いちばん身近で、相棒に近いのかもしれなかった。私の思う相棒やパートナーというか概念と一致はしてないけれど、社会的にはそうみえてたのかもしれないと思った。

だけど、私はパートナーと思ってなかったけれど、向こうは私を気の毒な子供を解放する聖母の気持ちでコントロールしようとしてきた。

わかりあう体力もないし、仮にこのことで誤解がとけても、彼女の問題への解決方法は、「よかれと思っての支配」なのだなと感じた。

整理しなければ。
線をひいて、しっかり理解してもらおう。
ただし、メンタルを傷つけて、暴走を招かないように。

緊張した。


しおりを挟む

処理中です...