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【転移79日目】 所持金120兆1687億7337万ウェン 「俺は宇宙一の幸せ者だ!!! やったぜ!!!」
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…こっちに来てから二ヶ月半しか経っていないのか。
内戦に勝ったりデカい宗教団体潰したり、やっぱり複利は最強だよな。
(いや、立案遂行したのは全部ヒルダなんだけどさ。)
『最近殺伐とした報告が続いて疲れている。
今日くらいは良い報告だけを聞きたいのだけれど。』
母娘は無言で顔を合わせる。
「お母さん、あの話…
もうしていい?」
「そうね…
仕事も一段落したし。」
『ん?
何? 何かあったの?』
「リン、ゴメンね。
話すタイミングを逃してたんだけど。
…赤ちゃんが出来たの。
分かったのは最近だから。」
『お、おう。
そうか、それは嬉しいな!』
危ねえ…。
あまり嬉しくない気持ちが顔に出てしまう所だった。
ヤバいヤバい、誇張抜きで殺されるかも知れない。
『コレットには色々危ない目に遭わせてしまったからな。
これからは母体を大事にして、無理をしないで欲しい。
しばらくは、ゆっくりと寝てなさい。
何か食べたいものとかあるか?』
「あ、そうじゃなくて。
妊娠したのはお母さんの方だよ。
私はまだだから。」
え?
「申し訳ありません。
ここ半月ほど体調に違和感がありまして…
自分では環境変化の影響と思い込んでいたのですが。」
「リン、おめでとう。」
コレットが俺の目を覗き込んで来る。
「リン、おめでとう。」
『あ、嬉しいです。』
「私、てっきり子供が出来るかと思ってたんだけど
先に兄弟が出来ちゃった。
まあ、弟か妹が欲しいとは前からお母さんに言ってたんだけどね。
リンと会うまでは。」
『そ、そうか。』
あ、あれ?
この状況、色々マズくないか?
俺ってヒルダの養子なんだよな?
じゃあ養母を孕ませてしまった事になるのか?
いや、これって地球の倫理基準じゃ勿論アウトなんだけど。
封建色の強い異世界では更にヤバいんじゃないか?
「リン、迷惑ならそう仰って下さいね?」
『い、いや、全然!
お、俺すごく嬉しいよ!
ひ、ヒルダが産んでくれるのなら、きっと可愛い子が産まれてくるんだろうな!
お、俺もこれから頑張らなくちゃな!』
…。
背中から変な汗が出る。
大丈夫だよな?
俺、ちゃんと正答を述べれてるよな?
「申し訳御座いません。
今日は朗報しか告げてはならないと申したばかりですのに。」
『い、いや!
朗報だよ~!
凄く嬉しいよ!』
「あ~あ、お母さん美人だから。
私なんかもう要らない子になっちゃいそう。」
『そ、そんなことないよーーー!
コレット以外の女なんて考えられないよ!!』
「うふふ♪
無理をなさらないでいいのですよ?」
「うふふ♪
無理をしなくていいんだよ?」
『いやいやいや!!
無理なんてしてないよーーー!!!
今日は人生最高の日だよ!!
俺は宇宙一の幸せ者だ!!! やったぜ!!!』
…ハア(コッソリ溜息)。
たまには、一個くらい朗報が聞きたいよな。
それにしても、これ法律的にマズくないんだろうか?
自由都市は他国人から見れば、享楽的な堕落の都のように見られる事もあるようだが、実際は倫理面も結構厳しい。
確か民法にも姦通罪が制定されていた気がするのだが…
養子×養母にも適用されるんじゃなかったか?
==========================
「はい、はい。
ああ、それでは亡夫ケビン氏のお子さんという事ですね?」
「ええ。
本当は夫と移住する予定だったのですが
王国を出立する寸前に死に別れてしまって…
これも亡き主人の忘れ形見だと思って大切に致します。」
ウェーバー局長はサラサラとメモをとりながら、母子手帳の発行申請を開始してくれる。
俺の記憶ではヒルダの亡夫ケビン氏は数年前に鬼籍に入っている筈なのだが…
ヒルダ曰く「1兆ウェンあれば戸籍などどうとでもなります。」とのこと。
結局、男子が生まれればケビンjr、女が生まれればカレンと命名される事に決まった。
臆面なくゴリ押すつもりらしい。
あの?
顔が俺に似たらどうなるんだ?
土井利勝みたいなポジションになるのか?
「リンも亡夫ケビンとは意気投合してくれていたので…
jrともさぞかし仲良くしてくれることでしょう。」
『あ、はい。』
その後、遊びに来たカインやドナルドもその場で因果を含められる。
《ケビン・コリンズは最近まで存命であり、カインやドナルドとは親友の仲であった。》
以後はこのストーリーを皆が共有せねばならない。
死人を生き返らせたり、記憶や公文書を操作するのって、究極チートスキルみたいに思ってたけど。
冷静に考えたらカネ次第で近い事は出来るよな。
そりゃあ、カネや権力持ってる人間から強要されたら、記憶なんて簡単に改竄されちゃうよね。
それにヒルダは怖いから仕方ないよね。
==========================
「リン、朗報です。」
『あ、はい。』
ヒルダが満面の笑みで入室してくる。
「先程、行政局から表彰状が届きました。」
『しょ、賞状?
何の?』
「いやですねえ。
先日、リンが教団の落雷火事で我が身を顧みない救助活動を行ったではありませんか?」
『だ、だから!
お、俺は救助活動なんてしていないって!』
ヒルダは唇の端を歪めたまま賞状を突き出して来る。
【神聖教団落雷火災事件における救助・消火活動における貢献への感謝状】
とデカデカと書かれている。
「御受賞おめでとうございます。
皆がリンの勇敢な救助活動を称賛しておりました。」
『なあ、ヒルダ…
流石にここまでやるのは…』
ヒルダは無言で俺の手を取り自身の腹に載せる。
勝ち誇ったような笑いを必死に堪えているのが伝わってくる。
「…私達のケビンの為に最善を尽くしたいではありませんか?」
『なあ。
せめてもっと安全策で行かせてくれ。』
「敵を根絶やしにする以上の安全策があるなら
私もそちらを選びます。」
…そんな手がある訳ないじゃないか。
分かってて言うなよ。
結局。
表彰もおとなしく受けることになった。
俺達は《教団に対するジェノサイド犯》ではなく、《それらを救おうと頑張った善良な市民》という訳だ。
公的機関がそう認定した以上、それが事実なのだ。
公権力の認定は絶対だ。
ヒルダ曰く、この件に対する関連団体への謝礼金は数億ウェンで収まったそうなので、コスパが良いことこの上無い。
今の俺にとって数億ウェンという数字は毎日切り上げられている端数に過ぎないので、ノーリスクで事実改竄を行ったに等しい。
…最初に授かった瞬間に予感したことではあるが。
このスキルはシンプルに強すぎるだろう!
反則だよ! これは禁止カードにするべき!
日利が3割越えなんて法外にも程がある。
…うーーーん。
以前から思っていた事だが、カネって万能すぎるだろ。
そしてワンアクションに投下できる金額が数兆ウェンになってしまうと…
もうこっちが何もしなくても、社会が勝手にこっちの意を汲んで動いてくれる。
もう滅茶苦茶だわ。
特に官僚機構とカネの相性が良過ぎる。
彼ら頭がいい上に法律を熟知(一部の立法権も保有している)しているから、もう何でもやってくれる。
俺はせいぜい数千億の公債を買っているだけであり、特に何の貢献もしていない。
『あ、局次長。
少しだけ宜しいでしょうか?』
「はい、コリンズ様!
何なりとお申し付け下さいませ!」
『先日、話題に上がった情報統制費用の件なのですが。
用意しておきました。
どうぞ、中身をお確かめ下さい。』
「おおおおおお!!!!!
こ、この様な大金を即座に!!!
お、恐れ入りました!
直ちに庁舎に帰って上司に報告致します!
え?
い、1兆というお話でしたが…
こ、こんな金額…
よ、宜しいのですか?(ゴクリ)」
『ああ、いえ。
予算って余裕が無いと執行するのが難しいと伺っております。
余った分は予備費という事になさって下さい。』
==========================
【所持金】 (リン・コリンズからは視認不能状態)
92兆0139億0620万ウェン
↓
89兆0139億0620万ウェン
※プロパガンダ経費として3兆ウェンを拠出
(1兆の約束だったが、記憶違いでうっかり3兆用意してしまった。)
==========================
「は、はいッ!!!!
綿密に記録を行い!
逐一コリンズ様に報告致しますッ!!」
『あ、いえ。
そういうの大変だと思いますので。
現場の方は、報告書作りでいつも徹夜しているんでしょう?
そんなの悪いですよ。
報告義務は無し、という事にしましょう。
必要であればその旨、一筆書きますので、いつでも気軽にお申し出下さい。』
「うおおおおお!!!!!!
こ、コリンズさまーーーーー!!!!!」
そりゃあ、これだけ毎日役人と話してたらね。
彼らを喜ばせるコツは嫌でも分かってくるよ。
役人に限った事じゃないけどさ。
誰だってカネは五月蠅くない相手から借りたいんだよ。
例えば、《経過報告をしろ!》とか《返済計画を提出しろ!》とか《最高責任者が挨拶に来い!》とかさ。
俺だって嫌だよ。
だから、意識してそれを免除したら。
もう相手は俺以外からカネを借りたり貰ったりする気力がなくなっちゃうんだよ。
勿論、特定の相手からの寄付や借入に頼るのは官僚組織として不健全だよ?
必ず癒着に発展するからね。
その理屈は当然みんなが理解しているのだけれど…
でも予算を工面させられるのは現場の役人だからね。
(公債の引き受け手を探したり、財界に特別税をお願いしたり。)
そりゃあ、現場の人は五月蠅い事を言わない俺の所に来るよね。
で、官界で《コリンズの気前が良い》という事実が定着しているから、今や俺は各省からVIP扱いされている。
どの担当者も積極的に俺の要望を聞いてくれる。
ヒルダはどうだか知らないが、俺から彼らに何かを要求する事は無い。
何故なら、各省のエース官僚が知恵を振り絞って書き連ねた便宜リストが毎日提出されてくるからである。
…カネはチートだ。
やはりアインシュタインの発言の通りだな。
複利は宇宙最強の力なのだ。
《ンディッド・スペシャルアンバサダー信徒》当が支払われました。》
…訂正。
理性と常識の範囲では強いが、斜め上の馬鹿には勝てないわ。
いやあ、世の中上手く出来てるね。
内戦に勝ったりデカい宗教団体潰したり、やっぱり複利は最強だよな。
(いや、立案遂行したのは全部ヒルダなんだけどさ。)
『最近殺伐とした報告が続いて疲れている。
今日くらいは良い報告だけを聞きたいのだけれど。』
母娘は無言で顔を合わせる。
「お母さん、あの話…
もうしていい?」
「そうね…
仕事も一段落したし。」
『ん?
何? 何かあったの?』
「リン、ゴメンね。
話すタイミングを逃してたんだけど。
…赤ちゃんが出来たの。
分かったのは最近だから。」
『お、おう。
そうか、それは嬉しいな!』
危ねえ…。
あまり嬉しくない気持ちが顔に出てしまう所だった。
ヤバいヤバい、誇張抜きで殺されるかも知れない。
『コレットには色々危ない目に遭わせてしまったからな。
これからは母体を大事にして、無理をしないで欲しい。
しばらくは、ゆっくりと寝てなさい。
何か食べたいものとかあるか?』
「あ、そうじゃなくて。
妊娠したのはお母さんの方だよ。
私はまだだから。」
え?
「申し訳ありません。
ここ半月ほど体調に違和感がありまして…
自分では環境変化の影響と思い込んでいたのですが。」
「リン、おめでとう。」
コレットが俺の目を覗き込んで来る。
「リン、おめでとう。」
『あ、嬉しいです。』
「私、てっきり子供が出来るかと思ってたんだけど
先に兄弟が出来ちゃった。
まあ、弟か妹が欲しいとは前からお母さんに言ってたんだけどね。
リンと会うまでは。」
『そ、そうか。』
あ、あれ?
この状況、色々マズくないか?
俺ってヒルダの養子なんだよな?
じゃあ養母を孕ませてしまった事になるのか?
いや、これって地球の倫理基準じゃ勿論アウトなんだけど。
封建色の強い異世界では更にヤバいんじゃないか?
「リン、迷惑ならそう仰って下さいね?」
『い、いや、全然!
お、俺すごく嬉しいよ!
ひ、ヒルダが産んでくれるのなら、きっと可愛い子が産まれてくるんだろうな!
お、俺もこれから頑張らなくちゃな!』
…。
背中から変な汗が出る。
大丈夫だよな?
俺、ちゃんと正答を述べれてるよな?
「申し訳御座いません。
今日は朗報しか告げてはならないと申したばかりですのに。」
『い、いや!
朗報だよ~!
凄く嬉しいよ!』
「あ~あ、お母さん美人だから。
私なんかもう要らない子になっちゃいそう。」
『そ、そんなことないよーーー!
コレット以外の女なんて考えられないよ!!』
「うふふ♪
無理をなさらないでいいのですよ?」
「うふふ♪
無理をしなくていいんだよ?」
『いやいやいや!!
無理なんてしてないよーーー!!!
今日は人生最高の日だよ!!
俺は宇宙一の幸せ者だ!!! やったぜ!!!』
…ハア(コッソリ溜息)。
たまには、一個くらい朗報が聞きたいよな。
それにしても、これ法律的にマズくないんだろうか?
自由都市は他国人から見れば、享楽的な堕落の都のように見られる事もあるようだが、実際は倫理面も結構厳しい。
確か民法にも姦通罪が制定されていた気がするのだが…
養子×養母にも適用されるんじゃなかったか?
==========================
「はい、はい。
ああ、それでは亡夫ケビン氏のお子さんという事ですね?」
「ええ。
本当は夫と移住する予定だったのですが
王国を出立する寸前に死に別れてしまって…
これも亡き主人の忘れ形見だと思って大切に致します。」
ウェーバー局長はサラサラとメモをとりながら、母子手帳の発行申請を開始してくれる。
俺の記憶ではヒルダの亡夫ケビン氏は数年前に鬼籍に入っている筈なのだが…
ヒルダ曰く「1兆ウェンあれば戸籍などどうとでもなります。」とのこと。
結局、男子が生まれればケビンjr、女が生まれればカレンと命名される事に決まった。
臆面なくゴリ押すつもりらしい。
あの?
顔が俺に似たらどうなるんだ?
土井利勝みたいなポジションになるのか?
「リンも亡夫ケビンとは意気投合してくれていたので…
jrともさぞかし仲良くしてくれることでしょう。」
『あ、はい。』
その後、遊びに来たカインやドナルドもその場で因果を含められる。
《ケビン・コリンズは最近まで存命であり、カインやドナルドとは親友の仲であった。》
以後はこのストーリーを皆が共有せねばならない。
死人を生き返らせたり、記憶や公文書を操作するのって、究極チートスキルみたいに思ってたけど。
冷静に考えたらカネ次第で近い事は出来るよな。
そりゃあ、カネや権力持ってる人間から強要されたら、記憶なんて簡単に改竄されちゃうよね。
それにヒルダは怖いから仕方ないよね。
==========================
「リン、朗報です。」
『あ、はい。』
ヒルダが満面の笑みで入室してくる。
「先程、行政局から表彰状が届きました。」
『しょ、賞状?
何の?』
「いやですねえ。
先日、リンが教団の落雷火事で我が身を顧みない救助活動を行ったではありませんか?」
『だ、だから!
お、俺は救助活動なんてしていないって!』
ヒルダは唇の端を歪めたまま賞状を突き出して来る。
【神聖教団落雷火災事件における救助・消火活動における貢献への感謝状】
とデカデカと書かれている。
「御受賞おめでとうございます。
皆がリンの勇敢な救助活動を称賛しておりました。」
『なあ、ヒルダ…
流石にここまでやるのは…』
ヒルダは無言で俺の手を取り自身の腹に載せる。
勝ち誇ったような笑いを必死に堪えているのが伝わってくる。
「…私達のケビンの為に最善を尽くしたいではありませんか?」
『なあ。
せめてもっと安全策で行かせてくれ。』
「敵を根絶やしにする以上の安全策があるなら
私もそちらを選びます。」
…そんな手がある訳ないじゃないか。
分かってて言うなよ。
結局。
表彰もおとなしく受けることになった。
俺達は《教団に対するジェノサイド犯》ではなく、《それらを救おうと頑張った善良な市民》という訳だ。
公的機関がそう認定した以上、それが事実なのだ。
公権力の認定は絶対だ。
ヒルダ曰く、この件に対する関連団体への謝礼金は数億ウェンで収まったそうなので、コスパが良いことこの上無い。
今の俺にとって数億ウェンという数字は毎日切り上げられている端数に過ぎないので、ノーリスクで事実改竄を行ったに等しい。
…最初に授かった瞬間に予感したことではあるが。
このスキルはシンプルに強すぎるだろう!
反則だよ! これは禁止カードにするべき!
日利が3割越えなんて法外にも程がある。
…うーーーん。
以前から思っていた事だが、カネって万能すぎるだろ。
そしてワンアクションに投下できる金額が数兆ウェンになってしまうと…
もうこっちが何もしなくても、社会が勝手にこっちの意を汲んで動いてくれる。
もう滅茶苦茶だわ。
特に官僚機構とカネの相性が良過ぎる。
彼ら頭がいい上に法律を熟知(一部の立法権も保有している)しているから、もう何でもやってくれる。
俺はせいぜい数千億の公債を買っているだけであり、特に何の貢献もしていない。
『あ、局次長。
少しだけ宜しいでしょうか?』
「はい、コリンズ様!
何なりとお申し付け下さいませ!」
『先日、話題に上がった情報統制費用の件なのですが。
用意しておきました。
どうぞ、中身をお確かめ下さい。』
「おおおおおお!!!!!
こ、この様な大金を即座に!!!
お、恐れ入りました!
直ちに庁舎に帰って上司に報告致します!
え?
い、1兆というお話でしたが…
こ、こんな金額…
よ、宜しいのですか?(ゴクリ)」
『ああ、いえ。
予算って余裕が無いと執行するのが難しいと伺っております。
余った分は予備費という事になさって下さい。』
==========================
【所持金】 (リン・コリンズからは視認不能状態)
92兆0139億0620万ウェン
↓
89兆0139億0620万ウェン
※プロパガンダ経費として3兆ウェンを拠出
(1兆の約束だったが、記憶違いでうっかり3兆用意してしまった。)
==========================
「は、はいッ!!!!
綿密に記録を行い!
逐一コリンズ様に報告致しますッ!!」
『あ、いえ。
そういうの大変だと思いますので。
現場の方は、報告書作りでいつも徹夜しているんでしょう?
そんなの悪いですよ。
報告義務は無し、という事にしましょう。
必要であればその旨、一筆書きますので、いつでも気軽にお申し出下さい。』
「うおおおおお!!!!!!
こ、コリンズさまーーーーー!!!!!」
そりゃあ、これだけ毎日役人と話してたらね。
彼らを喜ばせるコツは嫌でも分かってくるよ。
役人に限った事じゃないけどさ。
誰だってカネは五月蠅くない相手から借りたいんだよ。
例えば、《経過報告をしろ!》とか《返済計画を提出しろ!》とか《最高責任者が挨拶に来い!》とかさ。
俺だって嫌だよ。
だから、意識してそれを免除したら。
もう相手は俺以外からカネを借りたり貰ったりする気力がなくなっちゃうんだよ。
勿論、特定の相手からの寄付や借入に頼るのは官僚組織として不健全だよ?
必ず癒着に発展するからね。
その理屈は当然みんなが理解しているのだけれど…
でも予算を工面させられるのは現場の役人だからね。
(公債の引き受け手を探したり、財界に特別税をお願いしたり。)
そりゃあ、現場の人は五月蠅い事を言わない俺の所に来るよね。
で、官界で《コリンズの気前が良い》という事実が定着しているから、今や俺は各省からVIP扱いされている。
どの担当者も積極的に俺の要望を聞いてくれる。
ヒルダはどうだか知らないが、俺から彼らに何かを要求する事は無い。
何故なら、各省のエース官僚が知恵を振り絞って書き連ねた便宜リストが毎日提出されてくるからである。
…カネはチートだ。
やはりアインシュタインの発言の通りだな。
複利は宇宙最強の力なのだ。
《ンディッド・スペシャルアンバサダー信徒》当が支払われました。》
…訂正。
理性と常識の範囲では強いが、斜め上の馬鹿には勝てないわ。
いやあ、世の中上手く出来てるね。
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