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【転移68日目】 所持金8兆2420億1160万ウェン 「あいにく小銭の持ち合わせが無いんだよ。」

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エナドリの在庫が洒落にならない事になっているので、視察も兼ねて港湾区に運搬する。
俺が座席から後続の運搬馬車を振り返ると大きな車体がギシギシ揺れている。
いつの間にやら立派な飲料産業になってしまったな。

港湾区のbarの前には配給の列が既に並んでいる。
その列に対して、聖職者風の男が血相を変えて演説のような事をしていた。

さあ。
このタイミングで俺が来たことは吉と出るのか凶と出るのか?
いずれにせよ矢面に立つべき場面であろう。
魔王ギーガーがそうしたように。



「あ!!!」



俺と目が合った瞬間、聖職者がこちらを指さして叫ぶ。
なるほど、面は割れているらしい。

俺は車椅子を降ろして貰うと、彼に対して黙礼した。
彼は数秒考えこんでからこちらに頭を下げる。

そう。
今や彼らにとって俺は返礼すら逡巡される存在なのだ。



聖職者は意を決したような表情で、ズンズンこちらに歩いて来る。
取り巻きの若い僧侶と、数名の僧兵も彼らを守りながら近寄る。


「リン・コリンズ社長とお見受けしました!」


10メートル程の距離で立ち止まってから、彼が叫ぶ。
その表情は緊張と怯えに満ち溢れており、少し声が震えているようにも感じる。



『如何にも!  自分がコリンズです!』



聖職者は側近たちと数十秒だけ密談すると、1人でこちらに近づいて来る。
俺もエチケットとして車椅子を前進させる。
剣の距離まで近づいてから互いに歩みを止める。



「はじめましてコリンズ社長。
拙僧はドミニク・ケーニッヒ助祭と申します。」



『御丁寧に…  どうも…。』



「この港湾区にある全ての教団施設の管理をさせて頂いております。」



『はい。』



「拙僧が声を掛けさせて頂いた理由はお分かりですね?」



『…いえ、見当も付きません。』



「御社が弊教団の知的財産権を侵害しておられます。
何度か警告させて頂いたはずですが?」



『申し訳ありません。
それは初耳でした。』



「御社の悪質な剽窃行為によって
我々が受けている被害は甚大です。」



『剽窃?
申し訳ありません。
本当に心当たりがないのです。』



「…我々のエリクサー。
そのレシピを盗んでコピー商品を販売しておられますね?
念を押しておきますが、先日エリクサーの特許は教団が取得致しました。
商標権ごとね。
この国の商務局に確認して頂いても結構ですよ。」



俺が王国でエリクサーを借りたのは先月頃。
かなり大雑把に消費しているのだが、それでも在庫は既に1㌧を越えた。



『エリクサー?
聞き覚えがないですね。
弊社は社名にあります通り、エナドリしか取り扱っておりませんから。』



「社長。
そういう無理矢理な言い逃れは止めましょうよ。
こちらは成分分析も終えています。
完全に同一じゃないですか!
証拠は上がってるんですよっ!!!

別に告訴しても構わないんです。
賠償金、天文学的なものになりますよ?

ただ、今なら穏便に収めても構いません。」



『穏便と申しますと?』



「その飲食店を閉鎖して、コピー商品を引き渡して貰いましょう。
そうすれば、これまで貴方が犯された罪状の免罪符を発行して差し上げます。
これは神の慈悲ですよー!」



『うーん。
そのつもりはないですね。

BARはこれまで通り運営させます。』



「…どうあっても特許侵害をやめて下さらない?」



『侵害に心当たりがありませんので。
やめようがありません。』




いつの間にか人垣が集まって来ている。
かなりの人数が集まっている筈なのに、驚くほど粛然としている。
皆、俺と助祭のやりとりを固唾を飲んで見守っているのだ。



「仕方ありません。
こちらも最終手段を行使させて貰います!」


助祭が叫ぶと僧兵たちが一斉に前進し、俺を囲もうとした。
同時にこちらの護衛も展開し、一歩早く俺を護る。

俺の車椅子は護衛によって馬車の陰まで引き下げられた。
前方では護衛と僧兵が声をひそめて押し問答をしている。



「リン・コリンズ!
6時間の猶予を与えます!!

今すぐ、その建物を自主破却し!
全てのコピー商品を引き渡しなさい!!!

そうすれば、罪状を赦免する為の免罪符を
購入する事を許可しましょう!!」



どこから湧いたのか、僧兵や聖職者を乗せた馬車が次々に到着する。
何十台来たのかすら分からない。
僧兵が巨大なメイスを振り回して群衆を追い散らした。



そして俺達はBARに押し込められる形になる。




==========================



『わからない。』


思わず俺はそう零す。



「わからないって、何が?」



キーンはBARカウンターから酒を取り出すと、皆に振舞いながら聞き返して来る。
奥の仮眠室にはポールが居る筈だが、まだ午前中なので放っておく。



『いや、さっきのタイミングは俺を殺す絶好のチャンスだったじゃないですか?
どうして、彼らは手を出して来なかったんですか?

それに表にある俺達の馬車。
今、積んであるエナドリを全部接収してしまえばよいのに。』



「いやいやコリンズさん。
ここは法治国家ですよ?
選挙前にそんな乱暴な事をする訳ないじゃないですか。」



『いや、まあ。
理屈の上ではそうなのでしょうけど。
俺なんか殺す以外に処置出来ないでしょう?』



「じゃあ、コリンズさん。
逆に聞きますけど。
貴方は教団の手法が許せないからと言って
ケーニッヒ助祭に危害を加えますか?」



『いやいやいや!
そんな事が許される筈がない!

彼は紳士的に話し合いでの解決を図ってきた。
例え要求が飲めなかったとしても、私も話し合いで応じるべきだと思います。』



「そういう事です。
彼らもまた人間なんです。
巨大な組織の論理で動いているから、視点によっては横暴にも映る。
でも所属する個人個人は普通の組織人です。
或いは一般の水準よりも、善良で勤勉な人々の集まりかも知れない。」



『…。』



「説教染みた言い方をしてしまいましたね。
貴方はまだ若い。
まだ単純な二元論に逃避せずに済む筈です。

…利害が相反するからと言って、即座に暴力に訴えてくる人間は
貴方が思っているほど多数ではありませんよ?

勿論、備えるに越した事はありませんが
少なくとも、相手の言い分を聞く余裕は持っておいて下さい。」




まあ、な。
キーンの言には一理あるか…

現に教団はあれだけの僧兵を用意しながらも、こちらに怪我はさせていないし
喉から手が出る程欲しがっているであろう、エナドリ在庫にも一指も触れていない。

俺はてっきり、教団からリンチでもされるかと思っていたが…
直接的な暴力は考えていないのか?
いや、俺も多くの護衛を雇っているが、彼らを使ってどうこうする気もないが。



==========================



2時間ほど睨み合いが続いた。
BARを護衛団が護り、その周辺を僧兵が包囲したままである。

ポールがあくび混じりに起床したが、トイレを済ませると二度寝に行ってしまった。
いい御身分である。


不意に外の僧兵が騒ぎ出す。
焼き討ちでもされるのかと思って慌てて窓の外を注視するも、そうではないらしい。


一際豪華な教団馬車が眼前に停車し、僧兵達が一斉に敬礼する。
何だ?
教団側の有力者でも来たのだろうか?


馬車から下りたのは豪奢な法衣を纏った巨漢だった。
地に足を付けるなり、目を剥いて周囲を譴責している。
助祭もペコペコ頭を下げている。
どうやら典型的なパワハラ系聖職者らしい。



「リン・コリンズ社長!

正々堂々出て来なさい!

神は見てますよーーー!!」



凄まじい大音声である。
体格もそうだが、プンプン香る体育会系色。
今の俺は、他の護衛や当局の人間が助けに来るまで時間を稼いでいるのだが…
まあ、顔くらいは出しておくか。



「コリンズ社長!
いや、大使閣下とお呼びした方が適切ですかな?

私、アントニオと申します。
位階は司教です。」



『いえ、別に外交活動にそこまで熱心な訳でもありませんので。
それに社長職は他の者に任せております。

ただのコリンズで結構ですよ。』



「ではコリンズ社長。

本題に入る前に一言!
アウグスブルグ卿とは親密に付き合わせて頂いておりました!」


『それはそれは。』


「誰かさんが背教徒に加担しなければ…
今頃は総本山で彼の祝勝パーティーでも開いていたのですがね。」



『…盗んだ税金でですか?』




「…。
…。

ッ!!!

今の発言ッ!!
訂正しなさいッ!!!!!」



『言葉を封じる事は出来ても、事実を歪める事は誰にも出来ない。

ねえ司教。
私が発言を撤回すれば、農民たちから奪った年貢米を返還して頂けるのですか?』




「…なるほど。
リン・コリンズ。
噂以上に歪んでいる」



『…。』



「最終警告です!
この建物を破却し、全てのコピー商品を引き渡しなさい!
そして神に懺悔するのです!」



『司教。
貴方が仰った全ての要求を拒否します。』



「…今の発言。
背教とみなさざるを得ませんよ?」



『そもそも私は神聖教団の信者ではありません。』



「とぼけても無駄です!
貴方は教団の最高ランク信者でしょう!!」



『え?』



「免罪符を買ったでしょーーーが!!!!」



『ああ。』



「その莫大な信心に免じて、今まで大目に見ておりましたが…
もう堪忍袋の緒が切れました!!」



…信心ってカネで買えるものなのか?
まあ指標の一つとしては有効だと思うが。



「司教レオ・アントニオの権限において宣言する!!!

リン・コリンズ!!!

キサマからファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒の資格を剥奪するゥッ!!!」



マジか?
やっとステータス欄がスッキリするな。



「そしてぇええッ!!!

この場においてキサマを《神敵》として認定するッ!!」



『あ、はい。』



「ふはははは。
恐ろしかろう!!!
キサマはこの世界の理から追放されるのだ!!!

もうキサマはおしまいだーーーーッ!!!!!!」




『あ、はい。』



オマエら追放芸好きだよな。
社会的欲求の裏返しなのか?



その後、石でも投げられるのかと思ったのだが、そのままアントニオ司教は勝ち誇った顔で馬車に乗りそのまま帰ってしまった。
僧兵達も元の馬車に乗ったり隊伍を組んだりして、どこかに去ってしまう。

ん?
俺を殺さないのか?
何で?


俺がキョロキョロしていると、1人の聖職者が俺に駆け寄って来る。
金縁眼鏡を掛けていて如何にもインテリっぽい。
ナイフか何かで刺されるのかと思って身構えるが、そういう訳ではないらしい。


《謝罪の証として寄付金を1000億ウェン支払えば、赦免の上に再度ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒の称号を授ける。》

との趣旨。
ステータス画面が見えにくくなるので謝絶する。


「800億ウェンでも構いませんよ?
選挙中は物入りでしてね♪」


当然、拒絶。
その後、600億、550億と小刻みに下げて来るが全て拒否して交渉を打ち切った。




《2兆ウェンの配当が支払われました。》



スマンな金縁眼鏡。
あいにく小銭の持ち合わせが無いんだよ。



==========================


「みなさーん!
お騒がせしましたー!
配給を再開します!」


空気を一変させたのは店員のレニー。
話し上手で底抜けに明るい太陽のような少女である。
ポールズBARの仕事は半分くらいはこの子が担っている。



「怪我をしてる人はいない?
いたらその人を優先してね!」


BARの前で群衆の整理をしているのがエミリー。
恐らくリーダーシップのあるタイプなのだろう、手際よく列を捌いている。
ポールズBARの仕事は半分くらいはこの子が担っている。



道を挟んで向かい側に立っている教会職員に謝罪して回りながらこっそりエナドリを渡しているのが、メアリ。
苦労人だけあって恐ろしく世慣れている。
ポールズBARの周辺対策は全てこの子が担っているそうだ。



『あのお。
俺、教団に敵視されちゃったみたいなんですけど。
こんな所に居たらヤバくないですか?』



店の入り口付近で並んでいる連中に尋ねてみる。



「いや、アンタの配給にありつけなかったら
それこそ本当にヤバいんだって。

あ、弟の病気治ったよ。
ありがとうな。」



『いえ。
弟さんの御快癒、我がことのように嬉しく思います。』



「アンタが社長なんだろ?
配給助かってるよ!

さっきは何もしてやれなくてゴメンな!」



『いえいえ。
俺もびっくりしましたから。』



ごく数人だけが配給の列から離れたが、その他大多数は動かず、そのまま配給品を受け取るつもりらしい。
…俺も生活苦しい家に生まれたからよくわかるよ。
相手がどんな下らない奴でもタダ飯を拒否するのは難しいよな。

…みんな、ゴメン。
こんな俺でゴメンな。



==========================


【所持金】

6兆2440億1170万ウェン
   ↓
8兆2440億1170万ウェン
   ↓
8兆2440億1160万ウェン
   ↓
8兆2440億0560万ウェン
   ↓
8兆2420億1160万ウェン


※2兆ウェンの配当を受け取り。
※ポール・ポールソン個人に10万ウェンの小遣いを支給
※スタッフ全員に500万ウェンの臨時ボーナス支給
※港湾区の全ボランティア団体(神聖教団系含む)に20億ウェンを寄付



【試供品在庫】

エナドリ 10140ℓ
  ↓
エナドリ 13283ℓ
  ↓
エナドリ 3000ℓ


※3143ℓの試供品在庫を補充
※エミリー・スミス営業部長に10283ℓを支給




【ポールソンハーレム】

レニーちゃん  (ポールズバー店員)      
メアリちゃん  (ポールズバー店員)  
エミリーちゃん (営業部長)  

ナナリーさん  (近所のシンママ)  ←勧誘中



==========================



帰宅。
邸宅が騒然としている。


さては神敵指定された余波か…
怒られるかな?


と思ったのだが、どうも様子が違う。



『皇帝が来た?

いや、仮にも超大国の最高指導者だろ?
そんな気軽にポンポン来てもいいのか?』



ヒルダもうんざりした表情である。
長年宿屋業を営んでいた彼女にとって、客を門前払いするのは心理的なストレスがかなり高いらしい。
皇帝への斟酌は特に無さそうではあるが。


「いえ、かなり焦っている様子でした。
帝国国債が投げ売られ始めたので…
今、自由都市中を帝国の外交官・経済人たちが走り回ってます。」



『走った所で…
国債は売れないんじゃない?

だって帝国が今回攻め込んだ首長国は自由都市の同盟国なんでしょ?
じゃあ、自由都市から見れば帝国は敵対者以外の何物でもないわけで。』


「ええ。
早速議会で帝国への経済制裁案が提出されたとのことです。
来週にはほぼ確実に可決されることでしょう。」



そりゃあ、味方が攻撃された以上、自由都市としても厳しい態度を取らざるを得ないだろう。
下手に帝国に情を掛けると国際社会に誤ったメッセージを送ってしまうからな。

で、当然俺達も皇帝はシャットアウトする。
国際社会に誤ったメッセージを送りたくないからな。



「コリンズさん。
私も市井の声を聞いて回ったのですが。

《帝国終わったな。》

というのが大勢の意見でした。
王国とは何とか停戦出来たとは言え…
首長国、自由都市、合衆国、神聖教団と敵対しておりますからな。
東部では山岳民族の大規模蜂起が発生しているようですし…

もうみんな、戦後処理の準備に入ってますから。
いやあ、国家なんて滅びる時はあっけないものですね。」



『カインさん。
この辺までは戦火が及びますでしょうか?』



「いや、それは現実的じゃないですね。
いつも通りに首長国に平和維持軍を派遣して終わりでしょう?

今までだったら帝国は連邦に首長国の背後を突かせてたんです。
それで優位に立てていた。

でも、コリンズさんは連邦が参戦することに反対でしょ?」



『そりゃあ、戦争する理由がありませんし。』


「今までの連邦は帝国側の資金援助と引き換えに首長国にプレッシャーを掛けていたのですが…
最近はコリンズさんが援助してますからな。

帝国とコリンズさんじゃ資金力が違い過ぎるから…
もう帝国は連邦カードを切れなくなったんです。」



『つまり?』



「チェック・メイトです。
もう封建制の時代じゃないんですよ。

王国も帝国も、古い政治体制はもう必要がないんです。
もう世界は資本と産業で動いているのですから!」



…当初の俺はてっきり中世ナーロッパに転移したと捉えていたのだが。
実際は近世に乗り遅れた勢力に呼びつけられたらしい。
まあ、王国は街並みも政治も旧態依然としてたよな。
それに引き換え、自由都市の上品な文明度よ。
これは勝負にすらならなくて当たり前だ。




と考えていると、ウェーバー政治局長が訪ねて来た。


「皇帝陛下と会談の場を設けて頂けませんか?」


開口一番それである。


『え?  帝国は自由都市の敵に回ったのでは?』


「うーーーん。 
そうとも言えなくもないのですが…
このタイミングで皇帝家が影響力を喪失してしまうと
パワーバランス上、極めて好ましくないんです。」


『はあ。』


「結局、今のチェルネンコ皇帝家が断絶したとしても、別の王朝が建国されてしまうだけなので…

端的に申します。
神聖教団+王国が、造反4諸侯を担ぎ上げてチェルネンコ朝の後釜に据えようとしております。

それをされると非常にマズい!
国際情勢が完全に反転してしまうのです!
今度は我が国が新帝国+王国に攻められてしまう!」


な、なるほど。
政治は難しいな。



「皇帝アレクセイは統治能力には疑問がある反面、戦術家としては超1流です。
少なくとも彼に優る大隊長など史上五指も挙げられますまい。」


…じゃあ、大隊長に降格すれば良いのでは?



「本人も鎮圧戦には意欲的ですし、資金援助さえあればすぐに軍備を整えて出陣可能との事です。」



『…俺ですか?』



「皇帝が何故か乗り気なんです。
ほら魔界の戦時国債を貴方が全て買い上げたでしょう?
食糧支援も行った。
だから自分も貰えると信じている。」



『…いや、魔王職を務めておられるギーガー閣下が高潔なお人柄でしたので。
彼ならば、仮に軍事的優位に立ったとしても、無茶無法は行わないだろう、と。』



「はい、政治局も魔王閣下に関しては同様のプロファイリングを行っております。」



『いや、まあ。
皆が《逢え》と仰るのでしたら、面会も致しますが…』



「申し訳ありません!」



『ただ、彼は縁談を絡めての会談を申し入れて来ているのでしょう?

…ここの2人を同席させてもいいんですよね?』



「はい!
本人には厳しく言い聞かせますので。」



『コレット、いいか?』



「我慢します。」



『君には我慢ばっかりさせているな。』



俺、カネ持ちになったら何でも我儘が叶うものだと思ってた。
家族にも自由にさせてやれると思ってた…

カネって何なんだろうな。
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