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【転移32日目】 所持金236億7000万ウェン 「そうかー、渡辺君死んだかー。」
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実質的にカネは無限に湧いて来る。
貧乏な頃はカネの山に埋もれて生きるのが俺の夢だったが、
今はカネの山に圧し潰されて死ぬのが俺の不安である。
なので、ここ数日はカネの吐き出し方をずっと考えていた。
昨夜、領地の購入を持ち掛けられたことにより、俺なりのゴールは見えたつもりだ。
「領地を5億で買ってくれ。」
これが青年子爵の要望。
勿論買わない。
5億の土地なら喜んで買った。
それが10億でも実験的に買っていたと思う。
だが《領地》となると話は別だ。
封建政体下の《領地》とは軍役とセットだからである。
これだけ連敗している国家で軍役を課せられて、良いことなど何一つない。
(そもそも軍事力目当てに未成年の俺達を別の世界から拉致するような国家だしな…)
もはや彼にとって爵位領地は負債なのだ。
で、先日から考えていた遊牧民の使い道がここにあるのではないか、と俺は考える。
「要は遊牧民の名義でこの領地を買いたいのだな?」
『ええ、ダグラスさんの目から見た
メリット・デメリットを教えて下さい。』
「オマエが元の世界に帰るための手段をまだ探しているのだとしたら…」
そこでダグラスは言葉を止めて、俺の反応を待つ。
そうか、この人に対してハッキリと俺が異世界人だとまだ明言してはいなかったか…。
俺は大きく頷いた。
『俺は故郷の地球に帰ります。』
「まだ探しているのだとしたら、帰還手段を探るための情報が必要だ。
奴らにとって不本意にせよ世界中に散らばっている遊牧民を手懐けるのは有利だろう。
あいつら貧乏だから駄賃も安く済むしな。
後、カネを貯めた奴はどのみち土地や身分を買う。
その練習は早めにしておいた方がいい。」
『逆にデメリットは?』
「カネが掛かる。」
なるほど、デメリットが無いのなら試す価値はあるかもな。
==========================
皆に頼んで出発を少し遅らせて貰う。
先日の件について子爵と話し合うためだ。
と言ってもあそこのソファーで眠り込んでいるコイツが起きるのを待つだけだが。
迷惑料兼補給費として幾らかをキャラバンに対して供出する。
この遅滞は完全に俺の我儘だからな。
==========================
【所持金】
207億3500万ウェン
↓
207億3000万ウェン
※キャラバン補給費用として500万ウェンを支出
==========================
「うーーん。
おや、コリンズさん。
おはようございます。
昨日は醜態をお見せしました。」
『いえいえ子爵閣下。
お話し出来て光栄でした。
では、我々はこれで。』
「もう出発されるのですか?」
『ええ。
今月は自由都市の首都ソドムタウンで邸宅見学会が開催されているのです。
それまでに到着したいですからね。』
「邸宅見学会かぁ。
さぞかし華やかなんだろうなぁ。」
『最近は郊外のニュータウンに2億ウェン程度の住宅が分譲されているんです。
住民も知的階級ばかりで、貴族の方でも快適に暮らせるそうですよ。
では、私はこれで。』
「コリンズさん!」
『はい?』
「ここらの土地はどうですかね?
幾ら位の値段が付きそうですか?」
『土地だけなら価値はあると思います。
私は農業の専門家ではありませんが、ここら一帯は土壌が肥沃だと聞いております。
ただ、ここの取引は《領地継承》ということになってしまいますので…
貴族としての経営技術・軍事技術をノウハウとして保有していない方が引き継ぐのは現実的ではないでしょう。
えっと、この子爵領の軍役ってどれくらいでしたか?』
「…20騎80卒です。」
『うーん。
馬を20頭養うだけでも相当経費が掛かりますからね。
皆が皆乗れる筈もありませんし。
兵卒80名にしても…
この人口規模では、相当キツイんじゃないですか?』
「農閑期はまだ何とかなるのですが、農繁期に動員令が掛かると…
軍事会社への発注になってしまいますね。
内情を正直に打ち明けますと、その出費で収益の大半を持って行かれるんです。
隣領の皆さんも似たようなもので、儲かるのは関連企業だけですよ。
領主はこっちなのに。」
『養子の件ですが、遊牧民でもOK?』
「…まあそれなりの金額が見込めるなら。」
『遊牧民は生活基盤が無いので、恐らく四方から同族が殺到して
この領地は遊牧民族の土地になってしまいますよ?』
「なるでしょうねえ。
その時私が責任者なら大変なことです。」
昨日聞いた話では。
元来、ここは対遊牧民族戦争の為に大小の諸侯を封じる為の土地とのことである。
先日の東西伯爵も含めて、彼らの先祖は熾烈な対遊牧民族戦争に参戦する責務と引き換えに貴族として君臨していた。
いずれも今日まで語り継がれるレベルの名将であったらしい。
…だが、その末裔はこの体たらくだ。
人は富であれば奪い合ってでも継承するが、志や能力までも引き継ぐことは出来ない。
この子爵家に関しても初代は無私利他の英雄であったそうだが、末裔たる彼にその痕跡は見当たらない。
『成功報酬に5億ウェン出します。
何も言わずに、私が推薦する人物を養子にして王国に継承届けを出して頂けませんか?
着手金として1000万ウェンお支払いします。
話に乗って下さるなら、成否を問わずこの場でお支「やります! やらせて下さい!!」
『あ、はい。
それでは、今後連絡を派遣させて頂いて宜しいですか?』
「はい!!
膝を正してお待ちしております!」
よし。
話はついた。
後はリモートで行ける。
==========================
【所持金】
207億3000万ウェン
↓
207億2000万ウェン
※領地継承計画着手金として1000万ウェンをコンラッド子爵に支払
==========================
小休止の時に俺は皆に出発時間の遅延を詫びて回った。
護衛団が不満を持っていないかも雑談混じりに慎重に汲み取ってみる。
ダグラスやグリーブが見ている前で若手は不満を口に出来ないと思ったので
彼らが死角に居る時に冗談を交えて聞いてみる。
最初は口が堅かった彼らも、少しずつ打ち解けてきて本音を少し漏らす。
「待遇に問題はないッス。
おカネもかなり貰ってますし。
地元に帰ったらしばらくゴロゴロしてますわ。
ポーションを小まめに支給してくれるのとか
地味に助かってますしね。
…ただ、女ッスね。
前に女を補給して貰ったばっかりで恐縮なんですケド。
コリンズさんも俺らと歳近いから解って貰えると思うんですけど。
出来れば毎晩ヤリたいじゃないっスか?」
大体、こんな感じ。
ギャラに対する不満はない。
小まめに臨時ボーナスを支給していることもあり、金銭的にはかなりのお得感を感じて貰っている。
移動計画をかなり慎重重視で練っていることもあり、安全面もOK。
考えれば当たり前か…
カネが儲かって、危険も思ったより少ないとなれば、後は女しかないよな。
俺はキーン・カインと語らって、軍都に到着次第女の手配をする案を提案した。
2人とも賛成してくれ、遊び慣れたキーンが女郎確保を担当することになる。
《39億4000万ウェンの配当が支払われました。》
アナウンスを聞いて再認識する。
スキル効果の下○○桁切り上げは、弱点もあるな。
手元に小銭が残らない。
鉄貨なんてしばらく見ていないぞ。
うーん。
これは大きな弱点だな。
数百万の小銭が無いと、とっさの買収が出来ない。
例えば、屋台のオバチャンから情報を聞き出したい時に、大白金貨を取り出したら良ければ狂人、悪ければ詐欺師扱いされるだろう。
チップのボリュームゾーンは1万ウェン~数十万ウェンだ。
それは経験上間違いない。
ヒルダに相談し、以後は意識して小銭を別に取り置いていて貰う。
「リンが不在の時のチップや少額支払いはどうしますか?」
『そうだな。
30万程度であれば払っておいてくれないか?
俺も必要なら手掴みで持って行く。
小銭は意識して補充するけど、俺が忘れていたら指摘してくれ。
雑用増やしちゃってゴメンな。』
アインシュタインよ。
確かに複利は宇宙最強だが。
強大過ぎて、随分隙間も見えて来たよ。
==========================
【所持金】
207億2000万ウェン
↓
246億6000万ウェン
↓
244億7400万ウェン
↓
244億7000万ウェン
※39億4000万ウェンの配当を受け取り。
※カイン・R・グランツに2200万ウェンの利息を支払。
※ドナルド・キーンに1億6400万ウェンの利息を支払。
※ヒルダ・コリンズに雑費支払資金として400万ウェンを譲渡
==========================
軍都到着。
元々は南方戦線の拠点たる純粋な軍事基地だったのだが、各地から軍隊を招集しているうちに大都市になったという。
日が暮れているので全容がよく分からないのだが、結構な規模がある。
早速キーンが護衛団の為に売春宿のキープに走る。
当然自分も使うつもりなので熱心さの度合いが違う。
宿で休んでいるとカインが入室して来る。
2人きりで話したさそうなので、ヒルダとコレットをグランツ家の客室に放り込んでおく。
「もう少し追加預金してもいいですか?
もう金銭感覚が麻痺しちゃって。」
『ちゃんと手元にも残しておいて下さいね。
俺の馬車が河にでも流されたら全てがパアですよ。』
「うん、だからこそ
コリンズさんはあんまり危ない話を渡らないでね。
身体は全部私が張るからさ。
もうね、自分の手足数本よりもコリンズさんの安全の方が遥かに重要だからさ。」
『いやいや本末転倒ww』
「おカネって怖いですよねーww」
==========================
【所持金】
244億7000万ウェン
↓
246億7000万ウェン
※カイン・R・グランツが2億ウェンを追加預入
==========================
『では明日から2800万ウェンを配当しますね。』
「私さあ。
コリンズさんと出逢って人生救われたよ。」
『俺だってカインさんの作ったニコニコ金融のおかげで今がありますけどね。
お互い様ですよ。
俺の中では、借りの方が大きいとは思ってます。』
「そう言って貰って助かります。
もう、ここまで話が大きくなると私が出る幕なんて残ってないけどさ。」
『いえいえ!
寧ろこれからですよ。
自由都市に着いたらビジネスを展開しようと考えております。
その時、カインさんに色々教えて欲しいんです。』
「おお、勿論ですよ!
是非役に立たさせて下さい!
えっと業種はもう決めてるんですか?
宿屋は…
今更ですよね?」
宿屋業、嫌いじゃないんだがな。
俺の資産が膨れすぎて、取り扱い金額が低い業種に携わってしまうと…
それだけで機会損失を招いてしまう。
もう、やること
限られてるよな。
不動産、金融、証券…
ああ、もう不動産もタイムリミットかな…
どれだけ効率良く転がした所で、日利19%を越える物件なんて存在する訳ないし。
『消去法で金融関係に携わることになります。
カインさんには指導を仰ぎたいです。』
「カネ貸し?」
『いやあ。
別に利息払って貰おうとも思いませんし。』
「ははははww
君凄いですねwww
利息は不要ですかw?」
『利息は要らないので、何か余剰資金を活かす手はありませんか?』
「それもうビジネスを頑張るステージじゃないですよ。」
『え? ビジネスは駄目ですか?』
「カネなんて所詮はチップですからねぇ。
やっぱり身分なり立場なり名声こそが真の資産であって
カネというのはその副産物ですよ。
強欲なカネ貸しの息子が言うのだから間違いないです。」
そうか。
思い出した。
初日、王様にカネを借りようとしたら
「即位してから現金を触る機会が無い」
って言われたもんな。
「今、コリンズさんって幾らくらい持たれてるんですか?」
『まあ、ウン百億は…』
「はははwww
そんな人がつい先月までニコニコ金融の常連だったなんてww
あのねえ、10億あったら普通に傭兵団や村落が買えます。」
『現に子爵領が5億で売り出されていた訳ですしね。
じゃあ100億あったら?』
「100億なら…
普通に街が買えるでしょう?
伯爵位より上も狙えるかな?
私なら…
共和政体の国に住んでいれば議席と会社を買うし
専制政体の国に住んでいれば兵隊を集めますね。
現にダグラス組を囲っていた訳ですし。
もう少しキャッシュが貯まれば彼を中核にして傭兵団を結成する案もありました。」
『傭兵団なんか作ってどうするんですか?』
「招集があった時に参戦して功績を挙げて
封土を貰いますね。
後は何代も掛けて元を取るだけの話ですし。」
『じゃあ1000億あったら?』
「自分が王様になるんじゃないですかね?
現に公国や帝国の初代はそうやって王国から領土を切り取った訳ですし。」
『じゃあ1兆ww』
「あははははwww
1兆ときたかーーwww
とりあえず坊主潰しますわww
アイツらムカつくんでww」
『あははははwww
了解、頑張って1兆貯めます!』
「おw
マジですかw?
潰します?」
『アイツらには拉致されたりポーション売らされたり免罪符買わされたり
恨み骨髄ですからww』
「あはははwww
是非手助けさせて下さい!!!
コリンズさんには一刻も早く1兆ウェンプレイヤーになって貰わないとwww」
==========================
そんな話で盛り上がっていると、ダグラスがノックをする。
「両ボスとも御在室でしたか。
今夜の御振舞に感謝を述べに参りました。
皆、喜んでおります。」
「おお、ダグラス!
いい女は居た?」
「高い女を揃えて下さったのだと思います。
お気遣い伝わりました。」
ダグラスの背後にも何人かの護衛が居て、笑顔で一礼してくる。
「先程、遊牧民からの報告が幾つか上がって来ました。
今、報告しても宜しいですか?」
立たせたまま話す事ではないので、ダグラスだけを入室させ椅子を勧めるが拒絶される。
膝すら曲げてくれない。
「王都で転移者の死亡が噂になっております。
ワタナベなるものが駆除作業中に殉職したと。」
…あ。
忘れてた。
そう言えば俺、クラスで転移して来たんだ。
そうかー、渡辺君死んだかー。
俺、何度か話した記憶あるわ。
彼に勧められて読んだラノベも何冊かあったし。
いや、そもそもなろう系を本格的に読み始めたのって
彼の影響じゃなかったかな?
俺の異世界での行動方針がラノベを参考にしてるから…
結構アイツ、今の俺に影響与えてるよな。
あー、渡辺君死んだかー。
あー、死んだかー。
彼なあ。
俺以上に運動苦手だったからなあ。
彼なんかに駆除作業させちゃ駄目でしょー。
だって逆上がりもロクに出来ない奴だよ?
そんな渡辺君を、ホーンラビットやら狼やらと相対させたら…
そんなん絶対死ぬやん。
あーーーーー。
結構、ダメージ来るな。
いや、アイツ全然大した奴じゃないんだけどさ。
渡辺君が死んだ所で、地球にも異世界にも何の影響も無いんだろうけどさぁ。
親御さんは絶対哀しむだろうし…
いや、俺が結構凹んでる。
そうかー、アイツ死んだか。
俺、地球に帰ったらやる事1個増えたわ。
せめて、線香の1本でも上げてやらんとな。
==========================
【コリンズキャラバン移動計画】
「9日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 ←今ココ
↓
王国側国境検問所 (賄賂が横行。 逆に言えば全てカネで解決可能)
↓
非武装中立地帯(建前上、軍隊の展開が禁止されている平野。)
↓
連邦or首長国検問所 (例の娼婦に付き纏われているか否かで分岐)
↓
自由都市(連邦領経由なら7日、首長国経由なら5日の計算)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
流浪のプライベートバンカー
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 19
《HP》 (4/4)
《MP》 (2/2)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 3
《幸運》 1
《経験》 322万1981ポイント
次のレベルまで残り188万1315ポイント
【スキル】
「複利」
※日利19%
下7桁切上
【所持金】
236億7000万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 41ℓ
貧乏な頃はカネの山に埋もれて生きるのが俺の夢だったが、
今はカネの山に圧し潰されて死ぬのが俺の不安である。
なので、ここ数日はカネの吐き出し方をずっと考えていた。
昨夜、領地の購入を持ち掛けられたことにより、俺なりのゴールは見えたつもりだ。
「領地を5億で買ってくれ。」
これが青年子爵の要望。
勿論買わない。
5億の土地なら喜んで買った。
それが10億でも実験的に買っていたと思う。
だが《領地》となると話は別だ。
封建政体下の《領地》とは軍役とセットだからである。
これだけ連敗している国家で軍役を課せられて、良いことなど何一つない。
(そもそも軍事力目当てに未成年の俺達を別の世界から拉致するような国家だしな…)
もはや彼にとって爵位領地は負債なのだ。
で、先日から考えていた遊牧民の使い道がここにあるのではないか、と俺は考える。
「要は遊牧民の名義でこの領地を買いたいのだな?」
『ええ、ダグラスさんの目から見た
メリット・デメリットを教えて下さい。』
「オマエが元の世界に帰るための手段をまだ探しているのだとしたら…」
そこでダグラスは言葉を止めて、俺の反応を待つ。
そうか、この人に対してハッキリと俺が異世界人だとまだ明言してはいなかったか…。
俺は大きく頷いた。
『俺は故郷の地球に帰ります。』
「まだ探しているのだとしたら、帰還手段を探るための情報が必要だ。
奴らにとって不本意にせよ世界中に散らばっている遊牧民を手懐けるのは有利だろう。
あいつら貧乏だから駄賃も安く済むしな。
後、カネを貯めた奴はどのみち土地や身分を買う。
その練習は早めにしておいた方がいい。」
『逆にデメリットは?』
「カネが掛かる。」
なるほど、デメリットが無いのなら試す価値はあるかもな。
==========================
皆に頼んで出発を少し遅らせて貰う。
先日の件について子爵と話し合うためだ。
と言ってもあそこのソファーで眠り込んでいるコイツが起きるのを待つだけだが。
迷惑料兼補給費として幾らかをキャラバンに対して供出する。
この遅滞は完全に俺の我儘だからな。
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【所持金】
207億3500万ウェン
↓
207億3000万ウェン
※キャラバン補給費用として500万ウェンを支出
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「うーーん。
おや、コリンズさん。
おはようございます。
昨日は醜態をお見せしました。」
『いえいえ子爵閣下。
お話し出来て光栄でした。
では、我々はこれで。』
「もう出発されるのですか?」
『ええ。
今月は自由都市の首都ソドムタウンで邸宅見学会が開催されているのです。
それまでに到着したいですからね。』
「邸宅見学会かぁ。
さぞかし華やかなんだろうなぁ。」
『最近は郊外のニュータウンに2億ウェン程度の住宅が分譲されているんです。
住民も知的階級ばかりで、貴族の方でも快適に暮らせるそうですよ。
では、私はこれで。』
「コリンズさん!」
『はい?』
「ここらの土地はどうですかね?
幾ら位の値段が付きそうですか?」
『土地だけなら価値はあると思います。
私は農業の専門家ではありませんが、ここら一帯は土壌が肥沃だと聞いております。
ただ、ここの取引は《領地継承》ということになってしまいますので…
貴族としての経営技術・軍事技術をノウハウとして保有していない方が引き継ぐのは現実的ではないでしょう。
えっと、この子爵領の軍役ってどれくらいでしたか?』
「…20騎80卒です。」
『うーん。
馬を20頭養うだけでも相当経費が掛かりますからね。
皆が皆乗れる筈もありませんし。
兵卒80名にしても…
この人口規模では、相当キツイんじゃないですか?』
「農閑期はまだ何とかなるのですが、農繁期に動員令が掛かると…
軍事会社への発注になってしまいますね。
内情を正直に打ち明けますと、その出費で収益の大半を持って行かれるんです。
隣領の皆さんも似たようなもので、儲かるのは関連企業だけですよ。
領主はこっちなのに。」
『養子の件ですが、遊牧民でもOK?』
「…まあそれなりの金額が見込めるなら。」
『遊牧民は生活基盤が無いので、恐らく四方から同族が殺到して
この領地は遊牧民族の土地になってしまいますよ?』
「なるでしょうねえ。
その時私が責任者なら大変なことです。」
昨日聞いた話では。
元来、ここは対遊牧民族戦争の為に大小の諸侯を封じる為の土地とのことである。
先日の東西伯爵も含めて、彼らの先祖は熾烈な対遊牧民族戦争に参戦する責務と引き換えに貴族として君臨していた。
いずれも今日まで語り継がれるレベルの名将であったらしい。
…だが、その末裔はこの体たらくだ。
人は富であれば奪い合ってでも継承するが、志や能力までも引き継ぐことは出来ない。
この子爵家に関しても初代は無私利他の英雄であったそうだが、末裔たる彼にその痕跡は見当たらない。
『成功報酬に5億ウェン出します。
何も言わずに、私が推薦する人物を養子にして王国に継承届けを出して頂けませんか?
着手金として1000万ウェンお支払いします。
話に乗って下さるなら、成否を問わずこの場でお支「やります! やらせて下さい!!」
『あ、はい。
それでは、今後連絡を派遣させて頂いて宜しいですか?』
「はい!!
膝を正してお待ちしております!」
よし。
話はついた。
後はリモートで行ける。
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【所持金】
207億3000万ウェン
↓
207億2000万ウェン
※領地継承計画着手金として1000万ウェンをコンラッド子爵に支払
==========================
小休止の時に俺は皆に出発時間の遅延を詫びて回った。
護衛団が不満を持っていないかも雑談混じりに慎重に汲み取ってみる。
ダグラスやグリーブが見ている前で若手は不満を口に出来ないと思ったので
彼らが死角に居る時に冗談を交えて聞いてみる。
最初は口が堅かった彼らも、少しずつ打ち解けてきて本音を少し漏らす。
「待遇に問題はないッス。
おカネもかなり貰ってますし。
地元に帰ったらしばらくゴロゴロしてますわ。
ポーションを小まめに支給してくれるのとか
地味に助かってますしね。
…ただ、女ッスね。
前に女を補給して貰ったばっかりで恐縮なんですケド。
コリンズさんも俺らと歳近いから解って貰えると思うんですけど。
出来れば毎晩ヤリたいじゃないっスか?」
大体、こんな感じ。
ギャラに対する不満はない。
小まめに臨時ボーナスを支給していることもあり、金銭的にはかなりのお得感を感じて貰っている。
移動計画をかなり慎重重視で練っていることもあり、安全面もOK。
考えれば当たり前か…
カネが儲かって、危険も思ったより少ないとなれば、後は女しかないよな。
俺はキーン・カインと語らって、軍都に到着次第女の手配をする案を提案した。
2人とも賛成してくれ、遊び慣れたキーンが女郎確保を担当することになる。
《39億4000万ウェンの配当が支払われました。》
アナウンスを聞いて再認識する。
スキル効果の下○○桁切り上げは、弱点もあるな。
手元に小銭が残らない。
鉄貨なんてしばらく見ていないぞ。
うーん。
これは大きな弱点だな。
数百万の小銭が無いと、とっさの買収が出来ない。
例えば、屋台のオバチャンから情報を聞き出したい時に、大白金貨を取り出したら良ければ狂人、悪ければ詐欺師扱いされるだろう。
チップのボリュームゾーンは1万ウェン~数十万ウェンだ。
それは経験上間違いない。
ヒルダに相談し、以後は意識して小銭を別に取り置いていて貰う。
「リンが不在の時のチップや少額支払いはどうしますか?」
『そうだな。
30万程度であれば払っておいてくれないか?
俺も必要なら手掴みで持って行く。
小銭は意識して補充するけど、俺が忘れていたら指摘してくれ。
雑用増やしちゃってゴメンな。』
アインシュタインよ。
確かに複利は宇宙最強だが。
強大過ぎて、随分隙間も見えて来たよ。
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【所持金】
207億2000万ウェン
↓
246億6000万ウェン
↓
244億7400万ウェン
↓
244億7000万ウェン
※39億4000万ウェンの配当を受け取り。
※カイン・R・グランツに2200万ウェンの利息を支払。
※ドナルド・キーンに1億6400万ウェンの利息を支払。
※ヒルダ・コリンズに雑費支払資金として400万ウェンを譲渡
==========================
軍都到着。
元々は南方戦線の拠点たる純粋な軍事基地だったのだが、各地から軍隊を招集しているうちに大都市になったという。
日が暮れているので全容がよく分からないのだが、結構な規模がある。
早速キーンが護衛団の為に売春宿のキープに走る。
当然自分も使うつもりなので熱心さの度合いが違う。
宿で休んでいるとカインが入室して来る。
2人きりで話したさそうなので、ヒルダとコレットをグランツ家の客室に放り込んでおく。
「もう少し追加預金してもいいですか?
もう金銭感覚が麻痺しちゃって。」
『ちゃんと手元にも残しておいて下さいね。
俺の馬車が河にでも流されたら全てがパアですよ。』
「うん、だからこそ
コリンズさんはあんまり危ない話を渡らないでね。
身体は全部私が張るからさ。
もうね、自分の手足数本よりもコリンズさんの安全の方が遥かに重要だからさ。」
『いやいや本末転倒ww』
「おカネって怖いですよねーww」
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【所持金】
244億7000万ウェン
↓
246億7000万ウェン
※カイン・R・グランツが2億ウェンを追加預入
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『では明日から2800万ウェンを配当しますね。』
「私さあ。
コリンズさんと出逢って人生救われたよ。」
『俺だってカインさんの作ったニコニコ金融のおかげで今がありますけどね。
お互い様ですよ。
俺の中では、借りの方が大きいとは思ってます。』
「そう言って貰って助かります。
もう、ここまで話が大きくなると私が出る幕なんて残ってないけどさ。」
『いえいえ!
寧ろこれからですよ。
自由都市に着いたらビジネスを展開しようと考えております。
その時、カインさんに色々教えて欲しいんです。』
「おお、勿論ですよ!
是非役に立たさせて下さい!
えっと業種はもう決めてるんですか?
宿屋は…
今更ですよね?」
宿屋業、嫌いじゃないんだがな。
俺の資産が膨れすぎて、取り扱い金額が低い業種に携わってしまうと…
それだけで機会損失を招いてしまう。
もう、やること
限られてるよな。
不動産、金融、証券…
ああ、もう不動産もタイムリミットかな…
どれだけ効率良く転がした所で、日利19%を越える物件なんて存在する訳ないし。
『消去法で金融関係に携わることになります。
カインさんには指導を仰ぎたいです。』
「カネ貸し?」
『いやあ。
別に利息払って貰おうとも思いませんし。』
「ははははww
君凄いですねwww
利息は不要ですかw?」
『利息は要らないので、何か余剰資金を活かす手はありませんか?』
「それもうビジネスを頑張るステージじゃないですよ。」
『え? ビジネスは駄目ですか?』
「カネなんて所詮はチップですからねぇ。
やっぱり身分なり立場なり名声こそが真の資産であって
カネというのはその副産物ですよ。
強欲なカネ貸しの息子が言うのだから間違いないです。」
そうか。
思い出した。
初日、王様にカネを借りようとしたら
「即位してから現金を触る機会が無い」
って言われたもんな。
「今、コリンズさんって幾らくらい持たれてるんですか?」
『まあ、ウン百億は…』
「はははwww
そんな人がつい先月までニコニコ金融の常連だったなんてww
あのねえ、10億あったら普通に傭兵団や村落が買えます。」
『現に子爵領が5億で売り出されていた訳ですしね。
じゃあ100億あったら?』
「100億なら…
普通に街が買えるでしょう?
伯爵位より上も狙えるかな?
私なら…
共和政体の国に住んでいれば議席と会社を買うし
専制政体の国に住んでいれば兵隊を集めますね。
現にダグラス組を囲っていた訳ですし。
もう少しキャッシュが貯まれば彼を中核にして傭兵団を結成する案もありました。」
『傭兵団なんか作ってどうするんですか?』
「招集があった時に参戦して功績を挙げて
封土を貰いますね。
後は何代も掛けて元を取るだけの話ですし。」
『じゃあ1000億あったら?』
「自分が王様になるんじゃないですかね?
現に公国や帝国の初代はそうやって王国から領土を切り取った訳ですし。」
『じゃあ1兆ww』
「あははははwww
1兆ときたかーーwww
とりあえず坊主潰しますわww
アイツらムカつくんでww」
『あははははwww
了解、頑張って1兆貯めます!』
「おw
マジですかw?
潰します?」
『アイツらには拉致されたりポーション売らされたり免罪符買わされたり
恨み骨髄ですからww』
「あはははwww
是非手助けさせて下さい!!!
コリンズさんには一刻も早く1兆ウェンプレイヤーになって貰わないとwww」
==========================
そんな話で盛り上がっていると、ダグラスがノックをする。
「両ボスとも御在室でしたか。
今夜の御振舞に感謝を述べに参りました。
皆、喜んでおります。」
「おお、ダグラス!
いい女は居た?」
「高い女を揃えて下さったのだと思います。
お気遣い伝わりました。」
ダグラスの背後にも何人かの護衛が居て、笑顔で一礼してくる。
「先程、遊牧民からの報告が幾つか上がって来ました。
今、報告しても宜しいですか?」
立たせたまま話す事ではないので、ダグラスだけを入室させ椅子を勧めるが拒絶される。
膝すら曲げてくれない。
「王都で転移者の死亡が噂になっております。
ワタナベなるものが駆除作業中に殉職したと。」
…あ。
忘れてた。
そう言えば俺、クラスで転移して来たんだ。
そうかー、渡辺君死んだかー。
俺、何度か話した記憶あるわ。
彼に勧められて読んだラノベも何冊かあったし。
いや、そもそもなろう系を本格的に読み始めたのって
彼の影響じゃなかったかな?
俺の異世界での行動方針がラノベを参考にしてるから…
結構アイツ、今の俺に影響与えてるよな。
あー、渡辺君死んだかー。
あー、死んだかー。
彼なあ。
俺以上に運動苦手だったからなあ。
彼なんかに駆除作業させちゃ駄目でしょー。
だって逆上がりもロクに出来ない奴だよ?
そんな渡辺君を、ホーンラビットやら狼やらと相対させたら…
そんなん絶対死ぬやん。
あーーーーー。
結構、ダメージ来るな。
いや、アイツ全然大した奴じゃないんだけどさ。
渡辺君が死んだ所で、地球にも異世界にも何の影響も無いんだろうけどさぁ。
親御さんは絶対哀しむだろうし…
いや、俺が結構凹んでる。
そうかー、アイツ死んだか。
俺、地球に帰ったらやる事1個増えたわ。
せめて、線香の1本でも上げてやらんとな。
==========================
【コリンズキャラバン移動計画】
「9日目」
中継都市ヒルズタウン (宿が込んでた。)
↓
侯爵城下町 (風光明媚な土地だったらしい)
↓
大草原 (遊牧民を買収した。)
↓
教団自治区 (10億ウェンカツアゲされた)
↓
王国天領 (プロポーズした。)
↓
伯爵城下町 (落ち武者狩りの駄賃で通行)
↓
諸貴族領混在地 (5億ウェンで伯爵領購入交渉中)
↓
王国軍都 ←今ココ
↓
王国側国境検問所 (賄賂が横行。 逆に言えば全てカネで解決可能)
↓
非武装中立地帯(建前上、軍隊の展開が禁止されている平野。)
↓
連邦or首長国検問所 (例の娼婦に付き纏われているか否かで分岐)
↓
自由都市(連邦領経由なら7日、首長国経由なら5日の計算)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
リン・トイチ・コリンズ
【職業】
流浪のプライベートバンカー
【称号】
ファウンダーズ・クラウン・エグゼクティブ・プラチナム・ダイアモンド・アンバサダー信徒
【ステータス】
《LV》 19
《HP》 (4/4)
《MP》 (2/2)
《腕力》 1
《速度》 2
《器用》 2
《魔力》 2
《知性》 3
《精神》 3
《幸運》 1
《経験》 322万1981ポイント
次のレベルまで残り188万1315ポイント
【スキル】
「複利」
※日利19%
下7桁切上
【所持金】
236億7000万ウェン
※カイン・R・グランツから14億ウェンを日利2%で借用
※ドナルド・キーンから82億ウェンを日利2%で借用
※バベル銀行の10億ウェン預入証書保有
【常備薬】
エリクサー 41ℓ
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