5 / 5
5 今日だけだから
しおりを挟む
「ヤ…ヤメテください。さすがにこんな事、絶対にバレます!」
「大丈夫、サトミちゃんが騒がなければバレないからさ」
マサヤはサトミの手首を掴んだまま、顔を近付け耳打ちをする。
「イヤです! こんな事、絶対にイヤッ!」
「このまま俺をスッキリとさせてくれたら、スマホの画像を消してやってもイイゼ」
「……え⁉︎」
そのとき出された提案に、サトミは目を見開いた。
「どーする?」
「本当に、消してくれるんですか?」
「ああ、約束だ」
「……分かりました」
サトミは一度両目を閉じると、覚悟を決めてゆっくりと頷く。
そうして自ら、マサヤのモノを握りしめた。
(やっぱり…大きい)
そのあまりの存在感にサトミは思わず息を飲む。自分の小さな左手では、全体の半分も包みきれない。
「早く動かせよ」
「…分かっています」
サトミは意を決すると、左手を上下にゆっくりと動かし始めた。
「そんなんじゃ、いつまで経っても終わらないぜ」
「でも、どうしたら…?」
「唾液でもつけて、滑りをよくしてくれよ」
マサヤのニヤケ顔に、サトミは心底嫌悪感を示す。
しかし早く終わらせたい一心で、言われるがままに左手を口元に戻して涎を垂らした。
そうして再び握りしめると、ニチャニチャとイヤらしい音が響き始める。
映画の音の方が大きい筈なのに、その音はサトミの耳奥に否応無く鳴り響いた。
「あーいい感じだ。カズヤの横でサトミちゃんに扱いて貰ってると思うと、気分もアガってくるぜ」
「……言わないで…っ」
サトミは右手の甲で口元を押さえると、今にも泣き出しそうな表情を見せる。
その瞬間、サトミの手の中で、マサヤがビクンと反応した。
「そろそろ出そうだ。サトミちゃん、口で咥えて」
「……は⁉︎」
サトミの口から、素っ頓狂な声が漏れる。
「俺はどっちでもいいんだぜ、その可愛い服にぶっかけてもな。今日のその服なら、案外バレないかもしれないぜ?」
サトミには、考える時間も選択肢も、他には全く何も無かった。
意を決して一気に顔をソコに近付ける。しかし鼻につくキツイ臭いに鼻腔の奥を刺激され、サトミは思わず顔を背けた。
(う、クサイ…っ)
「早くしろ、顔にぶっかけられてーのか⁉︎」
サトミは覚悟を決めて口を限界まで開くと、一気に喉奥まで咥え込んだ。
~~~
「お、おいサトミ、大丈夫か…っ⁉︎」
突然サトミの身体が兄の方に倒れ込み、カズヤは訳も分からずに目を見開いた。
若干パニックに陥ったまま、慌てたようにオロオロとする。
暫くして漸く身体を起こした幼なじみは、口元をハンカチで押さえたまま目に涙を浮かべていた。
「お、おい…」
「…んくっ…ぅん、驚かせて…ごめんね。落としたハンカチを、拾ってたの」
そうしてサトミは、明るい笑顔をカズヤに見せる。
「あー…そーなんだ、ビビったー」
その表情に胸を撫で下ろしたのか、カズヤも釣られて笑顔を見せた。
気付けば劇場のスクリーンには、映画のエンドロールが流れていた。
~~~
トイレに向かったカズヤを見送ると、マサヤがスマホを取り出した。
「ほらよ、今のうちに自分で消せよ」
差し出されたスマホを慌てて受け取り、サトミは自分の写真を次々と消していく。
(いつのまに、写真をこんなに撮られたの? 全然気付かなかった…)
そして否応無く目に入る自分の姿に、思い出したかのようにお腹の奥が疼き出す。
(どれも全部…なんて表情してるのよ、私…)
「関係ないのまで消すなよ」
突然マサヤに耳元で囁かれ、サトミはハッとなって我に返った。
「そんな事、しません」
そうして全ての画像を削除すると、サトミは乱暴にスマホを突き返す。
「約束を守っていただきまして、どうもありがとうございました!」
「いやいやこのくらい、俺って紳士だからさー」
「何を…っ」
「おー、お待たせー」
そのときカズヤが、トイレからひょっこりと戻ってきた。マサヤはそんなカズヤに近付くと、その肩を軽くポンと叩く。
「じゃー約束通り俺は帰るわ。あとは若い二人でごゆっくりー」
「いらん事言ってないで、早く帰れ!」
そうしてマサヤの後ろ姿を見送っていると、サトミのスマホに「ポン」とメッセージが入った。
何の気無しに画面を確認したサトミは、
(馬鹿にしてるっ!)
カッと頭に血が昇った。
そこにはマサヤから、
『昨日のホテル前』
と、ただのひと言…
私を自分の彼女と勘違いでもしてるのだろうか。
そもそも、いつアカウントを交換したのかすら覚えていない。
(何なの、あの人⁉︎ 馬鹿にしてる馬鹿にしてる馬鹿にしてる…)
「あのさ…話したい事があるからさ、どっか店でも入らない?」
そのときカズヤが頬を赤く染めながら、照れ臭そうに頭を掻いた。
そんなカズヤのぎこちない仕種に、サトミはその用件をピンと察する。
「あ…えと」
なのに…
「ごめんなさい…今急に友達から連絡がきて、ちょっと行かなきゃいけないの」
「あ、あー…そうなのか」
もうこの身体の疼きは、私ひとりでは抑えきれないの…今日だけ、今日だけだからホントにごめん…
「それじゃ仕方ないな。楽しんで来いよ」
「うん、ホントにごめんね」
そう言ってサトミは踵を返す。
カズヤはその後ろ姿を、いつまでもいつまでも見送っていた。
「大丈夫、サトミちゃんが騒がなければバレないからさ」
マサヤはサトミの手首を掴んだまま、顔を近付け耳打ちをする。
「イヤです! こんな事、絶対にイヤッ!」
「このまま俺をスッキリとさせてくれたら、スマホの画像を消してやってもイイゼ」
「……え⁉︎」
そのとき出された提案に、サトミは目を見開いた。
「どーする?」
「本当に、消してくれるんですか?」
「ああ、約束だ」
「……分かりました」
サトミは一度両目を閉じると、覚悟を決めてゆっくりと頷く。
そうして自ら、マサヤのモノを握りしめた。
(やっぱり…大きい)
そのあまりの存在感にサトミは思わず息を飲む。自分の小さな左手では、全体の半分も包みきれない。
「早く動かせよ」
「…分かっています」
サトミは意を決すると、左手を上下にゆっくりと動かし始めた。
「そんなんじゃ、いつまで経っても終わらないぜ」
「でも、どうしたら…?」
「唾液でもつけて、滑りをよくしてくれよ」
マサヤのニヤケ顔に、サトミは心底嫌悪感を示す。
しかし早く終わらせたい一心で、言われるがままに左手を口元に戻して涎を垂らした。
そうして再び握りしめると、ニチャニチャとイヤらしい音が響き始める。
映画の音の方が大きい筈なのに、その音はサトミの耳奥に否応無く鳴り響いた。
「あーいい感じだ。カズヤの横でサトミちゃんに扱いて貰ってると思うと、気分もアガってくるぜ」
「……言わないで…っ」
サトミは右手の甲で口元を押さえると、今にも泣き出しそうな表情を見せる。
その瞬間、サトミの手の中で、マサヤがビクンと反応した。
「そろそろ出そうだ。サトミちゃん、口で咥えて」
「……は⁉︎」
サトミの口から、素っ頓狂な声が漏れる。
「俺はどっちでもいいんだぜ、その可愛い服にぶっかけてもな。今日のその服なら、案外バレないかもしれないぜ?」
サトミには、考える時間も選択肢も、他には全く何も無かった。
意を決して一気に顔をソコに近付ける。しかし鼻につくキツイ臭いに鼻腔の奥を刺激され、サトミは思わず顔を背けた。
(う、クサイ…っ)
「早くしろ、顔にぶっかけられてーのか⁉︎」
サトミは覚悟を決めて口を限界まで開くと、一気に喉奥まで咥え込んだ。
~~~
「お、おいサトミ、大丈夫か…っ⁉︎」
突然サトミの身体が兄の方に倒れ込み、カズヤは訳も分からずに目を見開いた。
若干パニックに陥ったまま、慌てたようにオロオロとする。
暫くして漸く身体を起こした幼なじみは、口元をハンカチで押さえたまま目に涙を浮かべていた。
「お、おい…」
「…んくっ…ぅん、驚かせて…ごめんね。落としたハンカチを、拾ってたの」
そうしてサトミは、明るい笑顔をカズヤに見せる。
「あー…そーなんだ、ビビったー」
その表情に胸を撫で下ろしたのか、カズヤも釣られて笑顔を見せた。
気付けば劇場のスクリーンには、映画のエンドロールが流れていた。
~~~
トイレに向かったカズヤを見送ると、マサヤがスマホを取り出した。
「ほらよ、今のうちに自分で消せよ」
差し出されたスマホを慌てて受け取り、サトミは自分の写真を次々と消していく。
(いつのまに、写真をこんなに撮られたの? 全然気付かなかった…)
そして否応無く目に入る自分の姿に、思い出したかのようにお腹の奥が疼き出す。
(どれも全部…なんて表情してるのよ、私…)
「関係ないのまで消すなよ」
突然マサヤに耳元で囁かれ、サトミはハッとなって我に返った。
「そんな事、しません」
そうして全ての画像を削除すると、サトミは乱暴にスマホを突き返す。
「約束を守っていただきまして、どうもありがとうございました!」
「いやいやこのくらい、俺って紳士だからさー」
「何を…っ」
「おー、お待たせー」
そのときカズヤが、トイレからひょっこりと戻ってきた。マサヤはそんなカズヤに近付くと、その肩を軽くポンと叩く。
「じゃー約束通り俺は帰るわ。あとは若い二人でごゆっくりー」
「いらん事言ってないで、早く帰れ!」
そうしてマサヤの後ろ姿を見送っていると、サトミのスマホに「ポン」とメッセージが入った。
何の気無しに画面を確認したサトミは、
(馬鹿にしてるっ!)
カッと頭に血が昇った。
そこにはマサヤから、
『昨日のホテル前』
と、ただのひと言…
私を自分の彼女と勘違いでもしてるのだろうか。
そもそも、いつアカウントを交換したのかすら覚えていない。
(何なの、あの人⁉︎ 馬鹿にしてる馬鹿にしてる馬鹿にしてる…)
「あのさ…話したい事があるからさ、どっか店でも入らない?」
そのときカズヤが頬を赤く染めながら、照れ臭そうに頭を掻いた。
そんなカズヤのぎこちない仕種に、サトミはその用件をピンと察する。
「あ…えと」
なのに…
「ごめんなさい…今急に友達から連絡がきて、ちょっと行かなきゃいけないの」
「あ、あー…そうなのか」
もうこの身体の疼きは、私ひとりでは抑えきれないの…今日だけ、今日だけだからホントにごめん…
「それじゃ仕方ないな。楽しんで来いよ」
「うん、ホントにごめんね」
そう言ってサトミは踵を返す。
カズヤはその後ろ姿を、いつまでもいつまでも見送っていた。
0
お気に入りに追加
12
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
まず、リレー小説のときは下ネタを避けていたさこゼロ様がNTRを書いていることに驚きました笑
そして読ませてもらって、正直、最高でした。王道をゆく展開ながら、精飲させる流れに違和感もなく素直に射精です。精飲、アナル舐め辺りは最高ですね。小便を飲ませると更に良くなりそうです(マニアック)。あと文章、文体について。読みやすく軽々しくはない感じで自分は好きです。他の作品も読んでみますね
行動が素早い!! ようこそお越しくださいました(^^)本当にありがとうございます。正直反応がなくて、どーなんだろうなと思ってましたが、魔王さまに褒めて貰えると何だかこそばゆいですね(^^)