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第1章
チュートリアル 2
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圧電性のファインセラミックスによる、正圧電効果を利用した片手剣。刃渡り30cm。
相手を斬ると同時に電流が発生し、電撃による麻痺を一時的に与える。相手を「殺す」ことより「無力化」に重点をおいた武器である。ただし、斬れ味が悪い訳では決してない。
同時に利き手の反対に装着されるグローブは、圧縮空気による衝撃波を瞬間的に打ち出し、物理攻撃を弾く特性を持つ。
サカシタの右の手のひらの上に浮かび上がった光る立方体が、片手剣の詳細を解説する。
その間アイは、サカシタのセーレーをまじまじと見つめていた。
「変更しなかったら、セーレーってこんな感じなんだね」
「君たちは変更したのかい?」
「したよ!」
「しました」
アイとおキクが揃えたように頷く。
「よかったら見せてくれないかい?」
サカシタの言葉に、先ずはおキクが応えた。
「ミーコ」
声と同時におキクの足元に、何もない空間から白い仔猫がひょいと飛び出てきた。
「おおっ!カワイイ!!」
サカシタが予想以上に興奮した。もしかしたら猫好きなのかもしれない。
「私はもう出してます。さて、どこでしょう?」
続いてアイが、両手を広げて意地悪く笑った。
「ええ?…うーん」
サカシタは顎をつまんで思案する。
「カメレオンとかかい?」
(そうきたか!私のミーコに引っ張られたな)
おキクはサカシタの発想もキライじゃなかった。
「残念!正解はこのピアス」
アイは右耳の大きなフープのピアスに、シャランと触れる。
「へー、女の子は考えることがお洒落だね」
サカシタは頷きながら感心した。そして言った直後にアサノも自分と同じで立方体のままだったことを思い出し、この情報は絶対に漏らさないと心に決めた。
~~~
「神官のハルバードには特殊な効果は何もないんだけど、武器としては非常に優秀なんだ」
長らく寄り道したけど、サカシタの解説がやっとスタート地点に戻った。
「刺突、斬撃の両方をこなせるし、特に斧の斬撃は重装兵をも薙ぎ払う威力がある。その分重量があるから小回りはきかないけど、片手剣との相性は抜群に高いと思う」
サカシタは、全長2mはあるハルバードを豪快に素振りする。刃先の部分は遠心力も相まって、凄い威力になりそうだ。小細工のいらない威圧感が確かにある。
「次は君たちも試してみて」
「それでは、私から」
おキクが右手を挙げて立候補した。
「いきます。グレートソード!」
おキクの掛け声とともに、両手剣が瞬時に右手に装着される。しかしあまりの重量に落としてしまいそうになり、慌てて両手で握りしめた。
「お、重い…!」
おキクの身長と大して変わらない、かなり巨大な剣である。自由に振り回せればアニメの戦うヒロインみたいでカッコいいのだが、話はそう簡単な話ではなかった。
持てない重さではないのだが、今の自分では自由に振り回すことは出来ないようだ。一振り一振りを慎重に振っていくしかない。
おキクは刀身を肩に担ぐと、なんとか姿勢を安定させた。
ここで念のため、疑問に答えます。
超音波振動はセーレーにより完璧に制御され、対象を切断する瞬間だけ発生します。
あしからずご了承願います。
「仕舞うときは、装備解除」
サカシタの説明聞き、おキクはオウムのように繰り返す。
「装備解除」
その瞬間、おキクの手の中から両手剣が一瞬で消え去った。それからカラになった自分の両手を、まじまじと見つめる。
「……フフ」
何故だか笑みがこみ上げてきた。コレを使いこなすのは、なかなかにやり甲斐がありそうだ。
相手を斬ると同時に電流が発生し、電撃による麻痺を一時的に与える。相手を「殺す」ことより「無力化」に重点をおいた武器である。ただし、斬れ味が悪い訳では決してない。
同時に利き手の反対に装着されるグローブは、圧縮空気による衝撃波を瞬間的に打ち出し、物理攻撃を弾く特性を持つ。
サカシタの右の手のひらの上に浮かび上がった光る立方体が、片手剣の詳細を解説する。
その間アイは、サカシタのセーレーをまじまじと見つめていた。
「変更しなかったら、セーレーってこんな感じなんだね」
「君たちは変更したのかい?」
「したよ!」
「しました」
アイとおキクが揃えたように頷く。
「よかったら見せてくれないかい?」
サカシタの言葉に、先ずはおキクが応えた。
「ミーコ」
声と同時におキクの足元に、何もない空間から白い仔猫がひょいと飛び出てきた。
「おおっ!カワイイ!!」
サカシタが予想以上に興奮した。もしかしたら猫好きなのかもしれない。
「私はもう出してます。さて、どこでしょう?」
続いてアイが、両手を広げて意地悪く笑った。
「ええ?…うーん」
サカシタは顎をつまんで思案する。
「カメレオンとかかい?」
(そうきたか!私のミーコに引っ張られたな)
おキクはサカシタの発想もキライじゃなかった。
「残念!正解はこのピアス」
アイは右耳の大きなフープのピアスに、シャランと触れる。
「へー、女の子は考えることがお洒落だね」
サカシタは頷きながら感心した。そして言った直後にアサノも自分と同じで立方体のままだったことを思い出し、この情報は絶対に漏らさないと心に決めた。
~~~
「神官のハルバードには特殊な効果は何もないんだけど、武器としては非常に優秀なんだ」
長らく寄り道したけど、サカシタの解説がやっとスタート地点に戻った。
「刺突、斬撃の両方をこなせるし、特に斧の斬撃は重装兵をも薙ぎ払う威力がある。その分重量があるから小回りはきかないけど、片手剣との相性は抜群に高いと思う」
サカシタは、全長2mはあるハルバードを豪快に素振りする。刃先の部分は遠心力も相まって、凄い威力になりそうだ。小細工のいらない威圧感が確かにある。
「次は君たちも試してみて」
「それでは、私から」
おキクが右手を挙げて立候補した。
「いきます。グレートソード!」
おキクの掛け声とともに、両手剣が瞬時に右手に装着される。しかしあまりの重量に落としてしまいそうになり、慌てて両手で握りしめた。
「お、重い…!」
おキクの身長と大して変わらない、かなり巨大な剣である。自由に振り回せればアニメの戦うヒロインみたいでカッコいいのだが、話はそう簡単な話ではなかった。
持てない重さではないのだが、今の自分では自由に振り回すことは出来ないようだ。一振り一振りを慎重に振っていくしかない。
おキクは刀身を肩に担ぐと、なんとか姿勢を安定させた。
ここで念のため、疑問に答えます。
超音波振動はセーレーにより完璧に制御され、対象を切断する瞬間だけ発生します。
あしからずご了承願います。
「仕舞うときは、装備解除」
サカシタの説明聞き、おキクはオウムのように繰り返す。
「装備解除」
その瞬間、おキクの手の中から両手剣が一瞬で消え去った。それからカラになった自分の両手を、まじまじと見つめる。
「……フフ」
何故だか笑みがこみ上げてきた。コレを使いこなすのは、なかなかにやり甲斐がありそうだ。
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