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18 魔王の資格③
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「準備はいいか、小僧?」
宝来尊が部屋の真ん中まで進み出ると、赤鬼が両腕を組んだままギロリと見上げた。
「いつでも良いですよ」
「…はん、風格だけは一人前だな」
宝来尊の返答に薄く笑うと、赤鬼は両腕を解いてギュッと拳を握りしめる。
「では、ゆくぞ」
そのとき赤鬼がゆらりと間合いを詰め、半ば突き上げるように、宝来尊のボディに向けて右正拳突きを放った。
ドオンと凄まじい轟音が響き、貫いた衝撃が旋風となって演習場に吹き荒れる。
「きゃあ!」
風に煽られたシラネが短い悲鳴をあげながら、舞い上がるスカートを必死に押さえた。
更に続けて何度も轟音が鳴り響き、その度にシラネのツインテールが前後左右に暴れまくる。
「ミ、ミコトさま…っ⁉︎」
目も開けていられない程の暴風の中、それでもシラネの視線の先には、宝来尊の背中が直立不動で立っていた。
~~~
(いや、スゲーな、この絶対防御って)
周りの凄まじい状況に反して、宝来尊の感想は呑気な物であった。
床は剥がれ舞い上がり、壁や天井には亀裂が入っている。目に映る衝撃的な状況の中に居て、自分の周りに漂うこの空気はどうだ。まるで凪の中に立っているようだ。
「流石だな小僧、魔王を名乗るだけはある。そろそろ儂の身体も温まってきた頃だ。次の一撃は本気でいくぞ」
そう言って赤鬼が身体に力を込めた瞬間、全身の筋肉が膨れ上がり、三メートルを超える程の大鬼に変貌する。
「へ⁉︎」
驚いた表情で、宝来尊は赤鬼を仰ぎ見た。
赤鬼は頭上で両指を組み合わせると、同時にその間抜け面に向けて打ち下ろす。
次の瞬間、まるで落雷のような轟音を轟かせ、土煙りを伴った衝撃波がシラネに襲い掛かった。
「ミ、ミコトさまーーっ!」
逆風に逆らいながら、シラネの声が木霊する。
モウモウと舞い上がる土煙りの中、演習場の床がクレーター状に陥没してしまっていた。
宝来尊が部屋の真ん中まで進み出ると、赤鬼が両腕を組んだままギロリと見上げた。
「いつでも良いですよ」
「…はん、風格だけは一人前だな」
宝来尊の返答に薄く笑うと、赤鬼は両腕を解いてギュッと拳を握りしめる。
「では、ゆくぞ」
そのとき赤鬼がゆらりと間合いを詰め、半ば突き上げるように、宝来尊のボディに向けて右正拳突きを放った。
ドオンと凄まじい轟音が響き、貫いた衝撃が旋風となって演習場に吹き荒れる。
「きゃあ!」
風に煽られたシラネが短い悲鳴をあげながら、舞い上がるスカートを必死に押さえた。
更に続けて何度も轟音が鳴り響き、その度にシラネのツインテールが前後左右に暴れまくる。
「ミ、ミコトさま…っ⁉︎」
目も開けていられない程の暴風の中、それでもシラネの視線の先には、宝来尊の背中が直立不動で立っていた。
~~~
(いや、スゲーな、この絶対防御って)
周りの凄まじい状況に反して、宝来尊の感想は呑気な物であった。
床は剥がれ舞い上がり、壁や天井には亀裂が入っている。目に映る衝撃的な状況の中に居て、自分の周りに漂うこの空気はどうだ。まるで凪の中に立っているようだ。
「流石だな小僧、魔王を名乗るだけはある。そろそろ儂の身体も温まってきた頃だ。次の一撃は本気でいくぞ」
そう言って赤鬼が身体に力を込めた瞬間、全身の筋肉が膨れ上がり、三メートルを超える程の大鬼に変貌する。
「へ⁉︎」
驚いた表情で、宝来尊は赤鬼を仰ぎ見た。
赤鬼は頭上で両指を組み合わせると、同時にその間抜け面に向けて打ち下ろす。
次の瞬間、まるで落雷のような轟音を轟かせ、土煙りを伴った衝撃波がシラネに襲い掛かった。
「ミ、ミコトさまーーっ!」
逆風に逆らいながら、シラネの声が木霊する。
モウモウと舞い上がる土煙りの中、演習場の床がクレーター状に陥没してしまっていた。
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