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【短編おまけ】常盤色の厄日

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 親友の時任俊介とボールを蹴り合っていた思い出の公園で、高橋彬はサッカーボールを追いかける。

 俊介が『昔の俺達を見てるみたい』と称した小さな子供達と、なぜあんなに自然と仲良くなれるのか――。初対面の筈なのに、ボールを蹴り合い遊んでいた。

 相沢隆哉は、そんな彬と子供達をブランコに腰掛けぼんやりと見つめる。

 ボールを取るのに押した、押してない、でケンカを始めた子供達の仲裁に入っていた彬が、気付けばいつの間にか誰よりも逆ギレしていた。

「お前等いい加減にしねぇともう教えてやんねぇぞ!」

「……流石だ……」

 視線を逸らし頬杖をついて、ポツリと隆哉が呟く。

 だって。まだ幼稚園に通っているだろう子供達と「対等に」、彬はケンカが出来るのだから。

「中々そんな高校生、いないよね」

 そんな、正直な感想。

 えーッ! と不満げな男の子達に、「えーッ、じゃねぇ! 知るか!」と1人でリフティングをしている。

 ――せめて、ボールは子供達に渡してあげたらいいのに……。

 そう思う隆哉の前で、それでも子供達は彬の見事なボールさばきに次第にぐずるのをやめて、好奇心溢れる瞳で見つめ始めていた。

「……ほんと、流石だよね」

 溜め息ひとつ吐いて、キ ィ、と隆哉はブランコを降りる。
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