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蒼い約束

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 そう言って隆哉は秀行の後ろへと回ると秀行の左肩に右手で触れ、その上に左手で持ったカードを重ねた。三回深呼吸をした後、ゆっくりと瞼を閉じる。

幽世かくりよの大神、憐れみ給い恵み給え、さきみたまくしみたま、守り給い幸い給え」

 低い声で唱え、ググッと手に力を入れる。肩から何かを引き抜くように大きく左腕を引いた隆哉は、次の瞬間、バンッとカードごとその手を肩に叩き付けた。

 少しの間を置いてフゥと息を吐き出すと、振り返った秀行にカードを差し出した。

「ありがとう」

 礼を言って受け取った秀行に小首を傾げ、気のない様子でボソリと答える。

「別に」

 そうして彬の方へと向いた隆哉の動きが、不意に止まった。「ウソだろ」と口の中で小さく呟く。

「へ?」

 きょとん、と見上げる彬の顔を、瞬きもせずに隆哉がジッと見つめていた。

「死相が、消えない」

 呆然とした声が囁くように吐き出される。「なんだって!」と声を荒げた秀行に、彬がクスリと笑みを洩らした。微笑んで隆哉に近付くと、コツンとその胸元へと拳をあてた。
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