48 / 215
緋い記憶
48
しおりを挟む
「どうした?」
虚ろな視線を宙に漂わせる彬の顔を、隆哉が覗き込む。
「いや。続けてくれ」
「あんたの顔に死相が出てる事を時任に伝えた時、変わったんだ。彼の望みが」
「俊介の、望み?」
その途端。彬の頭には、はっきりとした『答え』が浮かんだ。
――そーいう事、なのか? 俊介?
誰だって死にたくはない。そうだ。お前だってまだ、死にたくなんかなかったよな。
でも――。
でももしそれが、『二人で』なら……?
お前もそう思ってくれたか? 俺とならば、って。
前髪をかき上げ、かなり暗くなってしまった道路へと顔を向ける。
なぁ俊介。俺を、待っててくれるのか?
「それなら」
小さく呟いた彬は、もう視る事すら叶わない親友へと、微笑みを浮かべた。
「それなら、悪くねぇよ」
虚ろな視線を宙に漂わせる彬の顔を、隆哉が覗き込む。
「いや。続けてくれ」
「あんたの顔に死相が出てる事を時任に伝えた時、変わったんだ。彼の望みが」
「俊介の、望み?」
その途端。彬の頭には、はっきりとした『答え』が浮かんだ。
――そーいう事、なのか? 俊介?
誰だって死にたくはない。そうだ。お前だってまだ、死にたくなんかなかったよな。
でも――。
でももしそれが、『二人で』なら……?
お前もそう思ってくれたか? 俺とならば、って。
前髪をかき上げ、かなり暗くなってしまった道路へと顔を向ける。
なぁ俊介。俺を、待っててくれるのか?
「それなら」
小さく呟いた彬は、もう視る事すら叶わない親友へと、微笑みを浮かべた。
「それなら、悪くねぇよ」
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる