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第49話 プチ式典、続行!
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エリシャが莉子にいくつもの衣装をあてて、確認していく。
全身が映る姿見で見える服はどれも美しく、この世界の服ではないことがよくわかる。
「莉子は黒も良いけど、朱色とかも似合いそうね……」
それにしても大まかな形は変わらないが、色合いや刺繍が変わるだけで、全然雰囲気が違う。
衣装が合わされ直すたびに、莉子の表情が嬉しそうに変わるのをエリシャは楽しそうに見ながら着付けしていく。
「この世界でも繋がったこと……お祝いするでしょ?」
着付けをしながらエリシャはしゃべる。
カーレンは着替え方がわかるようで、自分の好きなように着替えている。
レモン色の服を取り上げてから、ビーズで作られたベルトを巻いたりと、テキパキと着替えていく。
「……私たちも向こうでは毎年お祝いしてたの……おしゃれして、美味しいもの食べて……私たちには大切な祝日だったの……」
「へぇ」
「はい、リコ、後ろ向いて……私たちはこの世界の事を断片的にだけど知る機会があったから、だから繋がったことがとても幸せだったのよ。だから、……よっと、私もこっちで仕事をしているの……」
「エルフの方って好意的なんですね。ちょっと意外だったり……」
「そうね。そういうことって、あまり言ってこなかったものね……よし、はい、できた! かわいいーーーーー!!!!」
朱色の布に、黒と銀色の刺繍がされた衣装になる。
エリシャのような透ける布やマントはないが、すっきりとしたシルエットで体のラインをきれいに象ってくれる。
首を覆うような襟には、きめ細やかな刺繍がほどこされている。よくみると、布全体にうっすらと刺繍がされ、さらに袖口にはみっちりと刺繍がされている。V字に切り込みが入れられた腕の袖口から、下に着込んだ黒い柔らかな布地が溢れて揺れるのが、とってもファンタジーな衣装だ。
「あの、これ、かなり良いものじゃないですか……?」
「質はいいわよ! だって私、貴族だもの。これね、お婆さまからのプレゼントなの。でも身長が伸びちゃって丈が合わなくって……リコが似合ってよかったわ! さ、次は髪の毛よ」
エルフが三つ編みをする理由は、3つの神の力を宿す意味があるそうだ。紐を1本足して編み上げるのは、自分がその3つの力を受けるに値する、という意味と、神への誓いを込める意味がある。
「……リコはなにを神様に誓う?」
エリシャが手際よく編み込みをしていくのを見ながらカーレンが尋ねてくる。
莉子はカーレンの声を繰り返しながら、頭を動かさないように考えるが、うまく言葉が出てこない。
「……そうですね。みんなと…エルフと、強い絆を結びたいです」
「……それはもう叶ってる。……もっと個人的なお願いは?」
「それは決まってるじゃなーい! イウォールともっと仲良くなる、でしょ? お似合いだもの!」
その声に、つい、莉子は身を縮めてしまう。
「……あの、」
「なぁに、リコ?」
「私とイウォールさん、釣り合ってないですよね」
「……? 釣り合うってなんの話? さ、みんなに見てもらいましょう。惚れ直しちゃうわっ」
店に下りると、エリシャの言伝どおり、ケータリングが並べられていた。
最後の1台が今来たようだ。
今流行の自転車デリバリーである。
届けに来たお兄さんが、面喰らってるのがよくわかるが、ここに幾人もの自転車が止まったのかと思うと、それこそ職務怠慢な気がしてくる莉子がいる。
「リコ、似合ってるじゃねぇか」
一番最初に身なりを褒めたのはケレヴだ。
さすが、女タラし。褒めが早い。
「ブラウン系の髪の毛だから、似合うな、赤も」
「赤じゃないわ、朱色よ、ケレヴ」
「こまけぇなぁ」
「ほら、イウォール、リコ、似合ってるでしょ?」
ついと背中を押され、イウォールの前に出されたリコだが、うまくイウォールの顔を見れない。
やっぱり今日のイウォールが特別に見えるからだ。
異国の世界の人なのが、よくわかってしまって、今までの時間が嘘に感じてしまうほど……
「……リコ、似合ってる……とても似合ってる」
「あ、ありがとうございますっ」
戸惑いながら答えた莉子をアキラはよりくっつけさせると、スマホですぐに写真を撮った。
「うん、お似合い! やっぱ、どっちも礼服だからよりいいですよね。あ、これ、あとでカフェの部屋に飛ばしておきますね」
そう、ここにいるメンバーは、アプリで作った『カフェ』という部屋でつながっているのだ。
それも不思議な話だが、情報の共有ができるものがあるのは、こういう時にも役に立つ。
「……あの、じゃあ、あたしも皆さんの写真撮っていいですか……?」
莉子はポーズを撮るみんなの写真を撮っていく。
アキラとトゥーマ、ケレヴとイウォール、エリシャとカーレンとは3人で撮影だ。
それぞれに笑い合う顔が楽しそうで、幸せそうで、シャッターを押す莉子も笑顔になる。
広げられたケータリング料理は手軽なもので、片手で食べられる。
それに合わせて、お手軽なスパークリングワインを出し、みんなで今日の式典を、今日の祝日を祝っていく───
「じゃ、リコ、私とカーレンは帰るわ。今日はイウォールがここにいるっていうし」
「あの、服は」
「明日、回収する。脱ぐのは適当に脱いで。クリーニングは向こうでやるし」
「……エリシャ、立って。……タクシー来た」
カーレンにひきずられるように手を振りながらタクシーに乗り込んだエリシャに次いで、アキラを先頭に、トゥーマとケレヴも別のタクシーに乗り込んでいく。
「リコさん、明日のお食事、楽しみにしてます。少し早めにみんなで来ますから」
「やっぱ今日は、こうやっておわんなきゃなぁ! 王族で酒飲むなんて、不味すぎっ! リコ、ありがと。……やっぱ、リコはキレイだわぁー! な、ケレヴ!」
「トゥーマ、酔ってんな……。ま、リコがキレイなのは本当だけどな。じゃ、リコ、イウォール頼むわ」
「頼むって……ちょ!」
去っていたタクシーを目で追いながら、振り返ると、イウォールも同じように遠くを見ていたようだ。
「今日はちょっと蒸し暑いですね。冷たいものでも飲みますか?」
莉子がイウォールに声をかけると、イウォールは小さくうなずいた。
店に戻り、莉子がイウォールに冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しながら、
「コップ、いります?」
「いや、そのままで」
「はい。あー、片付けは明日しましょうか」
「そうだな。今日は早めに休むとしよう」
エルフの衣装を着たままでペットボトルで飲む姿も違和感がある。
だが、それでも美しく見えるのは、エルフという種族だからだろう。
いや、イウォールの所作が美しいからだ。
莉子も同じように水を飲むが、改めて感じる動きづらさ。
「あの、聞きそびれてたんですが、この衣装で毎日過ごされてるんですか?」
「そうだな、こんな感じの服が多いかもしれない。だが、もっと簡素で動きやすいものだ。刺繍も少なく、軽い服になる」
「そうなんですね。でも今日、皆さんの衣装が見れて、幸せでした~。すごい、異世界に行った気分でした!」
「異世界なら、連れて行くよ、私が」
「……そうなったらいいなぁ」
莉子がペットボトルの水を飲みながら、椅子に腰を置いた。すっかり飲み干し、目を開けると、すぐそばにイウォールがいる。
椅子に腰掛けた莉子にひざまづくようにして、イウォールは莉子を見つめている。
「……い、イウォールさん?」
「今日は本当にすまなかった……危険な目に合わせて、本当に」
「やめてくださいよ。カーレンさんがいたから大丈夫だったんですし」
「もう、危険な目には合わせないと誓う」
イウォールは莉子の両頬を手で支えると、あの日と同じように莉子に額を重ねる。
「……リコ、愛してる……」
あまりに小さな声だが、鼻が触れるほどに近いため、莉子にもはっきりと聞こえた。
額が離れる瞬間、イウォールの親指が莉子の唇をなぞる。
そして、ゆっくりと唇が重なった。
息が止まる。
すぐにイウォールはカンターの奥へと進むと、「おやすみ」それだけ言い残し、上へと上がっていく。
莉子は薄暗くなった店内で、しばらく動けないでいた。
全身が映る姿見で見える服はどれも美しく、この世界の服ではないことがよくわかる。
「莉子は黒も良いけど、朱色とかも似合いそうね……」
それにしても大まかな形は変わらないが、色合いや刺繍が変わるだけで、全然雰囲気が違う。
衣装が合わされ直すたびに、莉子の表情が嬉しそうに変わるのをエリシャは楽しそうに見ながら着付けしていく。
「この世界でも繋がったこと……お祝いするでしょ?」
着付けをしながらエリシャはしゃべる。
カーレンは着替え方がわかるようで、自分の好きなように着替えている。
レモン色の服を取り上げてから、ビーズで作られたベルトを巻いたりと、テキパキと着替えていく。
「……私たちも向こうでは毎年お祝いしてたの……おしゃれして、美味しいもの食べて……私たちには大切な祝日だったの……」
「へぇ」
「はい、リコ、後ろ向いて……私たちはこの世界の事を断片的にだけど知る機会があったから、だから繋がったことがとても幸せだったのよ。だから、……よっと、私もこっちで仕事をしているの……」
「エルフの方って好意的なんですね。ちょっと意外だったり……」
「そうね。そういうことって、あまり言ってこなかったものね……よし、はい、できた! かわいいーーーーー!!!!」
朱色の布に、黒と銀色の刺繍がされた衣装になる。
エリシャのような透ける布やマントはないが、すっきりとしたシルエットで体のラインをきれいに象ってくれる。
首を覆うような襟には、きめ細やかな刺繍がほどこされている。よくみると、布全体にうっすらと刺繍がされ、さらに袖口にはみっちりと刺繍がされている。V字に切り込みが入れられた腕の袖口から、下に着込んだ黒い柔らかな布地が溢れて揺れるのが、とってもファンタジーな衣装だ。
「あの、これ、かなり良いものじゃないですか……?」
「質はいいわよ! だって私、貴族だもの。これね、お婆さまからのプレゼントなの。でも身長が伸びちゃって丈が合わなくって……リコが似合ってよかったわ! さ、次は髪の毛よ」
エルフが三つ編みをする理由は、3つの神の力を宿す意味があるそうだ。紐を1本足して編み上げるのは、自分がその3つの力を受けるに値する、という意味と、神への誓いを込める意味がある。
「……リコはなにを神様に誓う?」
エリシャが手際よく編み込みをしていくのを見ながらカーレンが尋ねてくる。
莉子はカーレンの声を繰り返しながら、頭を動かさないように考えるが、うまく言葉が出てこない。
「……そうですね。みんなと…エルフと、強い絆を結びたいです」
「……それはもう叶ってる。……もっと個人的なお願いは?」
「それは決まってるじゃなーい! イウォールともっと仲良くなる、でしょ? お似合いだもの!」
その声に、つい、莉子は身を縮めてしまう。
「……あの、」
「なぁに、リコ?」
「私とイウォールさん、釣り合ってないですよね」
「……? 釣り合うってなんの話? さ、みんなに見てもらいましょう。惚れ直しちゃうわっ」
店に下りると、エリシャの言伝どおり、ケータリングが並べられていた。
最後の1台が今来たようだ。
今流行の自転車デリバリーである。
届けに来たお兄さんが、面喰らってるのがよくわかるが、ここに幾人もの自転車が止まったのかと思うと、それこそ職務怠慢な気がしてくる莉子がいる。
「リコ、似合ってるじゃねぇか」
一番最初に身なりを褒めたのはケレヴだ。
さすが、女タラし。褒めが早い。
「ブラウン系の髪の毛だから、似合うな、赤も」
「赤じゃないわ、朱色よ、ケレヴ」
「こまけぇなぁ」
「ほら、イウォール、リコ、似合ってるでしょ?」
ついと背中を押され、イウォールの前に出されたリコだが、うまくイウォールの顔を見れない。
やっぱり今日のイウォールが特別に見えるからだ。
異国の世界の人なのが、よくわかってしまって、今までの時間が嘘に感じてしまうほど……
「……リコ、似合ってる……とても似合ってる」
「あ、ありがとうございますっ」
戸惑いながら答えた莉子をアキラはよりくっつけさせると、スマホですぐに写真を撮った。
「うん、お似合い! やっぱ、どっちも礼服だからよりいいですよね。あ、これ、あとでカフェの部屋に飛ばしておきますね」
そう、ここにいるメンバーは、アプリで作った『カフェ』という部屋でつながっているのだ。
それも不思議な話だが、情報の共有ができるものがあるのは、こういう時にも役に立つ。
「……あの、じゃあ、あたしも皆さんの写真撮っていいですか……?」
莉子はポーズを撮るみんなの写真を撮っていく。
アキラとトゥーマ、ケレヴとイウォール、エリシャとカーレンとは3人で撮影だ。
それぞれに笑い合う顔が楽しそうで、幸せそうで、シャッターを押す莉子も笑顔になる。
広げられたケータリング料理は手軽なもので、片手で食べられる。
それに合わせて、お手軽なスパークリングワインを出し、みんなで今日の式典を、今日の祝日を祝っていく───
「じゃ、リコ、私とカーレンは帰るわ。今日はイウォールがここにいるっていうし」
「あの、服は」
「明日、回収する。脱ぐのは適当に脱いで。クリーニングは向こうでやるし」
「……エリシャ、立って。……タクシー来た」
カーレンにひきずられるように手を振りながらタクシーに乗り込んだエリシャに次いで、アキラを先頭に、トゥーマとケレヴも別のタクシーに乗り込んでいく。
「リコさん、明日のお食事、楽しみにしてます。少し早めにみんなで来ますから」
「やっぱ今日は、こうやっておわんなきゃなぁ! 王族で酒飲むなんて、不味すぎっ! リコ、ありがと。……やっぱ、リコはキレイだわぁー! な、ケレヴ!」
「トゥーマ、酔ってんな……。ま、リコがキレイなのは本当だけどな。じゃ、リコ、イウォール頼むわ」
「頼むって……ちょ!」
去っていたタクシーを目で追いながら、振り返ると、イウォールも同じように遠くを見ていたようだ。
「今日はちょっと蒸し暑いですね。冷たいものでも飲みますか?」
莉子がイウォールに声をかけると、イウォールは小さくうなずいた。
店に戻り、莉子がイウォールに冷蔵庫からペットボトルの水を取り出しながら、
「コップ、いります?」
「いや、そのままで」
「はい。あー、片付けは明日しましょうか」
「そうだな。今日は早めに休むとしよう」
エルフの衣装を着たままでペットボトルで飲む姿も違和感がある。
だが、それでも美しく見えるのは、エルフという種族だからだろう。
いや、イウォールの所作が美しいからだ。
莉子も同じように水を飲むが、改めて感じる動きづらさ。
「あの、聞きそびれてたんですが、この衣装で毎日過ごされてるんですか?」
「そうだな、こんな感じの服が多いかもしれない。だが、もっと簡素で動きやすいものだ。刺繍も少なく、軽い服になる」
「そうなんですね。でも今日、皆さんの衣装が見れて、幸せでした~。すごい、異世界に行った気分でした!」
「異世界なら、連れて行くよ、私が」
「……そうなったらいいなぁ」
莉子がペットボトルの水を飲みながら、椅子に腰を置いた。すっかり飲み干し、目を開けると、すぐそばにイウォールがいる。
椅子に腰掛けた莉子にひざまづくようにして、イウォールは莉子を見つめている。
「……い、イウォールさん?」
「今日は本当にすまなかった……危険な目に合わせて、本当に」
「やめてくださいよ。カーレンさんがいたから大丈夫だったんですし」
「もう、危険な目には合わせないと誓う」
イウォールは莉子の両頬を手で支えると、あの日と同じように莉子に額を重ねる。
「……リコ、愛してる……」
あまりに小さな声だが、鼻が触れるほどに近いため、莉子にもはっきりと聞こえた。
額が離れる瞬間、イウォールの親指が莉子の唇をなぞる。
そして、ゆっくりと唇が重なった。
息が止まる。
すぐにイウォールはカンターの奥へと進むと、「おやすみ」それだけ言い残し、上へと上がっていく。
莉子は薄暗くなった店内で、しばらく動けないでいた。
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