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第2章 カフェから巡る四季
第80話 炊飯器でリゾット
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莉子は疲れている。
定休日だったのだが、仕込みで丸一日を費やしたからだ。
「繁盛はありがたいんですけどね……」
言いつつ、炊飯器を開けるが、米もなにもない。
「炊いてなかったっけ」
絶望しつつも、莉子は炊飯器に米を投入し、ふと考える。
何を食べよう、と。
今日は連藤が来ない日だ。
自分しかいないのであれば、好きなものを食べればいいのだが、適当にすると、連藤のお小言がうるさい。
「なんにしよ……」
そう言いつつも、研いだ1合の米に、水を300入れ、コンソメキューブとカットトマトのパックを1つ、玉ねぎの微塵切りを入れてから、適当に塩と胡椒をし、炊飯ボタンを押した。
「これで、多分、リゾットっぽいものができるはず」
あとは冷凍の唐揚げでも食べようと、莉子はソファに腰をおろす。
「なんか、久々に座った気がする」
それもそうだ。
本当に休む暇なく、仕込みをしていたのである。
立ちっぱなしはもちろん、歩き回ってもいたため、体が全く休めていない。
お風呂の準備をしつつ、テレビをぼーーーと見てれば、炊飯器が鳴る。
「できたー!」
蓋をひらき、混ぜてみるが、おこげがある。
「マジで? なんで、焦げるんだよぉ」
ぐるぐるとかきまわし、味見をしつつ、問題ないと判断した莉子は、半分量を皿にもりつけた。
オーブントースターで温めておいた冷凍の唐揚げをのせ、今日の夕飯は完成だ。
「あとは、ビールビール」
ワインは一人では飲み干せないのが一番の難点だ。
莉子はビールと唐揚げ、トマトリゾットでのんびり晩酌だ。
「……なんか、あんまし、ゆっくりできなくてやだなぁ」
莉子はぼやきながらも、新しいメニューのレシピに目をとおしていく。
マンネリになってからでは遅い。
ひと口、リゾットを頬張る。
「意外と美味しい……」
炊飯器でそこそこ美味しいリゾットが食べられるとは思っていなかった。
莉子は感謝しつつ、ビールを飲みつつ、もう少しアレンジできるメニューはないか、と、探していく。
「やっぱ、料理好きなんだな……」
疲れても、料理のことを考え続ける自分に呆れて笑ってしまう。
だが、美味しそうなレシピを見つけてしまった。
手早くノートに書き写していたとき、メッセージが入る。
『莉子さん、しっかり食事をするように』
連藤だ。
莉子は口をとがらせながらも返信だ。
『ちゃんとリゾットと唐揚げ食べてます!』
『それなら良かった
酒はほどほどにな』
またの千里眼に、イラりとするが、莉子はそれ以上の返信をやめた。
今はぬるくなる前にビールを飲み干さなければならないからだ。
ただ……
お互いを思いやれる人がいるって幸せだな。
そう思う。
が、連藤はちょっと細かいと思う。
「連藤さん、お風呂上がりに返信しまーす」
ビール2本目をぷしゅりと開けた。
定休日だったのだが、仕込みで丸一日を費やしたからだ。
「繁盛はありがたいんですけどね……」
言いつつ、炊飯器を開けるが、米もなにもない。
「炊いてなかったっけ」
絶望しつつも、莉子は炊飯器に米を投入し、ふと考える。
何を食べよう、と。
今日は連藤が来ない日だ。
自分しかいないのであれば、好きなものを食べればいいのだが、適当にすると、連藤のお小言がうるさい。
「なんにしよ……」
そう言いつつも、研いだ1合の米に、水を300入れ、コンソメキューブとカットトマトのパックを1つ、玉ねぎの微塵切りを入れてから、適当に塩と胡椒をし、炊飯ボタンを押した。
「これで、多分、リゾットっぽいものができるはず」
あとは冷凍の唐揚げでも食べようと、莉子はソファに腰をおろす。
「なんか、久々に座った気がする」
それもそうだ。
本当に休む暇なく、仕込みをしていたのである。
立ちっぱなしはもちろん、歩き回ってもいたため、体が全く休めていない。
お風呂の準備をしつつ、テレビをぼーーーと見てれば、炊飯器が鳴る。
「できたー!」
蓋をひらき、混ぜてみるが、おこげがある。
「マジで? なんで、焦げるんだよぉ」
ぐるぐるとかきまわし、味見をしつつ、問題ないと判断した莉子は、半分量を皿にもりつけた。
オーブントースターで温めておいた冷凍の唐揚げをのせ、今日の夕飯は完成だ。
「あとは、ビールビール」
ワインは一人では飲み干せないのが一番の難点だ。
莉子はビールと唐揚げ、トマトリゾットでのんびり晩酌だ。
「……なんか、あんまし、ゆっくりできなくてやだなぁ」
莉子はぼやきながらも、新しいメニューのレシピに目をとおしていく。
マンネリになってからでは遅い。
ひと口、リゾットを頬張る。
「意外と美味しい……」
炊飯器でそこそこ美味しいリゾットが食べられるとは思っていなかった。
莉子は感謝しつつ、ビールを飲みつつ、もう少しアレンジできるメニューはないか、と、探していく。
「やっぱ、料理好きなんだな……」
疲れても、料理のことを考え続ける自分に呆れて笑ってしまう。
だが、美味しそうなレシピを見つけてしまった。
手早くノートに書き写していたとき、メッセージが入る。
『莉子さん、しっかり食事をするように』
連藤だ。
莉子は口をとがらせながらも返信だ。
『ちゃんとリゾットと唐揚げ食べてます!』
『それなら良かった
酒はほどほどにな』
またの千里眼に、イラりとするが、莉子はそれ以上の返信をやめた。
今はぬるくなる前にビールを飲み干さなければならないからだ。
ただ……
お互いを思いやれる人がいるって幸せだな。
そう思う。
が、連藤はちょっと細かいと思う。
「連藤さん、お風呂上がりに返信しまーす」
ビール2本目をぷしゅりと開けた。
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