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はじまり
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「私、悪役令嬢だったーーーーーー」
今、私の婚約者がそう叫びながら走ってきた。悪役?そもそも令嬢は叫びながら走らない。つまりその時点で令嬢ではないので大丈夫だろう。いや、悪役が不良品という意味であるのならまさしくあっていると言うことなのだろうか?
令嬢らしくなく走ってきた彼女。アリージュ・シンス・アリアは歴とした伯爵家の一人娘で、私アシュー・ド・クレアの婚約者だ。
最初に出会ったのはお互いに8歳の時、彼女は完璧なカーテシーで挨拶をし、将来は彼女の家に婿入りする私の立場を完全にわかったかのような顔で「わたくしの恥になる行いはしないで下さいましね」と此方を見下すかのようにうっすらと笑った。
あの時点で彼女は完璧なレディだった。
勉強が出来て今生みない才媛って呼ばれてたし、歩き方も完璧。何を言われてもうっすらとした微笑みで交わし、言葉の端々にチクリとした毒舌を混ぜる。
母様の姉で毎回嫌みと噂話が大好き、弱い者いじめも大好きなおば様そっくり。おば様を縮小したような令嬢だった。
父様にその事を言うと、社交界は女性の戦場だから、それぐらい出来ないと生き残れない。将来が楽しみな女性だ。と言われた。
その時点で私の未来は確定した。
今、私の婚約者がそう叫びながら走ってきた。悪役?そもそも令嬢は叫びながら走らない。つまりその時点で令嬢ではないので大丈夫だろう。いや、悪役が不良品という意味であるのならまさしくあっていると言うことなのだろうか?
令嬢らしくなく走ってきた彼女。アリージュ・シンス・アリアは歴とした伯爵家の一人娘で、私アシュー・ド・クレアの婚約者だ。
最初に出会ったのはお互いに8歳の時、彼女は完璧なカーテシーで挨拶をし、将来は彼女の家に婿入りする私の立場を完全にわかったかのような顔で「わたくしの恥になる行いはしないで下さいましね」と此方を見下すかのようにうっすらと笑った。
あの時点で彼女は完璧なレディだった。
勉強が出来て今生みない才媛って呼ばれてたし、歩き方も完璧。何を言われてもうっすらとした微笑みで交わし、言葉の端々にチクリとした毒舌を混ぜる。
母様の姉で毎回嫌みと噂話が大好き、弱い者いじめも大好きなおば様そっくり。おば様を縮小したような令嬢だった。
父様にその事を言うと、社交界は女性の戦場だから、それぐらい出来ないと生き残れない。将来が楽しみな女性だ。と言われた。
その時点で私の未来は確定した。
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