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回想 異形の街
異形の街 29
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炎。ひいては熱、というものは知的生命体の発展に欠かせないものである。
上位元素を使用することにより、何かを介さなくても直接物を加工することは可能だが、それでも大多数の種族にとって炎は生活に欠かせないものである。
それだけ身近である故にか、炎を操る攻撃魔法は最も基本的な魔法のひとつとされている。
そして、基本的であるがゆえに練度がそのまま威力に現れ。
卓越した使い手の炎は、街ひとつさえ灰燼に帰す。
アルスの放った、正確には水晶から放たれた炎は、その凄まじい熱と光とは裏腹に範囲は極挟くヌエだけを包み込んでいた。
「「「Gya,gaaaaaaaaaaaaaa!!!!」」」
炎に包まれ呻き声を上げるヌエ。のたうち回ろうとするが、上から押さえつける過重力がそれを許さない。
「うわ、すっご・・・っていうか、僕まで熱いんだけど。」
全速力でアルスの元まで走ったシルヴァは、額に汗を浮かべながらそう呟く。
『我の魔力制御能力では、周囲の熱までは操れん。我慢せよ。』
「そうなんだ。まあ、仕方ないか。・・・この感じだと、アルス一人で良かったんじゃない?」
未だ炎の中で苦痛の呻きをあげているヌエを見ながら、シルヴァはからかうようにアルスにそう言う。
アルスはその言葉に、どこか不満そうに答える
『・・・わかって言っておるな?見ての通り、我ではヌエを殺しきれん。』
「あはは、ごめんごめん、怒らないでよ。ま、確かにあれだけの炎に包まれながら、まだ元気に呻いてるんだからね。炎だけじゃ無理っぽいかな。」
シルヴァの言葉通り、ヌエは苦痛の呻きを上げ続けている。
死体は声を出さないのだから、ヌエは当然まだ余力を残していることがわかる。
『蒼炎なら、あるいは・・・じゃが、我の魔力適性ではそこまで高度な攻撃魔法は使えん。使えるのは『蓮花の饗宴』・・・紅炎の攻撃魔法までじゃ。それも長続きはせん。』
アルスは苦々しくそう言いながらヌエを見る。
自然環境下で、蒼炎、すなわち完全燃焼をしている炎は基本的に存在しない。
現象として広く知られてはいるが、それを見たことがある者はそう多くない。
そして、それを扱えるものとなると更に限られる。
アルスは魔力にも高い適性を持つ優秀な使い手だが、蒼炎を操ることは出来ない。
「うーん、僕にはよく分からないけど、温度を上げるだけなら青い火にこだわらなくても良いんじゃないの?」
『効率と媒介の問題じゃ。ある一定の温度を超えると、蒼炎でないと必要とされる魔力が際限なく増大していく。賢人種や精霊種などの魔法が得意な種族や上位種ならばともかく、我には無理じゃ。』
「へぇ、そうなんだ。・・・今更だけど、アルスの種族ってなんなの?霊体も見えないから、外見も分からないんだよね。」
『我か?我の種族は・・・・・・・・・』
何気無いシルヴァの問い。
それに答えようとして、しかしアルスは言葉を続けることが出来なかった。
「アルス?」
『・・・・・・・・思い、出せん。』
「え・・・?」
そのまま動きを止めてしまうアルス。
そして、それと同時。
「Jyaaaaaaaaaaaaa!!!!」
ヌエを縛っていた重力が消え失せる。咆哮と共に転がり身体を地面に擦り付けて、ヌエは炎から逃げた上で体の火を消す。
「ちょっ、アルス!?」
『っ、すまん!集中が途切れた!』
「こっちこそ、戦闘中に余計なこと聞いてごめんね!」
シルヴァはそう謝ると、ヌエに再度接近する。
そして体勢を整えようとしているヌエの、巨大な頭に向かって針爆弾でも炸裂弾でもない小さな爆弾を投げた。
直後、響き渡る轟音と閃光。
「Gryuaaaaa!!?」
突然目を潰すような光に晒され、ヌエは驚いたようにシルヴァ達から距離を取る。
『今のは・・・?』
「音と光で相手を怯ませる威嚇用の爆弾だよ。とは言っても、僕自身も情報を制限される奥の手だからあんまり数はないんだけど。」
『むぅ・・・すまぬ、世話をかけた。』
申し訳なさそうに言うアルスに、シルヴァは軽く笑って答える。
「気にしないで、さっきのは僕も悪い。とりあえず今は、ヌエを倒すことに集中しよう。」
『うむ、そうじゃな。して、手はあるか?』
「そうだなぁ・・・戦った感じ、ヌエは再生力はさほどでも無い。単純に、強靭な肉体で耐えているって感じなんだよね。・・・でも、多分1度でも転移されたら回復される可能性が高い。」
『なに?転移されたら回復するじゃと?』
シルヴァの言葉を、アルスは驚いたように聞き返す。
「あくまで推測だけどね。情報によるとヌエは、現れる度に頭と脚の数が変わる。でも、結構長時間戦ってるけど途中で姿が変わったりはしていない。で、さっき音と振動でヌエを索敵したときに分かったんだけど、やつは転移をして新たに姿を現すタイミングで姿を変えるみたいなんだ。」
『ほう・・・なるほど、転移による現出の際に肉体を再構成しているのか。』
「恐らくね。ヌエは長期的に千の蹄と戦ってきたはずなのに、今日最初に見た時には傷一つ無かった。重ねて推測になるけど・・・ヌエは表に出ている動物が傷付いたら、身体を構成する動物を他と物と変える。そして、表に出ていない動物は体の中で回復させる。って感じかな。まぁ、そこの推測は今は重要じゃないけど。」
シルヴァは改めてヌエを観察する。
「ともかく、ここで逃がすと与えたダメージが無駄になりかねない。逆に言えば、現在そこそこ損傷を与えているのに回復しないってことは転移無しで回復は出来ないんだと思う。」
『ふむ・・・つまり、単純に力で倒し切るしか無い、という話か?』
「いやまあ、色々端折って結論だけ言うとそうなるけど。」
アルスの単純極まる結論に、シルヴァは微妙な顔で頷いた。
「キメラ特有の弱点とかあるなら、僕よりアルスの方が詳しいはず。その上で僕に聞くって事は裏技みたいなのは使えないってことでしょ?」
『遺憾ではあるが、その通りじゃ。』
「んじゃあまあ、真っ向から倒すしか無いでしょ。幸い、火力不足は補える。僕とアルスならね。」
『ほう、言い切るのう。その根拠は?』
「言葉にするのは野暮ってものじゃない?それでも、あえて言葉にするのなら・・・」
シルヴァは楽しそうに笑う。
「僕たち2人なら、不可能は無い。」
『くくっ、大口を叩くのぅ。まだ付き合いも短いというに。』
アルスも思わず、と言った風に笑いを零す。
「付き合いの長さ以上に、感じ入るものがあったってことだよ。」
『まぁ、それは我も感じておる。よかろう、口車に乗ってやる。先程情けないところを見せたしの、汚名を返上するとしよう。』
アルスも改めて、眼前のヌエを見る。
体は傷つき、全身の毛皮が焦げているが、未だその体は生命力に溢れている。
「じゃ、行こうか。」
『うむ。合わせてやる、上手く使うのじゃぞ?』
「おっけー、上手いことやるよ。」
気負いもなくそう言い合うと。
薬師と錬金術師は、再びヌエとの戦闘を開始した。
上位元素を使用することにより、何かを介さなくても直接物を加工することは可能だが、それでも大多数の種族にとって炎は生活に欠かせないものである。
それだけ身近である故にか、炎を操る攻撃魔法は最も基本的な魔法のひとつとされている。
そして、基本的であるがゆえに練度がそのまま威力に現れ。
卓越した使い手の炎は、街ひとつさえ灰燼に帰す。
アルスの放った、正確には水晶から放たれた炎は、その凄まじい熱と光とは裏腹に範囲は極挟くヌエだけを包み込んでいた。
「「「Gya,gaaaaaaaaaaaaaa!!!!」」」
炎に包まれ呻き声を上げるヌエ。のたうち回ろうとするが、上から押さえつける過重力がそれを許さない。
「うわ、すっご・・・っていうか、僕まで熱いんだけど。」
全速力でアルスの元まで走ったシルヴァは、額に汗を浮かべながらそう呟く。
『我の魔力制御能力では、周囲の熱までは操れん。我慢せよ。』
「そうなんだ。まあ、仕方ないか。・・・この感じだと、アルス一人で良かったんじゃない?」
未だ炎の中で苦痛の呻きをあげているヌエを見ながら、シルヴァはからかうようにアルスにそう言う。
アルスはその言葉に、どこか不満そうに答える
『・・・わかって言っておるな?見ての通り、我ではヌエを殺しきれん。』
「あはは、ごめんごめん、怒らないでよ。ま、確かにあれだけの炎に包まれながら、まだ元気に呻いてるんだからね。炎だけじゃ無理っぽいかな。」
シルヴァの言葉通り、ヌエは苦痛の呻きを上げ続けている。
死体は声を出さないのだから、ヌエは当然まだ余力を残していることがわかる。
『蒼炎なら、あるいは・・・じゃが、我の魔力適性ではそこまで高度な攻撃魔法は使えん。使えるのは『蓮花の饗宴』・・・紅炎の攻撃魔法までじゃ。それも長続きはせん。』
アルスは苦々しくそう言いながらヌエを見る。
自然環境下で、蒼炎、すなわち完全燃焼をしている炎は基本的に存在しない。
現象として広く知られてはいるが、それを見たことがある者はそう多くない。
そして、それを扱えるものとなると更に限られる。
アルスは魔力にも高い適性を持つ優秀な使い手だが、蒼炎を操ることは出来ない。
「うーん、僕にはよく分からないけど、温度を上げるだけなら青い火にこだわらなくても良いんじゃないの?」
『効率と媒介の問題じゃ。ある一定の温度を超えると、蒼炎でないと必要とされる魔力が際限なく増大していく。賢人種や精霊種などの魔法が得意な種族や上位種ならばともかく、我には無理じゃ。』
「へぇ、そうなんだ。・・・今更だけど、アルスの種族ってなんなの?霊体も見えないから、外見も分からないんだよね。」
『我か?我の種族は・・・・・・・・・』
何気無いシルヴァの問い。
それに答えようとして、しかしアルスは言葉を続けることが出来なかった。
「アルス?」
『・・・・・・・・思い、出せん。』
「え・・・?」
そのまま動きを止めてしまうアルス。
そして、それと同時。
「Jyaaaaaaaaaaaaa!!!!」
ヌエを縛っていた重力が消え失せる。咆哮と共に転がり身体を地面に擦り付けて、ヌエは炎から逃げた上で体の火を消す。
「ちょっ、アルス!?」
『っ、すまん!集中が途切れた!』
「こっちこそ、戦闘中に余計なこと聞いてごめんね!」
シルヴァはそう謝ると、ヌエに再度接近する。
そして体勢を整えようとしているヌエの、巨大な頭に向かって針爆弾でも炸裂弾でもない小さな爆弾を投げた。
直後、響き渡る轟音と閃光。
「Gryuaaaaa!!?」
突然目を潰すような光に晒され、ヌエは驚いたようにシルヴァ達から距離を取る。
『今のは・・・?』
「音と光で相手を怯ませる威嚇用の爆弾だよ。とは言っても、僕自身も情報を制限される奥の手だからあんまり数はないんだけど。」
『むぅ・・・すまぬ、世話をかけた。』
申し訳なさそうに言うアルスに、シルヴァは軽く笑って答える。
「気にしないで、さっきのは僕も悪い。とりあえず今は、ヌエを倒すことに集中しよう。」
『うむ、そうじゃな。して、手はあるか?』
「そうだなぁ・・・戦った感じ、ヌエは再生力はさほどでも無い。単純に、強靭な肉体で耐えているって感じなんだよね。・・・でも、多分1度でも転移されたら回復される可能性が高い。」
『なに?転移されたら回復するじゃと?』
シルヴァの言葉を、アルスは驚いたように聞き返す。
「あくまで推測だけどね。情報によるとヌエは、現れる度に頭と脚の数が変わる。でも、結構長時間戦ってるけど途中で姿が変わったりはしていない。で、さっき音と振動でヌエを索敵したときに分かったんだけど、やつは転移をして新たに姿を現すタイミングで姿を変えるみたいなんだ。」
『ほう・・・なるほど、転移による現出の際に肉体を再構成しているのか。』
「恐らくね。ヌエは長期的に千の蹄と戦ってきたはずなのに、今日最初に見た時には傷一つ無かった。重ねて推測になるけど・・・ヌエは表に出ている動物が傷付いたら、身体を構成する動物を他と物と変える。そして、表に出ていない動物は体の中で回復させる。って感じかな。まぁ、そこの推測は今は重要じゃないけど。」
シルヴァは改めてヌエを観察する。
「ともかく、ここで逃がすと与えたダメージが無駄になりかねない。逆に言えば、現在そこそこ損傷を与えているのに回復しないってことは転移無しで回復は出来ないんだと思う。」
『ふむ・・・つまり、単純に力で倒し切るしか無い、という話か?』
「いやまあ、色々端折って結論だけ言うとそうなるけど。」
アルスの単純極まる結論に、シルヴァは微妙な顔で頷いた。
「キメラ特有の弱点とかあるなら、僕よりアルスの方が詳しいはず。その上で僕に聞くって事は裏技みたいなのは使えないってことでしょ?」
『遺憾ではあるが、その通りじゃ。』
「んじゃあまあ、真っ向から倒すしか無いでしょ。幸い、火力不足は補える。僕とアルスならね。」
『ほう、言い切るのう。その根拠は?』
「言葉にするのは野暮ってものじゃない?それでも、あえて言葉にするのなら・・・」
シルヴァは楽しそうに笑う。
「僕たち2人なら、不可能は無い。」
『くくっ、大口を叩くのぅ。まだ付き合いも短いというに。』
アルスも思わず、と言った風に笑いを零す。
「付き合いの長さ以上に、感じ入るものがあったってことだよ。」
『まぁ、それは我も感じておる。よかろう、口車に乗ってやる。先程情けないところを見せたしの、汚名を返上するとしよう。』
アルスも改めて、眼前のヌエを見る。
体は傷つき、全身の毛皮が焦げているが、未だその体は生命力に溢れている。
「じゃ、行こうか。」
『うむ。合わせてやる、上手く使うのじゃぞ?』
「おっけー、上手いことやるよ。」
気負いもなくそう言い合うと。
薬師と錬金術師は、再びヌエとの戦闘を開始した。
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