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弟side1
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姉に婚約の話が来たと父から聞かされた。
姉はそんな人がいるという素振りを全然見せなかったので、2人で驚いたものだ。
聞けば小さい頃からよく遊んでいた彼。
ああ、ただの友達だと思っていたけれど俺の知らない所で2人はそう言う関係だったのかとショックを受けた。
婚約話に最初は何故か姉も驚いていたが、彼と婚約者として対面すると決まった時には少し嬉しそうにしていた。
姉が幸せならば問題無い。
珍しく姉が怒っているようだった。普段は滅多な事では怒らない穏やかな姉。
・・・確か今日は彼と会っていたはずなんだが。
「姉さん今日は彼と会っていたんだよね?久し振りに会ってどうだった?」
そう聞いた俺に姉は今まで見せた事の無い歪んだ笑みを見せた。
「ええ、会っていたわ。久し振りに会ってとても変わっていたわ・・・見た目も中身もね」
それだけ言うと姉は自分の部屋へと戻って行った。
・・・とても婚約者に会って喜んでいる様子では無かった。
それからしばらく経ったある日俺は姉に呼び出された。ここは街の教会。
・・・結婚式の下見だろうか?
俺は恐る恐る教会の扉を開くするとそこには姉と神官の姿が・・・。
「姉さん」
俺が声を掛けると楽しそうに微笑む姉がいた。うん、やっぱり結婚式の話をしに来たんだなとその時は思ったのに・・・!
「何なんだ!このふざけた契約書」
俺は姉が婚約者から突き付けられた契約書を見ながら声を荒げた。
「ここは教会なんだからそんなに声を荒らげてはダメよ」
「!何で姉さんはそんなに冷静なの!」
あまりにも普段通りの姉に思わず怒鳴ってしまった。
「こんな婚約今すぐ破棄するべきだよ!姉さんを馬鹿にし過ぎている!」
何なんだ一体!何だこの契約書!
「彼の方には私と婚約破棄する意思が無いから・・・私の方から婚約破棄を言い出すと莫大なお金を彼に払わなければならない・・・折角喜んでいる両親を驚かせたくは無い・・・このまま彼と結婚するわ」
どんな気持ちでそんな事を言っているんだと姉の顔を見れば・・・姉はとても楽しそうに微笑んでいる。
「姉さん、何か楽しそうな事を考えているんじゃないの?」
その時姉は明確に答えなかったが、俺には姉があの男に復讐しようとしている事が分かった。
「俺はなんでも手伝うよ」
それだけ言うと姉はとても嬉しそうに笑ってくれた。
それから神官の立ち会いの元あのふざけた契約書は正式な契約書となった。俺があの男の家をいずれ継ぐ事もその時正式に書面にした。
姉とあの男の結婚式。俺達の両親もあの男の両親もとても嬉しそうだ。
ウェディングドレス姿の姉は今まで1番綺麗だったが隣にあの男がいるのが我慢ならなかった・・・。
本当なら好きな相手とこの場所に立つはずだった姉。何でこんな事になったんだ!
あの男はこんなに綺麗な姉を見て何も思わないのだろうか。
少しでも罪悪感があるなら!今からでもこの結婚を取り止めにしてくれ。
俺のそんな願いも虚しく姉はあの男の元に嫁いでしまった。
絶対に幸せになれるはずも無い相手の所に・・・。
姉が嫁いで暫く経ってある噂が流れ始める
結婚したばかりの侯爵が新妻を放ったらかしにして家には帰っていないと言う噂。
それはそうだ、元々そう言う契約で姉はあの男に嫁いだのだから。
あの男がどれだけ愚かな男なのか周りの奴らに言ってやりたかったが姉は喜ばないだろうと思い何とか耐えた。
姉から外ではどんな風に噂が流れているか教えて欲しいと手紙が来た。
少々気は引けたがこの手紙を読んで姉が帰って来てくれたらいいと思い全て正直に書いた。
結果姉が戻って来る事にはならなかったが感謝の手紙が届いた。
姉がどうやって仕返ししようとしているのか分からないけど、取り敢えずは1発殴ればいいと思うんだよね。俺は。
姉はそんな人がいるという素振りを全然見せなかったので、2人で驚いたものだ。
聞けば小さい頃からよく遊んでいた彼。
ああ、ただの友達だと思っていたけれど俺の知らない所で2人はそう言う関係だったのかとショックを受けた。
婚約話に最初は何故か姉も驚いていたが、彼と婚約者として対面すると決まった時には少し嬉しそうにしていた。
姉が幸せならば問題無い。
珍しく姉が怒っているようだった。普段は滅多な事では怒らない穏やかな姉。
・・・確か今日は彼と会っていたはずなんだが。
「姉さん今日は彼と会っていたんだよね?久し振りに会ってどうだった?」
そう聞いた俺に姉は今まで見せた事の無い歪んだ笑みを見せた。
「ええ、会っていたわ。久し振りに会ってとても変わっていたわ・・・見た目も中身もね」
それだけ言うと姉は自分の部屋へと戻って行った。
・・・とても婚約者に会って喜んでいる様子では無かった。
それからしばらく経ったある日俺は姉に呼び出された。ここは街の教会。
・・・結婚式の下見だろうか?
俺は恐る恐る教会の扉を開くするとそこには姉と神官の姿が・・・。
「姉さん」
俺が声を掛けると楽しそうに微笑む姉がいた。うん、やっぱり結婚式の話をしに来たんだなとその時は思ったのに・・・!
「何なんだ!このふざけた契約書」
俺は姉が婚約者から突き付けられた契約書を見ながら声を荒げた。
「ここは教会なんだからそんなに声を荒らげてはダメよ」
「!何で姉さんはそんなに冷静なの!」
あまりにも普段通りの姉に思わず怒鳴ってしまった。
「こんな婚約今すぐ破棄するべきだよ!姉さんを馬鹿にし過ぎている!」
何なんだ一体!何だこの契約書!
「彼の方には私と婚約破棄する意思が無いから・・・私の方から婚約破棄を言い出すと莫大なお金を彼に払わなければならない・・・折角喜んでいる両親を驚かせたくは無い・・・このまま彼と結婚するわ」
どんな気持ちでそんな事を言っているんだと姉の顔を見れば・・・姉はとても楽しそうに微笑んでいる。
「姉さん、何か楽しそうな事を考えているんじゃないの?」
その時姉は明確に答えなかったが、俺には姉があの男に復讐しようとしている事が分かった。
「俺はなんでも手伝うよ」
それだけ言うと姉はとても嬉しそうに笑ってくれた。
それから神官の立ち会いの元あのふざけた契約書は正式な契約書となった。俺があの男の家をいずれ継ぐ事もその時正式に書面にした。
姉とあの男の結婚式。俺達の両親もあの男の両親もとても嬉しそうだ。
ウェディングドレス姿の姉は今まで1番綺麗だったが隣にあの男がいるのが我慢ならなかった・・・。
本当なら好きな相手とこの場所に立つはずだった姉。何でこんな事になったんだ!
あの男はこんなに綺麗な姉を見て何も思わないのだろうか。
少しでも罪悪感があるなら!今からでもこの結婚を取り止めにしてくれ。
俺のそんな願いも虚しく姉はあの男の元に嫁いでしまった。
絶対に幸せになれるはずも無い相手の所に・・・。
姉が嫁いで暫く経ってある噂が流れ始める
結婚したばかりの侯爵が新妻を放ったらかしにして家には帰っていないと言う噂。
それはそうだ、元々そう言う契約で姉はあの男に嫁いだのだから。
あの男がどれだけ愚かな男なのか周りの奴らに言ってやりたかったが姉は喜ばないだろうと思い何とか耐えた。
姉から外ではどんな風に噂が流れているか教えて欲しいと手紙が来た。
少々気は引けたがこの手紙を読んで姉が帰って来てくれたらいいと思い全て正直に書いた。
結果姉が戻って来る事にはならなかったが感謝の手紙が届いた。
姉がどうやって仕返ししようとしているのか分からないけど、取り敢えずは1発殴ればいいと思うんだよね。俺は。
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