2 / 13
2
しおりを挟む
その日は朝から森の様子が違っていた。なんだか森全体が不安そうにざわめいている。
モーリー達魔物。ジル達動物。
皆不安なのか私の住む家の周りに集まって来ていた。
「ジル、今日の森どうしたんだろう」
私はジルを抱き上げる。
《……》
ジルは何も言わない。
「……何か知っているの?」
ジルは何か知っている。ただの勘だが何故だかそう思う。
《実は今回の旅に出てすぐに乗った馬車の人間が言っていたんだが。今、人間の世界。この森の外は豪雨などの自然災害に病気なども流行って沢山の人々に被害が出ているらしく、その原因がこの森の魔物達だと噂していた。根もはもない噂だと思っていたが……。その時国王の軍がこの森に攻めいると言っていた。もしかしたらその軍とやらが来たのかもしれん》
「そんな!ひどい!」
それが本当だったらどうしたら!
ここの魔物達は良い子ばかりで動物達とも仲良く暮らしている。そんな悪い事この子達のせいじゃない!
何とかしないと。でも一体どうしたら?
「ジルどうしよう……!」
そんな私達を見て魔物の皆にも動揺が広がっていった。
《ティア、ちょっと落ち着くんじゃ……お前が動揺すると森が不安がる》
はっ!そうだ!落ち着かなきゃ。
私には何だか不思議な力があって私の気持ちが森に影響する。
小さい頃は森で迷子になって泣いてよく森に嵐を起こしたものだ。
私は気持ちを落ち着かせる。すると先程までざわめいていた森が少し穏やかになった。
さてこれからどうしよう。
私は周りを見渡す。こんなに優しい子達に手出しをさせる訳にはいかない、どうにかしてこの子達が危なくない事を分かってもらわないと。
……!!!そうだ!私は人間なんだから私がこうして暮らしていることが、この子達が危なくない証拠になるはずだ!
そうと決まれば急がなくては!
「ジル!私ちょっと行ってくる!」
そして私は森の外へ向かって走り出した。
《ティア!待て!何処へ行くのだ?危険じゃ!戻ってこい!》
後ろからジルの必死な声が聞こえたが構っている暇はない。早く早く!王の軍?とやらが森に入ってくる前に!
モーリー達魔物。ジル達動物。
皆不安なのか私の住む家の周りに集まって来ていた。
「ジル、今日の森どうしたんだろう」
私はジルを抱き上げる。
《……》
ジルは何も言わない。
「……何か知っているの?」
ジルは何か知っている。ただの勘だが何故だかそう思う。
《実は今回の旅に出てすぐに乗った馬車の人間が言っていたんだが。今、人間の世界。この森の外は豪雨などの自然災害に病気なども流行って沢山の人々に被害が出ているらしく、その原因がこの森の魔物達だと噂していた。根もはもない噂だと思っていたが……。その時国王の軍がこの森に攻めいると言っていた。もしかしたらその軍とやらが来たのかもしれん》
「そんな!ひどい!」
それが本当だったらどうしたら!
ここの魔物達は良い子ばかりで動物達とも仲良く暮らしている。そんな悪い事この子達のせいじゃない!
何とかしないと。でも一体どうしたら?
「ジルどうしよう……!」
そんな私達を見て魔物の皆にも動揺が広がっていった。
《ティア、ちょっと落ち着くんじゃ……お前が動揺すると森が不安がる》
はっ!そうだ!落ち着かなきゃ。
私には何だか不思議な力があって私の気持ちが森に影響する。
小さい頃は森で迷子になって泣いてよく森に嵐を起こしたものだ。
私は気持ちを落ち着かせる。すると先程までざわめいていた森が少し穏やかになった。
さてこれからどうしよう。
私は周りを見渡す。こんなに優しい子達に手出しをさせる訳にはいかない、どうにかしてこの子達が危なくない事を分かってもらわないと。
……!!!そうだ!私は人間なんだから私がこうして暮らしていることが、この子達が危なくない証拠になるはずだ!
そうと決まれば急がなくては!
「ジル!私ちょっと行ってくる!」
そして私は森の外へ向かって走り出した。
《ティア!待て!何処へ行くのだ?危険じゃ!戻ってこい!》
後ろからジルの必死な声が聞こえたが構っている暇はない。早く早く!王の軍?とやらが森に入ってくる前に!
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない
たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。
何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話
三度の飯より犬好きな悪役令嬢は辺境で犬とスローライフがしたい
平山和人
恋愛
名門貴族であるコーネリア家の一人娘、クロエは容姿端麗、文武両道な才女として名を馳せている。
そんな彼女の秘密は大の犬好き。しかし、コーネリア家の令嬢として相応しい人物になるべく、その事は周囲には秘密にしている。
そんなある日、クロエに第一王子ラインハルトとの婚約話が持ち上がる。王子と婚約してしまったら犬と遊ぶ時間が無くなってしまう。
そう危惧したクロエはなんとしても婚約を破棄し、今まで通り犬を飼える立場になろうと企む。
学園の王子に気に入られたようですが、この関係って王子と侍女ですよね?-六花の恋3ー【完】
桜月真澄
恋愛
桜の花びらを摑もうとしていた那也を見つけた由羽。
最初は面白い子を見つけた、程度に思っていたけど……。
+++
六花の恋シリーズ第三話!
さゆと晃の息子のお話……
タイトルを『六花の恋3-俺の運命はこの子だけです。-』から変更しました。
六花の恋シリーズは一話ごとに主人公がかわりますので
どこから読んでいただいても大丈夫です!
表紙にある順番は、時系列順になります。
+++
司由羽
Tsukasa Yuu
咲雪と晃の長男。
高1。
父に似てダウナー。
王子扱いされている。
遠江那也
Toutoumi Naya
姉御肌というかもはや母親気質。
学園のアイドルくんの幼馴染。
司菜雪
Tsukasa Nayuki
咲雪の妹。
由羽の同い年の叔母。
学校では由羽とはイトコで通していて、周囲からは由羽と景が王子、菜雪は姫と呼ばれている。
雪村景
Yukimura Kei
晃の弟。
由羽の同い年の叔父。
菜雪一筋。
松永学
Matsunaga Manabu
学園のアイドルくん。
桑折日菜
Koori Hina
???
司羽咲
Tsukasa Usa
由羽の妹。
中二。
2022.6.27~7.5
Sakuragi
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄されたので、契約不履行により、秘密を明かします
tartan321
恋愛
婚約はある種の口止めだった。
だが、その婚約が破棄されてしまった以上、効力はない。しかも、婚約者は、悪役令嬢のスーザンだったのだ。
「へへへ、全部話しちゃいますか!!!」
悪役令嬢っぷりを発揮します!!!
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる