9 / 39
8
しおりを挟む
あれから更に月日がたち私は15才になった。
15才にもなると流石に断れない夜会というものも出てくるもので今日の夜会がそれである。
この世界は15才で必ず社交界デビューをする、例外なく全員が。
私の憂鬱な気分に反してビアンカは朝からご機嫌だ。
「お嬢様を思う存分着飾れるなんて久しぶりですわ!うふふふふ」
満面の笑である。
ドレスやアクセサリーを選んでいるビアンカの背に
「そんな頑張らなくても、あの、ふつうよりましかな?ぐらいで大丈夫」
ニッッッッコリ!!!
笑顔怖いです。
あ、うん、その、はい。
サカライマセン。
朝からお風呂、香油でマッサージ。
髪も入念にブラッシング。色も元の金髪に戻させられた。今日は化粧もいつもより念入りにされた。それでも元がいいからこれでも薄いほうだと言われた。
…マジか。
そんなこんなでドレスを纏い(ちなみに今日のドレスはお父様とお母様がデビュー用にと用意してくださった薄い紫色だ)
髪を丁寧に結われやっと完成した。
鏡の中にはいつもと別人のような美しく華やかな私。透き通るような白い肌(引きこもりだから)赤く魅惑的な唇、それに眼鏡……。
いい感じだ!やっぱり眼鏡だ!
折角のドレス姿を半分以下な感じにしてくれている。ふふふ。
あーなんか楽しくなってきた!
今日は思う存分壁の華になろうっと!
おっとそろそろ時間だ。私は
「言ってくるわ」
とビアンカに告げ部屋を出ようと思ったその瞬間!
「お嬢様!お待ち下さい」
ビアンカが扉の前に立ち塞がる。
「まだ何か準備があるの?」
私は自分のドレスを見ながら言う。
するとビアンカは犬にお手をさせるかの如くてを差し出してくる。
首を傾げながらその手に自分の手をのせると
「違います!お嬢様、眼鏡は置いていって下さい!」
え……………、えーーーーー!
「えーーー、ムリムリムリ!」
眼鏡を押さえながら後ずさる
ジリジリ……ジリジリ私達はにらみ会う。
「お嬢様、観念してください」
暫く私達は追いかけっこするがごとく部屋のなかを走り回る、しかしわたしは引きこもり。毎日働いて体力のあるビアンカに敵う訳もなくあっけなく捕まり眼鏡を取られた。
さっきまでの何だか楽しくなってきた気持ちは消え失せ一気に地獄の底に突き落とされたように憂鬱になった。
15才にもなると流石に断れない夜会というものも出てくるもので今日の夜会がそれである。
この世界は15才で必ず社交界デビューをする、例外なく全員が。
私の憂鬱な気分に反してビアンカは朝からご機嫌だ。
「お嬢様を思う存分着飾れるなんて久しぶりですわ!うふふふふ」
満面の笑である。
ドレスやアクセサリーを選んでいるビアンカの背に
「そんな頑張らなくても、あの、ふつうよりましかな?ぐらいで大丈夫」
ニッッッッコリ!!!
笑顔怖いです。
あ、うん、その、はい。
サカライマセン。
朝からお風呂、香油でマッサージ。
髪も入念にブラッシング。色も元の金髪に戻させられた。今日は化粧もいつもより念入りにされた。それでも元がいいからこれでも薄いほうだと言われた。
…マジか。
そんなこんなでドレスを纏い(ちなみに今日のドレスはお父様とお母様がデビュー用にと用意してくださった薄い紫色だ)
髪を丁寧に結われやっと完成した。
鏡の中にはいつもと別人のような美しく華やかな私。透き通るような白い肌(引きこもりだから)赤く魅惑的な唇、それに眼鏡……。
いい感じだ!やっぱり眼鏡だ!
折角のドレス姿を半分以下な感じにしてくれている。ふふふ。
あーなんか楽しくなってきた!
今日は思う存分壁の華になろうっと!
おっとそろそろ時間だ。私は
「言ってくるわ」
とビアンカに告げ部屋を出ようと思ったその瞬間!
「お嬢様!お待ち下さい」
ビアンカが扉の前に立ち塞がる。
「まだ何か準備があるの?」
私は自分のドレスを見ながら言う。
するとビアンカは犬にお手をさせるかの如くてを差し出してくる。
首を傾げながらその手に自分の手をのせると
「違います!お嬢様、眼鏡は置いていって下さい!」
え……………、えーーーーー!
「えーーー、ムリムリムリ!」
眼鏡を押さえながら後ずさる
ジリジリ……ジリジリ私達はにらみ会う。
「お嬢様、観念してください」
暫く私達は追いかけっこするがごとく部屋のなかを走り回る、しかしわたしは引きこもり。毎日働いて体力のあるビアンカに敵う訳もなくあっけなく捕まり眼鏡を取られた。
さっきまでの何だか楽しくなってきた気持ちは消え失せ一気に地獄の底に突き落とされたように憂鬱になった。
0
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
攻略対象の王子様は放置されました
白生荼汰
恋愛
……前回と違う。
お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。
今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。
小説家になろうにも投稿してます。
真実の愛に目覚めた伯爵令嬢と公爵子息
藤森フクロウ
恋愛
女伯爵であった母のエチェカリーナが亡くなり、父は愛人を本宅に呼んで異母姉妹が中心となっていく。
どんどん居場所がなくなり落ち込むベアトリーゼはその日、運命の人に出会った。
内気な少女が、好きな人に出会って成長し強くなっていく話。
シリアスは添え物で、初恋にパワフルに突き進むとある令嬢の話。女子力(物理)。
サクッと呼んで、息抜きにすかっとしたい人向け。
純愛のつもりですが、何故か電車やバスなどの公共施設や職場では読まないことをお薦めしますというお言葉を頂きました。
転生要素は薄味で、ヒロインは尽くす系の一途です。
一日一話ずつ更新で、主人公視点が終わった後で別視点が入る予定です。
そっちはクロードの婚約裏話ルートです。
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
破滅は皆さんご一緒に?
しゃーりん
恋愛
帰宅途中、何者かに連れ去られたサラシュ。
そのことを知った婚約者ボーデンは夜会の最中に婚約破棄を言い渡す。
ボーデンのことは嫌いだが、婚約者として我慢をしてきた。
しかし、あまりの言い草に我慢することがアホらしくなった。
この場でボーデンの所業を暴露して周りも一緒に破滅してもらいましょう。
自分も破滅覚悟で静かにキレた令嬢のお話です。
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる