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ちょっと反撃されてみた?
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「じゃあ続けさせていただきますわ」
私はそう言ってまた愛のメモリーを手に取るとページを捲る。
「前回心を通わせる事になった二人、いよいよ愛を育む日々が始まります。二人が人目も憚らず見苦しくもイチャイチャとするのは決まって学園の中庭でした。素晴らしい中庭の景観を著しく汚すお二人の逢瀬…」
と私がそこまで言うとまたしてもウィルが喚きだす。
「な、な、な、なんで…なんでお前がメリルと俺の会っている場所を知っているんだ!」
「そ、そうよ!何なの?いっっつも私達の事を見ていたの?やだぁ気持ち悪い」
それに乗っかるように、ここぞとばかりに私に向かいキャンキャンと喚き出すメリルさん。
「さっきも興味ないみたいな事を言ってたくせに!やっぱりこれだけ私達二人の事を知っているのだから貴方が私を虐めていたのは確実よ!だってそうでしょ?自分の婚約者と仲良くしてる女なんて許せないでしょ?」
と勝ち誇ったような顔で言い出した。
「一応私達だって貴方に気を使ってこっそり会っていたのよ?だって自分の婚約者が他の女に好きだって言っているのを聞いたら貴方が泣いちゃうかもしれないし?うふふ」
「そうだ!俺たちはお前に気付かれないように会っていた!それなのにこんなにも事細かに知っているというのは…お前、ずっと俺に付き纏っていたんだな!そして隙を見てメリルを虐めていたんだろう!」
そしてウィルはドヤ顔で私をまた指さした。
「あら、まあまあまあまあ!もしや本当にお二人が会っているのを皆知らないと思っていたのですか?」
私のその言葉にウィルとメリルさんは「えっ?」と小さく呟いた。
「お二人は何故自分達のやっている事を皆が知らないと思ったのですか?」
私は1つため息をつきながら二人にたずねる。
「えっ、だって…いつも誰も近付かない中庭で…」
「そ、そう。本当は大っぴらに会いたいのを我慢していつも人気のない所で…」
「……………………それ、本気で言ってます?本気で学園の中庭が人目につかないと?」
「だ、だって、いつも誰もいないし」
「それはそうでしょう、だってお二人はいつも授業中に会ってましたからね。皆が授業しているのに人が来る訳無いじゃないですか」
「…それでも、人が居ないことには変わりないわ!」
まあ、それはそうなんですけれどね。
「あそこは授業をしている教室からは丸見えなんですよ?本当の本当に知らなかったのですか?」
私のその言葉にまさかと二人は顔を見合わせた。
「いや、こっちがまさかなんですけれど……」
私のその言葉に二人は仲良くこちらを向いた。
そんな二人に私は満面の笑みを向けて…。
「この会場にいる皆様…知っていますよ?」
そう言った私に二人は仲良く「「う、嘘」」と呟いていた。
まさかここまで(良くも悪くも)お似合いの二人はとは思っていなかったけれど…どうやら分かって頂けたようですし…早く愛のメモリーの続きを聞いて貰わなくちゃ。
私はそう言ってまた愛のメモリーを手に取るとページを捲る。
「前回心を通わせる事になった二人、いよいよ愛を育む日々が始まります。二人が人目も憚らず見苦しくもイチャイチャとするのは決まって学園の中庭でした。素晴らしい中庭の景観を著しく汚すお二人の逢瀬…」
と私がそこまで言うとまたしてもウィルが喚きだす。
「な、な、な、なんで…なんでお前がメリルと俺の会っている場所を知っているんだ!」
「そ、そうよ!何なの?いっっつも私達の事を見ていたの?やだぁ気持ち悪い」
それに乗っかるように、ここぞとばかりに私に向かいキャンキャンと喚き出すメリルさん。
「さっきも興味ないみたいな事を言ってたくせに!やっぱりこれだけ私達二人の事を知っているのだから貴方が私を虐めていたのは確実よ!だってそうでしょ?自分の婚約者と仲良くしてる女なんて許せないでしょ?」
と勝ち誇ったような顔で言い出した。
「一応私達だって貴方に気を使ってこっそり会っていたのよ?だって自分の婚約者が他の女に好きだって言っているのを聞いたら貴方が泣いちゃうかもしれないし?うふふ」
「そうだ!俺たちはお前に気付かれないように会っていた!それなのにこんなにも事細かに知っているというのは…お前、ずっと俺に付き纏っていたんだな!そして隙を見てメリルを虐めていたんだろう!」
そしてウィルはドヤ顔で私をまた指さした。
「あら、まあまあまあまあ!もしや本当にお二人が会っているのを皆知らないと思っていたのですか?」
私のその言葉にウィルとメリルさんは「えっ?」と小さく呟いた。
「お二人は何故自分達のやっている事を皆が知らないと思ったのですか?」
私は1つため息をつきながら二人にたずねる。
「えっ、だって…いつも誰も近付かない中庭で…」
「そ、そう。本当は大っぴらに会いたいのを我慢していつも人気のない所で…」
「……………………それ、本気で言ってます?本気で学園の中庭が人目につかないと?」
「だ、だって、いつも誰もいないし」
「それはそうでしょう、だってお二人はいつも授業中に会ってましたからね。皆が授業しているのに人が来る訳無いじゃないですか」
「…それでも、人が居ないことには変わりないわ!」
まあ、それはそうなんですけれどね。
「あそこは授業をしている教室からは丸見えなんですよ?本当の本当に知らなかったのですか?」
私のその言葉にまさかと二人は顔を見合わせた。
「いや、こっちがまさかなんですけれど……」
私のその言葉に二人は仲良くこちらを向いた。
そんな二人に私は満面の笑みを向けて…。
「この会場にいる皆様…知っていますよ?」
そう言った私に二人は仲良く「「う、嘘」」と呟いていた。
まさかここまで(良くも悪くも)お似合いの二人はとは思っていなかったけれど…どうやら分かって頂けたようですし…早く愛のメモリーの続きを聞いて貰わなくちゃ。
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