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まだ続く婚約破棄
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「兎に角お前のような性格の悪い女とは婚約破棄だ!お前がどれだけ泣いて縋ろうとも覆す事は無い!」
「そうなんですね、分かりました!まあ、この婚約自体が政略的なものでしたから両家の許可を貰わないと正式には婚約がなかった事にはなりませんが、これだけの皆様の前で婚約破棄するとウィルが言ったのですものこのまま続けていくのも難しいと思いますし…もしも…があったとしてもこれだけの証人がいれば私達が本当にこの婚約を無かった事にしたがっていたと証言して下さる事でしょうし!良かったですね、これでもう私を婚約者だと呼ばなくても良くなりましたよ!私ももうウィルの事はずっーーーーっと長い間心の中でペットの様に思って何とかギリギリ我慢していたので、婚約者と呼ばなくて良くなって本当に嬉しいです!」
私のその言葉に会場から一瞬音が消えた。
…?どうしたのかしら?そしてまたウィルが拳を握りしめプルプルと震えていた。
!やっと婚約破棄出来て感激しているのね!もう本当に感激屋さんなんだから。
私はずっと心の中でウィルと呼んでいたお手さえも出来ない物覚えの悪い犬の頭を撫で首輪を外しメリルさんに譲り渡した。
「ご自分の婚約者をペットと呼ぶなんてやっぱり性格悪いですねぇ」
そこに場違いとも言えるような甲高い声がする。ウィルの腕に自らの腕を絡めて見るからに媚びを売っているような上目遣いでウィルを見上げるその少女こそメリル。
「ウィルやっと婚約破棄出来たのね!メリル嬉しい!これからはずっとずっと一緒にいられるのね!」
メリルのその言葉で覚醒したウィルは今までの発言からのダメージを忘れ去ったかのようなでれっとした顔をしてメリルの肩を抱いた。
「やはり俺のメリルは可愛いなぁ。何処ぞの顔だけ綺麗な元婚約者とは違う!」
「あら、まあ、好きな人の前で元婚約者の私を綺麗と褒めるなんてダメですよ?」
「別に褒めてない!お前には皮肉も通用しないのか!」
「あら、皮肉なんてそんな難しい言葉よく知っていたわね、すごいわ!でもそんな事に頭を使わないで普段のお勉強にもっと頭を使わないと…ね?貴方の成績が悪すぎて私がどれだけ先生から泣きつかれたか……まあ、それも今となってはいい思い出ね。うふふ」
私がそう言うとメリルがさも悲しそうに泣き真似をしだす。
「嫌だわシエラ様こわぁい。元とはいえ婚約者だった方にそんな事言うなんてぇ。私も…ずっとシエラ様に色々言われてたんですぅ。ほんとに怖かったぁ」
「よしよし大丈夫だメリル!この場でこの性格の悪い女の本性を暴いてやる!」
そう言って何処ぞのヒーロー気取りで格好付けながら私を指さすウィル。
「もう、愛するメリルさんの前で格好付けたい気持ちは分かりますけれど…人を指さしてはいけませんよ?」
そう言って私を指さすウィルの指をもう折れるんじゃないかと言うほどウィルの方へ向けて折り曲げた。
「い、いたたたたたた!ごめんって!もう指ささないから!」
子供の頃のように涙目で謝るウィルに「わかって下されば宜しいんですよ」
そう言って私は満足気に微笑んだ。
「そうなんですね、分かりました!まあ、この婚約自体が政略的なものでしたから両家の許可を貰わないと正式には婚約がなかった事にはなりませんが、これだけの皆様の前で婚約破棄するとウィルが言ったのですものこのまま続けていくのも難しいと思いますし…もしも…があったとしてもこれだけの証人がいれば私達が本当にこの婚約を無かった事にしたがっていたと証言して下さる事でしょうし!良かったですね、これでもう私を婚約者だと呼ばなくても良くなりましたよ!私ももうウィルの事はずっーーーーっと長い間心の中でペットの様に思って何とかギリギリ我慢していたので、婚約者と呼ばなくて良くなって本当に嬉しいです!」
私のその言葉に会場から一瞬音が消えた。
…?どうしたのかしら?そしてまたウィルが拳を握りしめプルプルと震えていた。
!やっと婚約破棄出来て感激しているのね!もう本当に感激屋さんなんだから。
私はずっと心の中でウィルと呼んでいたお手さえも出来ない物覚えの悪い犬の頭を撫で首輪を外しメリルさんに譲り渡した。
「ご自分の婚約者をペットと呼ぶなんてやっぱり性格悪いですねぇ」
そこに場違いとも言えるような甲高い声がする。ウィルの腕に自らの腕を絡めて見るからに媚びを売っているような上目遣いでウィルを見上げるその少女こそメリル。
「ウィルやっと婚約破棄出来たのね!メリル嬉しい!これからはずっとずっと一緒にいられるのね!」
メリルのその言葉で覚醒したウィルは今までの発言からのダメージを忘れ去ったかのようなでれっとした顔をしてメリルの肩を抱いた。
「やはり俺のメリルは可愛いなぁ。何処ぞの顔だけ綺麗な元婚約者とは違う!」
「あら、まあ、好きな人の前で元婚約者の私を綺麗と褒めるなんてダメですよ?」
「別に褒めてない!お前には皮肉も通用しないのか!」
「あら、皮肉なんてそんな難しい言葉よく知っていたわね、すごいわ!でもそんな事に頭を使わないで普段のお勉強にもっと頭を使わないと…ね?貴方の成績が悪すぎて私がどれだけ先生から泣きつかれたか……まあ、それも今となってはいい思い出ね。うふふ」
私がそう言うとメリルがさも悲しそうに泣き真似をしだす。
「嫌だわシエラ様こわぁい。元とはいえ婚約者だった方にそんな事言うなんてぇ。私も…ずっとシエラ様に色々言われてたんですぅ。ほんとに怖かったぁ」
「よしよし大丈夫だメリル!この場でこの性格の悪い女の本性を暴いてやる!」
そう言って何処ぞのヒーロー気取りで格好付けながら私を指さすウィル。
「もう、愛するメリルさんの前で格好付けたい気持ちは分かりますけれど…人を指さしてはいけませんよ?」
そう言って私を指さすウィルの指をもう折れるんじゃないかと言うほどウィルの方へ向けて折り曲げた。
「い、いたたたたたた!ごめんって!もう指ささないから!」
子供の頃のように涙目で謝るウィルに「わかって下されば宜しいんですよ」
そう言って私は満足気に微笑んだ。
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