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「ああ、今日も推しが尊い!」
今日は休日。私は前日の仕事終わりに全ての必要な買い物を済ませ、1日中家の中で好きなアニメのDVDを見ていた。
ふと時計を見るともう夜の8時・・・。
「あぁ、休みが!私の休みが終わってしまう!」
ベッドの上でうつ伏せでジタバタする。
一通りジタバタして疲れた私は急に現実に帰る。
「よし!明日も仕事だ!お風呂入ろ」
そうしてバスルームへと向かう。
「来月も推しのグッズが発売されるし!そのためにもいっぱい稼がないとね」
休日の最後のゆっくり浸かるお風呂。
「はぁ、幸せ~」
私は短大を卒業した後地方から東京に上京し1人コチラで就職し、同時に1人暮しを始めた。初めは仕事を覚える事と生活に慣れるので日々忙しく過ごしていた。しかし、仕事にも慣れ始めて生活も整って来た頃急に1人で生活する寂しさに襲われた。
何か気を紛らわす物はないかと探す
為に本屋へと行った私。そこで私は運命の出会いを果たす。
もともと漫画が好きで学生の頃もずっと読んでいた。何か面白い漫画がないかと漫画コーナーを物色していた私の目にどストライクなビジュアルの2次元男子が!
もう、これは運命の出会い!私はみるみるその作品のその彼にハマって行く。
推しを推し続け早5年。わたしももう25歳。田舎の両親からは結婚したい人は居ないのか?としょっちゅう電話が掛かって来るが・・・そんな事知ったこっちゃない!私は推しのために産まれ、推しのために生きる!リアルには興味が無い。むしろ推しと私の邪魔をするような存在は必要無い!
「おひとり様サイコー!」
狭いバスルームに私の雄叫びが木霊した。


月曜日のバスの中。
・・・・・・申し訳ない程おじさん達の張り切った匂いがする。
ザワザワうるさいバスの中・・・私は推しの声をイヤホンで聞きながら通勤する。
20分のバスの中での至福のとき。
これで1日頑張れる・・・・・・。
バスを降りて10分歩く、イヤホン付けて歩いたら危ないからね。
ここからは仕事モード。歩く10分で仕事の顔に切り替える。
「おはようございます」
チラホラ同僚と出会う。
「おはよう」
後輩にも出会う。
 やっぱり朝の挨拶は大事だわ。
あ、あの背中は係長だ。私は少し小走りでその背中に近付き係長の顔を覗き込む。
「おはようございます」
人気のある係長さん。朝から爽やか過ぎる程爽やかだわ。
でも私には心に決めた推しがいるから正直これっぽっちも興味が無い。
まぁ、いい上司だとは思うけどね。
顔が良くて爽やかでスタイルも良くて性格も良いオマケに仕事も出来るって・・・・・・出来すぎじゃない?もう、ここまできたら胡散臭いわ!
そんな完璧チート2次元だけで十分ですよ。
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