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獲物 3
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三日間の自宅謹慎中、柊さんが何度も求めてきて、だけど俺はそんな気分になれなくて「反省中だから」と言って避けている。
「夏、なあ、今日もダメ?」
「すみません。今日で謹慎終わるんで、柊さんも明日まで我慢してください」
「ずっと一緒にいれたのに・・・夏、意外にマジメなんだな」
あからさまにがっかりしている柊さんを見ていると、申し訳ない気持ちの反面、セックスばかりの彼に少しだけ腹が立ってくる。
それに依存する様になったのは、この人自身のせいじゃないってわかってるけど・・・
グズグズ考えてる自分にも腹が立つ。
「キス、だったらしてもいい?」
ダイニングの椅子に座る俺に正面から跨り、肩に腕を掛けてくる柊さん。
強請るように唇を寄せられて、俺は『そんな気分じゃない』なんて思えなくなってくる。
うう・・・。エロい・・・。
目の前に差し出された艶のある唇を啄んで、甘く湿った舌を吸いたい。
「・・・っ、ダメですって!甘やかさないでって言ったじゃないですか!俺は、反省中なんです!」
すぐにつまんない嫉妬してしまう自分にも、ガキの自分を棚に上げて柊さんを責めてしまう事にも、猛反省中なんです!
何とか理性の方が勝った俺は、肩に乗せられている柊さんの腕を掴んで、顔を背ける。
「・・・夏のケチ」
柊さんは寂しそうに呟いて、俺の膝からから下りると、テーブルの上に置いていたスマホを見て「はあ」と溜息を吐いた。
「今日、打ち合わせがあって・・・夜ちょっと出てくるけど、夏 大丈夫か?」
三日間も俺のせいで仕事を休ませちゃったし、きっと仕事にも少なからず支障が出てるはず。
「はい、大丈夫です。ちゃんと大人しくしてますから」
夜に打ち合わせか・・・。どーせその後また、強くもないのに酒飲んで、酔っ払って帰って来るんだろーな。
柊さんの仕事にすら嫉妬してる。
俺が柊さんと同じくらい大人だったなら、こんな時 少しもムカついたりしないんだろうか。
窓の外が暗くなってから、柊さんはスーツに着替えて打ち合わせに向かった。
現在21時
柊さんが出てってから2時間か・・・。
もう飲み始めてるかな?酔っ払ってふにゃふにゃになったあの人の姿を、今日も俺の知らない誰かが見るんだろう。
・・・イライラする。
世の中ホモばっかじゃないだろうけど、悪い想像ばかりが先走って、理由もなくリビングをぐるぐると歩き回ってしまう。
突然、自宅の固定電話が鳴り、思わず心臓が跳ねる。
ビックリした・・・。なんだよ、自宅の電話が鳴るなんてめっずらしー。
俺は少し躊躇って受話器を手にする。
「・・・はい」
『あ!出た!社長~、急ぎで確認したい事が・・・』
電話の向こうは、柊さんの部下の男性のようだ。
「お疲れ様です。柊さんなら、打ち合わせに行きましたよ。携帯にかけた方がいいと思います」
『えっ!?社長 打ち合わせなんか入ってたっけ?スマホかけても出ないし・・・。困ったな』
「打ち合わせじゃ、ないんですか?」
ドクン、と大きな音を立てて心臓が一気に血液を押し出す。
『待って、確認する・・・・・・・・・ああ、やっぱり打ち合わせなんか入ってないよ。有休になってる』
打ち合わせじゃない・・・?
だったらどうしてスーツなんか着て出掛けるんだ?
俺に嘘までついて、どこに?誰と?
『しょうがない・・・明日に持ち越すしかないな・・・。社長が帰ったらメール確認しといてって伝えて』
電話を切ってすぐ、柊さんのスマホにかけるけど・・・出ない。
なんで?
どうして嘘なんかつくんだよ・・・
「夏、なあ、今日もダメ?」
「すみません。今日で謹慎終わるんで、柊さんも明日まで我慢してください」
「ずっと一緒にいれたのに・・・夏、意外にマジメなんだな」
あからさまにがっかりしている柊さんを見ていると、申し訳ない気持ちの反面、セックスばかりの彼に少しだけ腹が立ってくる。
それに依存する様になったのは、この人自身のせいじゃないってわかってるけど・・・
グズグズ考えてる自分にも腹が立つ。
「キス、だったらしてもいい?」
ダイニングの椅子に座る俺に正面から跨り、肩に腕を掛けてくる柊さん。
強請るように唇を寄せられて、俺は『そんな気分じゃない』なんて思えなくなってくる。
うう・・・。エロい・・・。
目の前に差し出された艶のある唇を啄んで、甘く湿った舌を吸いたい。
「・・・っ、ダメですって!甘やかさないでって言ったじゃないですか!俺は、反省中なんです!」
すぐにつまんない嫉妬してしまう自分にも、ガキの自分を棚に上げて柊さんを責めてしまう事にも、猛反省中なんです!
何とか理性の方が勝った俺は、肩に乗せられている柊さんの腕を掴んで、顔を背ける。
「・・・夏のケチ」
柊さんは寂しそうに呟いて、俺の膝からから下りると、テーブルの上に置いていたスマホを見て「はあ」と溜息を吐いた。
「今日、打ち合わせがあって・・・夜ちょっと出てくるけど、夏 大丈夫か?」
三日間も俺のせいで仕事を休ませちゃったし、きっと仕事にも少なからず支障が出てるはず。
「はい、大丈夫です。ちゃんと大人しくしてますから」
夜に打ち合わせか・・・。どーせその後また、強くもないのに酒飲んで、酔っ払って帰って来るんだろーな。
柊さんの仕事にすら嫉妬してる。
俺が柊さんと同じくらい大人だったなら、こんな時 少しもムカついたりしないんだろうか。
窓の外が暗くなってから、柊さんはスーツに着替えて打ち合わせに向かった。
現在21時
柊さんが出てってから2時間か・・・。
もう飲み始めてるかな?酔っ払ってふにゃふにゃになったあの人の姿を、今日も俺の知らない誰かが見るんだろう。
・・・イライラする。
世の中ホモばっかじゃないだろうけど、悪い想像ばかりが先走って、理由もなくリビングをぐるぐると歩き回ってしまう。
突然、自宅の固定電話が鳴り、思わず心臓が跳ねる。
ビックリした・・・。なんだよ、自宅の電話が鳴るなんてめっずらしー。
俺は少し躊躇って受話器を手にする。
「・・・はい」
『あ!出た!社長~、急ぎで確認したい事が・・・』
電話の向こうは、柊さんの部下の男性のようだ。
「お疲れ様です。柊さんなら、打ち合わせに行きましたよ。携帯にかけた方がいいと思います」
『えっ!?社長 打ち合わせなんか入ってたっけ?スマホかけても出ないし・・・。困ったな』
「打ち合わせじゃ、ないんですか?」
ドクン、と大きな音を立てて心臓が一気に血液を押し出す。
『待って、確認する・・・・・・・・・ああ、やっぱり打ち合わせなんか入ってないよ。有休になってる』
打ち合わせじゃない・・・?
だったらどうしてスーツなんか着て出掛けるんだ?
俺に嘘までついて、どこに?誰と?
『しょうがない・・・明日に持ち越すしかないな・・・。社長が帰ったらメール確認しといてって伝えて』
電話を切ってすぐ、柊さんのスマホにかけるけど・・・出ない。
なんで?
どうして嘘なんかつくんだよ・・・
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