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好き×特別=両想い? 4
しおりを挟む俺も・・・、と言いかけて架はハッとする。
好きだと自覚した相手が、もしかしたら自分と同じ気持ちかもしれない。けれどそれは大切な幼馴染みである市太の好きな人。
架に言い様のない罪悪感が押し寄せる。
一玖とこうしている時点で市太を裏切っているのは確かだ。もういっそ、いちの気持ちを見ない事にして、一玖と・・・
「・・・一玖は、俺を泣かせたいだけだろ。ただ、一緒にいてこうやって触れ合ってんだから、情が湧いてきてもおかしくない。おまえは俺を好きだって言うけど、俺もそうだよ。だけど・・・恋愛云々の好きとは違う」
架は市太の気持ちを知っていながら、自分の気持ちを一玖に伝えられるはずがなかった。
もちろん一玖にその気持ちが何なのかを自覚させることもできるはずがない。
今だけでいい。体だけでいい。それ以上は望まない。
だから・・・
「さっきの続き、やんねぇの?」
「・・・・・・やる」
一玖はベッドに引き倒した架の脚を持ち上げ、閉じた太股の裏側にペニスが来るよう間に挟ませる。
「脚、自分で抱えてて」
架は仰向けで膝を抱える。
「こうすると、架のチンコもお尻もよく見えるね」
太股の裏にやったまだ項垂れたままの架のそれを指先でスリスリと撫でる一玖。
「架のココ、まだ大人になってないの?毛も無いし、思ってはいたけどサイズも・・・」
「毛はおまえが剃ったんだろ!サイズはっ、大きなお世話だ!」
大きさの事に触れられて、自分のものが大きくはないとわかっている架は羞恥心で耳が熱くなる。
「こんなの見せたら、女の子はきっとがっかりしちゃうね」
「うっ、うるせえ!」
「でも咥えやすいから、誰かに食べられちゃうかも」
「 っあ・・・」
陰嚢ごと一玖の口に包まれて、架のそこへじわじわと熱が集まる。
唾液を絡められ水音を立てながら一玖の咥内で吸われ、架の下半身は意図せず小刻みに震える。
「・・・ぅ、・・・っ」
「勃ったら少し大きくなった。でも」
架が勃起したのを確認して、一玖は自分の屹立を架のそれにぴたりと添わせる。
「俺の3分の2くらいにしかなんないね。カワイイなぁ」
陰茎の裏側を合わせたまま、一玖は自分の屹立を架のそこにゆっくりと愛おしむように擦りつける。
「ん・・・っ」
「すぐヌルヌルにしちゃってどうしたの、これ。おもらし?小学生よりも子供になっちゃった?」
「違うっ」
違う、と言ったものの、閉じた太股の裏側が濡れているのがわかって、また恥ずかしさが込み上げてくる。
「じゃあなに?子供じゃないなら、このヌルヌルが何なのか、わかるよね。言って」
「か、・・・カウ、ぱぁ・・・?」
何だよこれ。こんなの頭ん中では何なのか わかってんのに、口に出した途端すげー恥ずかしくなる。
「そっか。おもらしじゃないんだ残念。でもさっき、ココから思いっきり漏らしてたよね」
架の臀部を掴んで、親指の先を窄まりに押し込む一玖。
「痛・・・っ」
「そんな痛くないでしょ。だってなんか、この前よりも柔らかいし。お湯入れたからかな?」
確かに最初の時より痛くは無いけど。ウソ俺、お湯入れてケツの穴緩くなった?
「あー、でもやっぱさすがに濡らさないと」
一玖はベッド横のサイドボードへ手を伸ばし小さなボトルを取り、中の液体を手の平に垂らす。
「ま・・・さか、ローション、てやつ?」
セックスの経験も無くラブグッズの知識にも当然疎い架は、全身に緊張感が走る。
「違うよ。ラブホじゃないんだから、旅館にそんなの置いてないよ。これはマッサージ用のアロマオイル。部屋と同じ香りだよ」
そう聞いて、架は部屋の匂いが少し濃くなったことに気付く。途端に荒くなる架の呼吸。
臭いを拒否する時とは違う、興奮にも似た動悸が架の胸を動かす。
アロマオイルを塗った一玖の手で屹立を擦られながら窄まりに指を埋められて、甘い痺れが架の腰に纏わりつく。
「んぅっ、 ん、・・・ん」
「女の子とセックスしてた時はさ、流れで挿入れてたって感じだったんだ」
『女の子とセックス』・・・? 一玖はゲイじゃない・・・?
薄々勘づいてはいたが、架は一玖がゲイではないと確信する。それと同時に、なぜ自分とこんなことをするのか、という疑念が湧く。
「でも今は流れなんかじゃなく、早く架の中に入りたくて堪らないって思ってる。時間かけて解さなきゃなんないってのはわかってるけど」
息を荒くした一玖に熱い瞳で見詰められ、架の疑念はすぐに消えた。
なんで俺とこんなこと・・・なんて、一玖が俺を好きだからじゃん。俺だって同じだ。一玖が好きだからこんなことしてる。
それでも口に出しちゃいけない。向こうに帰ったら、ここでの一玖との全てを無かった事にしなきゃいけないから。
「ごめん。もう限界」
「・・・!ぅあ、 あぁっ」
内蔵を押し上げるかのような圧迫感と共に、架の体に一玖の重みがのしかかる。
「何これ、すっげぇ・・・気持ちいい。 架、今度は失神してないよね?」
「はっ、あ・・・ぁ」
かろうじて正気を保っている架は一玖の問いかけに答えられず、逃げ場のない閉塞感から解放されたくて呻くように声を出してしまう。
「んぁ・・・、ぁ」
「痛い? ごめんね架。ああでも、その顔めちゃくちゃ可愛くてたまんないな」
一玖は両手で架の前髪を掻き上げ、露わになった額に口付ける。
痛いって言うより、どう息をしていいかわからないほど苦しい。なのに一玖が俺の中にいるのを感じると腹の中が熱くなって、苦しさすら快感に変わっていく気がする。
知らずのうちに薄く開いた瞳に溜まった涙を一玖の唇に ちゅ、と吸われ、架はそれだけで満たされた気持ちになった。
「架っ、・・・架。兄貴にされたことなんかもう忘れて。俺の感覚だけ覚えてて」
自分の形を架の中に刻み込むようにゆっくりと抽挿を繰り返す一玖。
「や・・・あっ、あぁっ」
あまりに強烈な圧迫感と押し寄せる快感の波に、架はもう過去の出来事など思い出すことすらできないと思った。
絶頂を迎える度、一玖が呟く「好き」に溺れてしまわないように。それだけが架にできる精一杯だった。
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