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好き×特別=両想い? 2
しおりを挟む「架、好きだよ。そう思ってるの、俺だけじゃないよね?」
「え・・・」
時々 一玖が口にする「好き」に、架は大きく動揺する。
一玖の「好き」は、どういう好き?俺と同じ?ゲイだって言ってたから、やっぱそうなのかな・・・
改めて言われると嬉しいし、すっげぇドキドキする。だとしても市太の気持ちを知ってて「俺も」なんて答えらんねぇよ。
「俺は・・・一玖のこと、友達として好きだよ。歳下だけど、そんな感じしねぇし。いつも俺を助けてくれる」
「・・・そう」
一玖は、架の濡れた屹立の先端をちろりと舐める。
「や・・・っ」
「俺にこうされるの嫌じゃないでしょ? だって、舐め取ったばっかなのにまた、また汁出てきちゃってるよ」
「それはっ、そんなことされたら誰だって!」
赤くなる顔を腕で隠し、架は一玖の視線を避けるように斜め下を見る。
「架は、俺以外にこんなことさせるつもりなの?こんなエッチな体で、女の子抱けると思う? 汁ダラダラにしてフェラさせるの?」
女・・・? たぶんきっと、俺は女の子とセックスはできない。
「そんなこと、ひとことも・・・言ってない、だろ」
「じゃあ男にさせるつもりなんだ」
一玖にそう言われて、架は思わず息を飲み込む。けれどまさか自分もゲイかもしれない、などと言えるはずもなく慌てて否定する。
「そっ、そんなことも言ってない!勝手に推測すんな!」
「憶測じゃないよ。俺は架の心を読んでる。架は、市太さんに遠慮して俺に友情以上の気持ちを持っちゃいけないって思ってる。違う?」
「っ、違う!つーか話あちこち飛びすぎなんだよっ。ワケわかんなくなる!おしゃべりはもういいから、早く一玖の好きなように扱ってくれよ」
頭の良い一玖に話術で勝てる気がしない架は、胡座をかく一玖に跨り首に抱きつく。
「架はそうやって、そのうち他の男にも媚びるようになるんだろうな」
ズキン、と架の心臓が軋む。
そんなこと、絶対に無い。俺は、女の子と恋愛できなくても、男なら誰でもいいなんて思わない。一玖だから・・・
一方、そう言った一玖も、架と同じように胸が軋んでいた。
自分で言った事がブーメランみたいに自分に突き刺さる。架がこんな風に他の男に裸で抱きつくなんて、想像したくもない。
抱き締め返したいのに、きっとそれだけじゃ収まらない苛立ちが架を泣かせたい衝動を大きくする。
「マジで何なんだろうね。こんな気持ちになるの、初めてでよくわかんないや」
「一玖、頼むから黙って。好きにしていいから」
頬に擦り寄ってくる架が、自分以外にも同じ事をするんじゃないか、と不安な気持ちにもなる一玖。
「好きに・・・していいの?」
「・・・うん。また失神したらごめんだけど」
だったら、と言って架を離し、一玖は脱衣所へ行きすぐに戻って来る。
「そこに寄り掛かって、脚開いて」
一玖に言われるまま、架は座椅子に寄り掛かり立てた膝を躊躇いがちに左右に開く。
露わになった股間に、スプレー缶からムース状の泡が吹き掛けられ
「はっ? なにっ」
不思議そうに一玖を見詰める架。
一玖はあからさまに作った笑顔を架に向ける。
「誰にも見せられない体になろっか」
「う、嘘・・・」
一玖の手にT字の剃刀が握られていることに気付いた架の顔が引き攣る。
「好きにしていいんでしょ?大丈夫。剃るだけだし、そのうちまた生えてくるよ」
それはそうかもしんねぇけど!
「動いたら怪我するかもしれないよ。じっとしてて架」
「やめ・・・っ」
恥骨の辺りにあてられた刃が、ショリ、と音を立てて陰茎の根元まで肌に沿って下ろされる。
「架の毛は薄い方だから、無くてもあんまり気になんないよね?」
「無かったら気になるに決まってんだろ!」
「腹に力入れないでよ。手元が狂ってチンコ切っちゃったらシャレになんないでしょ」
「おま・・・っ!」
って、好きにしていいって言ったのは俺じゃん。別に、一玖以外の誰かに見せるわけじゃない。また生えて来るんだし・・・
架は文句が出そうになる口をぐっと閉じ、剃毛のこそばゆさにじっと耐える。
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