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甘い僕はお好きですか 2
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「キスして?」
「はうっっ」
躊躇いの無い蓮くんは不意打ち過ぎる! 絶対に言いあぐねると思ったのに・・・!
僕は服の胸元を握りしめ目を閉じ天井を仰いで幸せを噛み締める。
「言わせといてしてくんねぇとか何なの」
「する! させてください!」
顔を近付けると蓮くんは「ふ」と安心したように笑って目を閉じる。触れた唇はシャワーを浴びたてでしっとりとしている。
すぐにも復活する抑えのきかない僕の愚息。
「仕事、慣れたか?」
「少しはね」
「お前、天然なとこあるからなあ。なんか心配」
「大丈夫だよ。先輩の皆さんも事務の女の人とかも優しいし、親切だよ」
「そういうことじゃねんだけど。・・・てか事務の女の人って?」
「あーうん、警察官じゃないんだけど、署で働く職員さん達がいて。お弁当作って来てくれたりする人がいるんだ。僕が新人だから可愛がってくれてるんだと思う」
「ふーん。弁当、ね」
くっついていた体を離して、拳二つ分ほど蓮くんが遠のく。
「なんで離れるの」
「なんとなく」
「僕もうこんななんだよ!? ダメって言わないよね!?」
「大声出すなよ。ダメって言うワケねぇだろ! ・・・俺だってこんなだし」
言われて目線を下げると蓮くんのボクサーパンツの真ん中が盛り上がっているのが見えて、思わずそこに齧り付いてしまいたい衝動に駆られる。
けれど、ふと彼の顔を見ると少し翳っているように見えて、このまま なし崩しにセックスに持って行っちゃいけない気がした。
「蓮くん、今日なんか変じゃない? 思ってる事があるなら言ってよ。じゃなきゃ勃つものも勃たない」
嘘です、見ての通りビンビンです。
でもそんなことより、蓮くんの表情やいつもと少し違う雰囲気のほうが気にかかる。
「・・・俺、奏汰とこのままいていいのかなって。お前はずっと一緒にいたいって言ってくれるけど、そんなの無理じゃん」
「どうして無理なの? 」
「だってお前ゲイじゃないし。奏汰だっていつか普通に結婚とかして・・・俺は抱いてくれんならなんでもいいけど、ずっとそうしてるワケいかねぇだろ」
「なんで! ずっと蓮くんだけだよ!」
「いいよ、そゆのは。無理に言わせたいんじゃねぇから。でもありがとな」
はは、と蓮くんは力無く笑う。
そうじゃないよ、どうしてわからないの。どうしたら伝わるの。
蓮くんが一番だって。蓮くんしかいないんだって。
「俺が奏汰に開発しろなんて頼んだからこうなったんだよな。奏汰はさ、優しいから、きっと俺じゃなくても協力してただろうし。変な道に引っ張てきてほんとごめんな」
どうしてそんなこと言うの。まるで僕と別れようとしてるみたいだ。
蓮くんは本当にわかってない。
もう僕から一生逃げられないって。
「・・・確かに僕は、蓮くんじゃなくてもそうしてたかもしれない。でもあの時、蓮くんは他の誰でもなく僕を必要としてくれたんだろ。こうなるのは運命だったんだよ」
「運命とか、天然もここまで来ると笑えねーな」
「真剣に言ってんだよ、ちゃんと聞けよ!」
また少し距離を取ろうと蓮くんが腰を上げる。けれど僕はそれを許さない。彼を背後から抱き締め、シートベルトのように腕でホールドする。
「だから諦めて僕のものになってよ。ずっと、死ぬまで蓮くんの全部を僕にください」
「・・・奏汰が飽きるまで付き合うから。もうこの話は終わり。早くヤッてくれよ」
どうしてそんな風に食い下がるんだよ。どうしていつもみたいに「別にいいけど」って言ってくれないの。
強く抱きしめたままで動かない僕に、蓮くんは深い溜息を吐く。
「俺と一緒にいたら、諦めなきゃなんないのはお前のほうじゃん。・・・そういうの、はっきり言って重いんだよ」
ズキッ
と心臓が握られたような痛みが胸に走る。何を言ったって信じてもらえない。蓮くんの言葉に傷付いて、一瞬挫けそうにもなる。
でも
「・・・僕はめちゃくちゃ重いんだ。だから蓮くんの力で動かすのは無理だよ」
僕を傷付ける蓮くんの言葉が本心じゃ無いってわかってる。
「蓮くんの言う『普通』は、僕が望んでる未来じゃないんだ。僕は、蓮くんと一緒に生きてく事を諦めたくない」
「奏汰、でも・・・」
「僕を好きだってダダ漏れてるくせに! 無駄な抵抗はやめて大人しく素直になりなさい! じゃないとこのまま手錠掛けて攫ってどっかに閉じ込めてやるからな!」
腕の中がじわっと熱くなる。僕に捕まったままの蓮くんが俯いて、見えた項や耳が真っ赤になっている。
「・・・だだ漏れって、 ・・・マジか、恥っず・・・」
・・・・・
「な、なにそれ、自覚なかったの・・・!?」
「いや、・・・うん、自覚はあったけど。余裕ある振りしてんの見透かされてたかと思うと、すっげ恥ずかしくなってきた」
「蓮くんこっち向いて」
「いまだめ、マジ無理」
両手で顔を覆って俯き続ける蓮くん。
余裕ある『振り』ってなに。
僕が蓮くんに言ったこと全部が、ほんとは嬉しかったんだって良いように受け取っちゃうよ!?
「もー、ほんと蓮くんは・・・」
カッコイイくせに可愛くて堪らない。
肌の内側に熱を溜めて色付く項に吸い付いて舐めると、蓮くんの肩はビクビクと小さく上下する。
「や、待って奏汰。・・・ぅ」
「早くヤれって言ったじゃん。お待たせ蓮くん、すぐ気持ち良くしてあげるからね♡」
こんな蓮くんを見せられたら、僕はもう止まれない。
「はうっっ」
躊躇いの無い蓮くんは不意打ち過ぎる! 絶対に言いあぐねると思ったのに・・・!
僕は服の胸元を握りしめ目を閉じ天井を仰いで幸せを噛み締める。
「言わせといてしてくんねぇとか何なの」
「する! させてください!」
顔を近付けると蓮くんは「ふ」と安心したように笑って目を閉じる。触れた唇はシャワーを浴びたてでしっとりとしている。
すぐにも復活する抑えのきかない僕の愚息。
「仕事、慣れたか?」
「少しはね」
「お前、天然なとこあるからなあ。なんか心配」
「大丈夫だよ。先輩の皆さんも事務の女の人とかも優しいし、親切だよ」
「そういうことじゃねんだけど。・・・てか事務の女の人って?」
「あーうん、警察官じゃないんだけど、署で働く職員さん達がいて。お弁当作って来てくれたりする人がいるんだ。僕が新人だから可愛がってくれてるんだと思う」
「ふーん。弁当、ね」
くっついていた体を離して、拳二つ分ほど蓮くんが遠のく。
「なんで離れるの」
「なんとなく」
「僕もうこんななんだよ!? ダメって言わないよね!?」
「大声出すなよ。ダメって言うワケねぇだろ! ・・・俺だってこんなだし」
言われて目線を下げると蓮くんのボクサーパンツの真ん中が盛り上がっているのが見えて、思わずそこに齧り付いてしまいたい衝動に駆られる。
けれど、ふと彼の顔を見ると少し翳っているように見えて、このまま なし崩しにセックスに持って行っちゃいけない気がした。
「蓮くん、今日なんか変じゃない? 思ってる事があるなら言ってよ。じゃなきゃ勃つものも勃たない」
嘘です、見ての通りビンビンです。
でもそんなことより、蓮くんの表情やいつもと少し違う雰囲気のほうが気にかかる。
「・・・俺、奏汰とこのままいていいのかなって。お前はずっと一緒にいたいって言ってくれるけど、そんなの無理じゃん」
「どうして無理なの? 」
「だってお前ゲイじゃないし。奏汰だっていつか普通に結婚とかして・・・俺は抱いてくれんならなんでもいいけど、ずっとそうしてるワケいかねぇだろ」
「なんで! ずっと蓮くんだけだよ!」
「いいよ、そゆのは。無理に言わせたいんじゃねぇから。でもありがとな」
はは、と蓮くんは力無く笑う。
そうじゃないよ、どうしてわからないの。どうしたら伝わるの。
蓮くんが一番だって。蓮くんしかいないんだって。
「俺が奏汰に開発しろなんて頼んだからこうなったんだよな。奏汰はさ、優しいから、きっと俺じゃなくても協力してただろうし。変な道に引っ張てきてほんとごめんな」
どうしてそんなこと言うの。まるで僕と別れようとしてるみたいだ。
蓮くんは本当にわかってない。
もう僕から一生逃げられないって。
「・・・確かに僕は、蓮くんじゃなくてもそうしてたかもしれない。でもあの時、蓮くんは他の誰でもなく僕を必要としてくれたんだろ。こうなるのは運命だったんだよ」
「運命とか、天然もここまで来ると笑えねーな」
「真剣に言ってんだよ、ちゃんと聞けよ!」
また少し距離を取ろうと蓮くんが腰を上げる。けれど僕はそれを許さない。彼を背後から抱き締め、シートベルトのように腕でホールドする。
「だから諦めて僕のものになってよ。ずっと、死ぬまで蓮くんの全部を僕にください」
「・・・奏汰が飽きるまで付き合うから。もうこの話は終わり。早くヤッてくれよ」
どうしてそんな風に食い下がるんだよ。どうしていつもみたいに「別にいいけど」って言ってくれないの。
強く抱きしめたままで動かない僕に、蓮くんは深い溜息を吐く。
「俺と一緒にいたら、諦めなきゃなんないのはお前のほうじゃん。・・・そういうの、はっきり言って重いんだよ」
ズキッ
と心臓が握られたような痛みが胸に走る。何を言ったって信じてもらえない。蓮くんの言葉に傷付いて、一瞬挫けそうにもなる。
でも
「・・・僕はめちゃくちゃ重いんだ。だから蓮くんの力で動かすのは無理だよ」
僕を傷付ける蓮くんの言葉が本心じゃ無いってわかってる。
「蓮くんの言う『普通』は、僕が望んでる未来じゃないんだ。僕は、蓮くんと一緒に生きてく事を諦めたくない」
「奏汰、でも・・・」
「僕を好きだってダダ漏れてるくせに! 無駄な抵抗はやめて大人しく素直になりなさい! じゃないとこのまま手錠掛けて攫ってどっかに閉じ込めてやるからな!」
腕の中がじわっと熱くなる。僕に捕まったままの蓮くんが俯いて、見えた項や耳が真っ赤になっている。
「・・・だだ漏れって、 ・・・マジか、恥っず・・・」
・・・・・
「な、なにそれ、自覚なかったの・・・!?」
「いや、・・・うん、自覚はあったけど。余裕ある振りしてんの見透かされてたかと思うと、すっげ恥ずかしくなってきた」
「蓮くんこっち向いて」
「いまだめ、マジ無理」
両手で顔を覆って俯き続ける蓮くん。
余裕ある『振り』ってなに。
僕が蓮くんに言ったこと全部が、ほんとは嬉しかったんだって良いように受け取っちゃうよ!?
「もー、ほんと蓮くんは・・・」
カッコイイくせに可愛くて堪らない。
肌の内側に熱を溜めて色付く項に吸い付いて舐めると、蓮くんの肩はビクビクと小さく上下する。
「や、待って奏汰。・・・ぅ」
「早くヤれって言ったじゃん。お待たせ蓮くん、すぐ気持ち良くしてあげるからね♡」
こんな蓮くんを見せられたら、僕はもう止まれない。
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