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本命くんと愛人さん 2
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翌朝
「オイ、俺もう出るからな」
「うん」
朝食を食べているオレの顎を持ち上げ、青が思いっきり唇を押し当ててくる。
「ぶぶっ!・・・口にもの入ってる時にちゅーすんな!」
「涼太」
青の強い眼差しが向けられて、悪い事をしたわけでもないのに、一瞬怯んでしまう。
「な・・・んだよ」
「・・・・・・・・・仕事、気を付けて行ってこいよ」
は?そんなに力込めて溜めてから言うこと?
「うん。つーかお前の方が気をつけろよ。車乗るんだから」
「ああ。じゃあ行ってくるな」
どうしたんだ?あいつ。昨夜コンビニ行かせたの怒ってんのか?
リビングを出ていく青のいつもと違う雰囲気になんだか心配になる。
・・・スニーカーお揃いを拒否した事、根に持ってんのかな。
7時40分
ほど近い職場へ向かうため、部屋を出てエレベーターに乗り1階のボタンを押す。
「ちょっと待った~」
エレベーターが閉まる寸前に扉を掴む手が見えて、慌てて『開』のボタンを押した。
「は~、間に合った。お前、行くなら行くで声掛けろよ」
「掛けるわけないじゃないですか。おはようございます」
エレベーターに乗ってきたのは、雄大さんだった。
「おはよ。一緒に出勤するっつったろ」
「約束はしてませんよ、オレ。・・・いひゃい!」
いきなり両頬を左右に引っ張られて、痛くて咄嗟に雄大さんの手を強めに払い除けた。
「マジで生意気な口だな。キスで塞いでやりたいよ」
「朝から冗談キッツイです」
「じゃあ夜ならキスしていい?」
「良いわけないでしょう!青に怒られたくないんで!」
朝からセクハラ全開だな、この人。会社に着くまでに疲れてしまいそうだ。
「あー。怒らせたら怖そうだもんな、彼」
怖いっつーか・・・怒らせてばっかだとオレのからだ、どうなるかわかんねーし。
「・・・でも、怒らせたら一昨日みたいな涼太の声が毎日聞けるかもしれないな」
「オレの声ですか?」
青が怒ってる声じゃなくて?
1階に着いたエレベーターの扉が開き、雄大さんが先に降りる。
「泣きながら あん、とか 、やだやだ、とか言ってる涼太の声」
・・・・・・は?・・・ヤってる時の声、聞こえてた!?
「閉まるぞ、エレベーター」
あまりの恥ずかしさに固まってしまったオレは、雄大さんにエレベーターから引っ張り出された。
「あーんな色気ある声、出るんだな」
い、色気!?
「気持ち悪い事言わないでくださいよ!オレ、そんな声・・・」
出してない、と断言できない。実際、自分でも気持ち悪いくらい喘いじゃう時あるし・・・。
羞恥と動揺で赤くなっていいんだか青くなっていんだかわからない。
もう冷や汗しか出ない。
「どうせなら、壁越しじゃない声、聞きたいんだけどな」
「え・・・」
肩を掴まれ、雄大さんの顔が接近してくる。
「もちろん、俺の手で喘がせてる声な」
わわっ!ちょ・・・
「いってぇ!!」
身の危険を感じたオレは、雄大さんの脛を思い切り蹴っていた。
足を抱えてその場に蹲る雄大さん。
体を震わせて痛みを堪えている雄大さんを見ると、何だか申し訳ない気持ちになってくる。
「すみません、大丈夫ですか?」
「愛人にだってもっと優しくしろよ。痛くて涙出ただろ。俺は涼太と違って泣くシュミないのに~」
前言撤回。申し訳なくない。完全な正当防衛だったわ。
「ふざけてないで出勤しましょうよ。遅刻したくないです」
最中の声を聞かれていたかと思うといたたまれなくて、そのまま雄大さんを置いて、会社へと急いだ。
とは言っても、デスクが向かい合っている以上、顔を合わせない訳にはいかない。
非常に気まずい・・・。
雄大さんは何事も無かったかのように、淡々と仕事をしている。
「佐々木~。新店の什器搬入、明後日だから小林のスケジュールも調整しといてくれよ」
「はい」
部長に言われて、雄大さんはPCをいじり始めた。
「こんなもんかな。涼太、調整したからスケジュール見といて」
調整されたスケジュールを確認すると・・・
「え!4日間ですか!?」
「そうだよ。あ、中川さん、明後日から3泊で4人分の宿取っといてもらえる?」
「了解しましたぁ」
4人・・・。雄大さんと2人じゃないのか。助かった~!
今回の出張は、堂々と青に言えそうだ。
がしかし、この出張が波乱を呼ぶことになろうとは・・・。
「オイ、俺もう出るからな」
「うん」
朝食を食べているオレの顎を持ち上げ、青が思いっきり唇を押し当ててくる。
「ぶぶっ!・・・口にもの入ってる時にちゅーすんな!」
「涼太」
青の強い眼差しが向けられて、悪い事をしたわけでもないのに、一瞬怯んでしまう。
「な・・・んだよ」
「・・・・・・・・・仕事、気を付けて行ってこいよ」
は?そんなに力込めて溜めてから言うこと?
「うん。つーかお前の方が気をつけろよ。車乗るんだから」
「ああ。じゃあ行ってくるな」
どうしたんだ?あいつ。昨夜コンビニ行かせたの怒ってんのか?
リビングを出ていく青のいつもと違う雰囲気になんだか心配になる。
・・・スニーカーお揃いを拒否した事、根に持ってんのかな。
7時40分
ほど近い職場へ向かうため、部屋を出てエレベーターに乗り1階のボタンを押す。
「ちょっと待った~」
エレベーターが閉まる寸前に扉を掴む手が見えて、慌てて『開』のボタンを押した。
「は~、間に合った。お前、行くなら行くで声掛けろよ」
「掛けるわけないじゃないですか。おはようございます」
エレベーターに乗ってきたのは、雄大さんだった。
「おはよ。一緒に出勤するっつったろ」
「約束はしてませんよ、オレ。・・・いひゃい!」
いきなり両頬を左右に引っ張られて、痛くて咄嗟に雄大さんの手を強めに払い除けた。
「マジで生意気な口だな。キスで塞いでやりたいよ」
「朝から冗談キッツイです」
「じゃあ夜ならキスしていい?」
「良いわけないでしょう!青に怒られたくないんで!」
朝からセクハラ全開だな、この人。会社に着くまでに疲れてしまいそうだ。
「あー。怒らせたら怖そうだもんな、彼」
怖いっつーか・・・怒らせてばっかだとオレのからだ、どうなるかわかんねーし。
「・・・でも、怒らせたら一昨日みたいな涼太の声が毎日聞けるかもしれないな」
「オレの声ですか?」
青が怒ってる声じゃなくて?
1階に着いたエレベーターの扉が開き、雄大さんが先に降りる。
「泣きながら あん、とか 、やだやだ、とか言ってる涼太の声」
・・・・・・は?・・・ヤってる時の声、聞こえてた!?
「閉まるぞ、エレベーター」
あまりの恥ずかしさに固まってしまったオレは、雄大さんにエレベーターから引っ張り出された。
「あーんな色気ある声、出るんだな」
い、色気!?
「気持ち悪い事言わないでくださいよ!オレ、そんな声・・・」
出してない、と断言できない。実際、自分でも気持ち悪いくらい喘いじゃう時あるし・・・。
羞恥と動揺で赤くなっていいんだか青くなっていんだかわからない。
もう冷や汗しか出ない。
「どうせなら、壁越しじゃない声、聞きたいんだけどな」
「え・・・」
肩を掴まれ、雄大さんの顔が接近してくる。
「もちろん、俺の手で喘がせてる声な」
わわっ!ちょ・・・
「いってぇ!!」
身の危険を感じたオレは、雄大さんの脛を思い切り蹴っていた。
足を抱えてその場に蹲る雄大さん。
体を震わせて痛みを堪えている雄大さんを見ると、何だか申し訳ない気持ちになってくる。
「すみません、大丈夫ですか?」
「愛人にだってもっと優しくしろよ。痛くて涙出ただろ。俺は涼太と違って泣くシュミないのに~」
前言撤回。申し訳なくない。完全な正当防衛だったわ。
「ふざけてないで出勤しましょうよ。遅刻したくないです」
最中の声を聞かれていたかと思うといたたまれなくて、そのまま雄大さんを置いて、会社へと急いだ。
とは言っても、デスクが向かい合っている以上、顔を合わせない訳にはいかない。
非常に気まずい・・・。
雄大さんは何事も無かったかのように、淡々と仕事をしている。
「佐々木~。新店の什器搬入、明後日だから小林のスケジュールも調整しといてくれよ」
「はい」
部長に言われて、雄大さんはPCをいじり始めた。
「こんなもんかな。涼太、調整したからスケジュール見といて」
調整されたスケジュールを確認すると・・・
「え!4日間ですか!?」
「そうだよ。あ、中川さん、明後日から3泊で4人分の宿取っといてもらえる?」
「了解しましたぁ」
4人・・・。雄大さんと2人じゃないのか。助かった~!
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がしかし、この出張が波乱を呼ぶことになろうとは・・・。
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