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しるし 3
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バサバサッ
雄大さんの腕から逃れようともがいて、持っていた資料をファイルごと床に落としてしまった。
「あ!大事な書類がバラバラに!大事な資料なのにバラバラに!」
「わざとらしいな。そう言えば俺が離すと思った?」
ぐぅ・・・ッ。読まれたか・・・。
つーか、なんでこんな力あるんだよこの人!チャラ男なんかに力で負ける訳にはいかねぇ!
巻きついている雄大さんの腕をなんとか外そうと、両腕を外側に開くように力を入れるが、ビクともしない。
下に抜けることも厳しそうだ・・・。
こうなったら・・・足を蹴るしかないか。
「雄大さんすみません」
右足を後ろに引いて、雄大さんの足を目掛けて思いっきり振った。
アレ?
蹴ったと思ったのに、オレの足は空を切る。その反動で体が宙に浮くのを感じた。
やべ、倒れる!
反射的に目を閉じて衝撃に備えたが、オレの体は床スレスレのところで雄大さんに抱えられたままだった。
「涼太、武闘派なんだな。空手でもやってたか?」
何が起こったのか脳が理解するまで時間がかかってしまう。
「実は俺も昔やってたんだよ~。柔道だけどな」
ヘラっと笑う雄大さん。
・・・どーりで。蹴り入れる前に投げられたって事か。めちゃくちゃ悔しい・・・。
「本気で抵抗してもいいぞ」
「え?」
床に降ろされて、仰向けになった両膝の上に雄大さんが跨ってくる。
そこを抑え込むと抵抗するのが難しいとわかっているのだろう。
「卑怯じゃないですか?」
オレは、無駄な抵抗はしない方がいいと判断して、睨むだけの反抗をする。
「こっちも本気出さなきゃ。相手は女じゃないんだし」
雄大さんにボトムのボタンを外されて、ギョッとした。
「正気ですか!?オレ男ですよ!?ちんこ付いてますよ!?」
「そうだな。でもあいつに抱かれてるんだろ?・・・俺も、涼太を抱けるって言ったら、どうする?」
顔が近付いて来たのを見計らって、上体を起こした勢いで、雄大さんの顔に頭突きを食らわせた。
ゴツっと鈍い音がして、額に激痛が走る。
「いってぇー・・・お前、先輩に対して手加減無しかよ・・・」
鼻を狙ったつもりだったが、咄嗟に体を引かれて、命中したのは雄大さんの顎だったようだ。
「本気出していいって言ったじゃないですか。・・・いてて」
顎を抑える雄大さんと、額を抑えるオレ。
「はー。なんでこんなヤツが可愛いなんて思えるんだろーな。俺オカシイわ・・・」
体がふっと軽くなって、雄大さんに腕を引かれて立ち上がる。
「・・・ありがとうございます」
「ふっ、襲ってきた相手にありがとうなんて、マジ変なヤツ」
雄大さんは、床に散らばったファイルと資料を拾い集めて、オレに手渡してくれる。
きっと悪い人じゃないんだろうけど・・・
冗談でやってるのか、本気でやってるのかイマイチわかんねぇ。
オレに美織を重ねて見てるだけかもしれないと思うと、余計にどう対処していいのかわからない。
・・・そーだ!アレを見せたら、もしかしてドン引きしてくれるかも!
「雄大さん、あの、コレ見てもらえますか?」
ん?と首を傾げる雄大さんに、ボトムを一気に膝まで下げて、タトゥーを見せる。
「こんなん彫っちゃうくらい、オレは青の事好きなんで、もう変なちょっかい出すのやめて下さいね!」
オレの突然の行動に、雄大さんは驚いた様に目を丸くした後に、ふっと顔を緩ませた。
「青クンのものだっていう印か・・・。なるほど」
どーだ!これで少しは大人しくなってくれるだろ・・・
「ますます気に入ったよ、涼太」
え・・・どういう意味・・・?
ニッと笑って、雄大さんは再び資料に目を通して仕事に戻る。
え、なんなの?
服を直して、オレも仕事を再開した。
とりあえず、牽制できたって事でいいのかな・・・?
この余裕ある大人の本気が、まさか青を暴走させる事になるなんて・・・オレはまだ知らない。
雄大さんの腕から逃れようともがいて、持っていた資料をファイルごと床に落としてしまった。
「あ!大事な書類がバラバラに!大事な資料なのにバラバラに!」
「わざとらしいな。そう言えば俺が離すと思った?」
ぐぅ・・・ッ。読まれたか・・・。
つーか、なんでこんな力あるんだよこの人!チャラ男なんかに力で負ける訳にはいかねぇ!
巻きついている雄大さんの腕をなんとか外そうと、両腕を外側に開くように力を入れるが、ビクともしない。
下に抜けることも厳しそうだ・・・。
こうなったら・・・足を蹴るしかないか。
「雄大さんすみません」
右足を後ろに引いて、雄大さんの足を目掛けて思いっきり振った。
アレ?
蹴ったと思ったのに、オレの足は空を切る。その反動で体が宙に浮くのを感じた。
やべ、倒れる!
反射的に目を閉じて衝撃に備えたが、オレの体は床スレスレのところで雄大さんに抱えられたままだった。
「涼太、武闘派なんだな。空手でもやってたか?」
何が起こったのか脳が理解するまで時間がかかってしまう。
「実は俺も昔やってたんだよ~。柔道だけどな」
ヘラっと笑う雄大さん。
・・・どーりで。蹴り入れる前に投げられたって事か。めちゃくちゃ悔しい・・・。
「本気で抵抗してもいいぞ」
「え?」
床に降ろされて、仰向けになった両膝の上に雄大さんが跨ってくる。
そこを抑え込むと抵抗するのが難しいとわかっているのだろう。
「卑怯じゃないですか?」
オレは、無駄な抵抗はしない方がいいと判断して、睨むだけの反抗をする。
「こっちも本気出さなきゃ。相手は女じゃないんだし」
雄大さんにボトムのボタンを外されて、ギョッとした。
「正気ですか!?オレ男ですよ!?ちんこ付いてますよ!?」
「そうだな。でもあいつに抱かれてるんだろ?・・・俺も、涼太を抱けるって言ったら、どうする?」
顔が近付いて来たのを見計らって、上体を起こした勢いで、雄大さんの顔に頭突きを食らわせた。
ゴツっと鈍い音がして、額に激痛が走る。
「いってぇー・・・お前、先輩に対して手加減無しかよ・・・」
鼻を狙ったつもりだったが、咄嗟に体を引かれて、命中したのは雄大さんの顎だったようだ。
「本気出していいって言ったじゃないですか。・・・いてて」
顎を抑える雄大さんと、額を抑えるオレ。
「はー。なんでこんなヤツが可愛いなんて思えるんだろーな。俺オカシイわ・・・」
体がふっと軽くなって、雄大さんに腕を引かれて立ち上がる。
「・・・ありがとうございます」
「ふっ、襲ってきた相手にありがとうなんて、マジ変なヤツ」
雄大さんは、床に散らばったファイルと資料を拾い集めて、オレに手渡してくれる。
きっと悪い人じゃないんだろうけど・・・
冗談でやってるのか、本気でやってるのかイマイチわかんねぇ。
オレに美織を重ねて見てるだけかもしれないと思うと、余計にどう対処していいのかわからない。
・・・そーだ!アレを見せたら、もしかしてドン引きしてくれるかも!
「雄大さん、あの、コレ見てもらえますか?」
ん?と首を傾げる雄大さんに、ボトムを一気に膝まで下げて、タトゥーを見せる。
「こんなん彫っちゃうくらい、オレは青の事好きなんで、もう変なちょっかい出すのやめて下さいね!」
オレの突然の行動に、雄大さんは驚いた様に目を丸くした後に、ふっと顔を緩ませた。
「青クンのものだっていう印か・・・。なるほど」
どーだ!これで少しは大人しくなってくれるだろ・・・
「ますます気に入ったよ、涼太」
え・・・どういう意味・・・?
ニッと笑って、雄大さんは再び資料に目を通して仕事に戻る。
え、なんなの?
服を直して、オレも仕事を再開した。
とりあえず、牽制できたって事でいいのかな・・・?
この余裕ある大人の本気が、まさか青を暴走させる事になるなんて・・・オレはまだ知らない。
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