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邪魔者 4

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 結局、青と瀬戸の関係はわからないまま、今日も教育係として、夕方から瀬戸につきっきりで仕事を教える。

「汚ねえ。やり直し」

 閉店した後の試着室の鏡を雑に拭く瀬戸に、フィードバックする。

「どこがだよ。キレイじゃねーか、てめぇ適当言ってんじゃねーぞ」

「汚ねえだろ、よく見ろ!かせ!」

 瀬戸から鏡用のクロスをぶん取り、上から下まで左右にクロスで鏡を拭く。

「こーやんだよ」

 瀬戸にクロスをポイッと投げて、次の試着室へ入る。

 ったく、掃除もマトモに出来ねーのか。
 ・・・オレも家じゃ、やんねーけど。

「涼太、意外と器用だな。家でもやってんのか?」

「家でやるわけねーだろ。青がやってくれるし」

「青?・・・山田か?一緒に住んでんのか!?」

 瀬戸がずいっと顔を寄せて聞いてくる。

 きっも!

「ちけーよ!寄るな!」 

「あ、わり。・・・で、山田と一緒に住んでんのか?」

「だったらなんだよ」

「そーか・・・」

 あ、また青の話で大人しくなった。これは、確実に青狙いだな。

「瀬戸、青と知り合い?」

「知り合いっつーか、予備校が一緒だった」

 それでか・・・。青に認知されてない事は言わないでおくか。

「山田って、カッコイイよな」

 かかかっこいい!?瀬戸・・・おまえやっぱりか。
 瀬戸を冷ややかな目で見るオレ。

「な、なんだよ。別に、深い意味はねぇよ。ビジュアルを褒めただけだろ!」

 瀬戸がオレの視線にオロオロになって言い訳する。

「瀬戸、もしかしてだけど、好き・・・う」

「はあ!?てめぇぶっ殺されてーのか!んなわけねえだろ!」

 顔を真っ赤にして、片手でオレの口を塞ぐ瀬戸。
 明らか好きじゃん、コレ。

「痛え、触んなきもい」

 腹を蹴り押し、瀬戸と距離を取る。

「涼太さん、店長が呼んでます」

「今行く。・・・瀬戸はちゃんと掃除しとけよ」

 タケルに声を掛けられて、バックヤードに入る。

「店長室行けばいい?」

 タケルに確認すると、オレの手をぎゅっとタケルが握る。

「すみません。嘘です」

「え?嘘?」

「涼太さん、ガード緩すぎませんか?瀬戸さんと距離近いです。あの人に油断しないでください」

 えええ~!
 タケル、勘違いだし!アイツが好きなの、青だから!

「大丈夫だよ。なんもないって」

「涼太さんがそんなんじゃ、俺、我慢するのやめますよ」

 握られた手が、タケルの口元に持っていかれる。

「青さん以外に、これ以上邪魔が入るなら、もう容赦しません」

 違う、違うのに~!

 タケルの唇が手の甲に触れて、ビクッとしてしまう。

「ちょ、タケル・・・」

 タケルが手を離して、オレは開放される。

「覚えといてください」

 はあ。なんだかまためんどくせーことになりそうだな・・・。
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