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天然ノンケの動揺 1

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「涼太、休みだからって寝てばっかいないで、たまに掃除しろよ、俺もう行くから」

「んー。朝からうるさい。わかってるよ」

 ちっ、めんどくせーな・・・
 洗濯と料理ならやるけど、掃除は嫌いだなー・・・

 あー、でも髪も伸びたし切りてーし、エロ動画も観たいしな~・・・ 

 起きるか。




 ベッドから起き上がり、リビングに行ってソファに座ると、また眠気が・・・

「あー掃除したくねえ・・・」 

 一昨日、青が掃除機かけたから、しなくてもいっか。

 ソファに寝転がって目を瞑る。

ピリリリリ  ピリリリリ

「うるせー」

 着信音がうるさくて目を開けると、テーブルの下に青のスマホがある。

 あいつ忘れてったのか。・・・ま、どーでもいっか。寝よ。

 着信音が鳴り止み、オレは再び目を瞑る。

ピリリリリ ピリリリリ

「あーもー!なんなんだようるっせぇ!」

 スマホを拾い、画面を見ると『加藤さや』さんからの着信。

 女?

 しばらく着信音が鳴って止まる。

 ピリリリリ ピリリリリ

「またかよ!」

 またも『加藤さや』さんからの着信。
 とりあえず、忘れて行ったと伝えるか。
 
「ハイ。山田の携帯です」

『あ、青くん?昨日はありがとう。どうしてもお礼言いたくて。すっごく嬉しかったから』 

「山田は不在です。スマホ忘れてったみたいなんで」

『そうなんですか?すみません。お友達ですか?』

「ハイ、後で伝えておきます」

『あ、大丈夫です。大学でも会えるので、その時に直接話します、すみませんでした』

「わかりました。失礼します」

 なんで大学で会うのに、わざわざ電話してくんだ?

 青のスマホをテーブルに置き、またソファに寝転がる。

 ・・・・・・・・・・・・・・・なんか気になるな。
 昨日ってなんだ。お礼ってなんだ。嬉しいって何だ・・・。
 
 スマホ、届けてやるか。




 青の通う大学に来たのはいいけど、以外と広い。これ、見つかんない可能性あるな・・・

 ベンチに座り、青のスマホを眺める。

『加藤さや』さんとは、会えてんのかな、青・・・。

「・・・涼ちゃん?」

「あ、のぞむ」

 なんで青には会えねーのに、のぞむとは簡単に出会っちゃうんだよ。

「やっぱ涼ちゃんじゃん。何?山田に会いに来てんの?」

「あー、青がスマホ忘れて、届けに来たんだけど、連絡取れねーし、どこいるかわかんなくて」

 ・・・この前の事があるから、なんか気まずいな。

「そーなんだ。俺、学部同じだし、次の講義、多分山田も受けるよ。一緒に行く?」

「え、いいの?」

「いいよ。その代わり、この前の事、許してくれる?」
 
 オイ、安いだろ、ソレ。
 ・・・まあ、いっか。

 キャンパス内を、のぞむと並んで歩く。

「もうあんな事すんなよ。マジびびったろーが」

「ごめんごめん。涼ちゃんの事好きすぎて、ちょっと自分見失ってたわ」
 
 好きすぎて自分を見失う?
 そんな事あるか?

「ここだよ。講義受ける人けっこーいるから、バレないと思うけど、目立つ事しちゃダメだからね」

「うん」

 半円形の講堂に入ると、真ん中の方の席に青を見つける。・・・その隣になにやらかわいい女の子が座って、楽しそうに話していた。

「山田いたよ。おーい、やまゔっ」

「しーっ!こっち!」 

 オレはのぞむの口を塞いで、青から死角になる、少し離れた後ろの席にのぞむを引っ張っていく。

「なんで隠れるの?探してたんでしょ?」

「いいから!」

「ヘンな涼ちゃんだな~。あ、山田と一緒にいるの、さやちゃんだ」

 あれが例の『加藤さや』さんか。
 カワイイじゃねーか。髪が長くて、色が白くて細い。いかにもモテそうな女子。

 オレの事、好きとか言ってるくせに、大学ではちゃっかりモテ女子を横に置いてヘラヘラしやがって~!

「山田、カッコイイし、けっこー狙ってる女の子も多いんだよ。さやちゃんもそーなんじゃないかな」

「へー」
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