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天然ノンケの憂鬱 2

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 あーもー、青のやつ、マジなんなの?
 ぜってーオレの事からかって楽しんでるだけじゃん!

 やっぱりあいつの「好き」は信用出来ねえ。
 
 仕事中に、悶々とするオレ。
 ダメだ。何やってんだよ、入社二年目になって後輩もできたし、青の事ばっか考えてる場合じゃねぇ!
 明日から三日間、出勤時間調整の特別休暇なんだから、今日中に売場作ってレイアウト変更して、午後からはミーティングだし・・・オレはやることがいっぱいあるんだよ!

「小林くん、なんか、今日気合入ってるわね」

「は!あさみさん」

「資材の事なんだけど、ちょっといい?」

 資材室にあさみさんとふたりで入って、資材管理用のバインダーを手にする。

「なんですか?なんか足りないものとかありました?」

「そんなことより!これ、あげる」

 は?仕事の話じゃねーのかよ。

「はい、どうぞ!」

 そう言って、あさみさんがオレの手に無理やり封筒を渡してくる。

「なんですか?これ」

 封筒の中身を出してみると、隣県の温泉旅館の招待券が2枚。

「それね、今付き合ってる人が監修してリニューアルした旅館なの。招待券もらったんだけど、指定が明日の宿泊でしょ?明日から三日間、特休よね?」

「いいんすか?頂いても」

「いーのよいーのよ!頂いちゃって!」

 ・・・なんか、嫌な予感・・・

「青くんと一緒に行ってきてね♡ぜっっっっったいに♡」

「・・・アリガトウゴザイマス」

「それでね、ひとつお願いが・・・」

「嫌です」

 嫌だ。ほんとに悪い予感しかしない!

「・・・そう。あさみ、かわいい後輩の秘密、みんなにポロッと話しちゃうかも・・・」

「嘘です。お願い、ナンデスカ?」

 くそババァ~!

「ちゃんと青くんと行った証拠に、浴衣で絡んだ写真が欲しいな♡」

 浴衣で・・・絡む?

「楽しみにしてるね♡あ、資材、ギフトバッグのSサイズ、発注かけといてね」

「・・・ハイ」

「ちなみに、青くんにはさっきメッセージ送って、OKもらってるから安心して♡」

 はあ?なんの安心だよ!てか、なに青もオッケーしてんだよ!帰ったらボッコボコにしてやっからな!





「青!」

「おかえり、涼太」

「てめーコラ、なにドス黒ババアと結託してんだよ!」

ビュンッ

「あっぶね!」

 青に向かって放った回し蹴りをギリギリのところで避けられる。

「よけんじゃねぇ!」

「よけるだろ、ふつー!」

「よけたら殺す!」

ドスッ

「う!」

「・・・てめー離せコラ」

 続けて脇腹めがけて打ち込んだ足を青にがっちり掴まれる。

「いってぇ・・・、涼太マジで凶暴すぎ。・・・でも、つかまえた」

 青がニヤッと笑う。
 
 やべえ、つかまったら力じゃ青に勝てない。

 形勢逆転に、オレの嫌な予感は加速していく・・・
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