マネジメント!

Hiiho

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金子ヒロムが見つめられたら 2

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  シウとのベッドシーン。待ちに待った瞬間。

  うつ伏せのシウの背中の美しさに見惚れてしまう。薄く靱やかそうな筋肉と透けそうなほどに白い肌。
  あのクアイルの、あのシウの裸が俺の下にある。夢ならどうか覚めないでくれ。


  あー、マズイ。演技しなきゃならないのに、本気で抱き潰してぇ!


  湧き上がる興奮をグッと抑え、シウの項に口付ける。唇で感じるシウの肌の滑らかさ。

  くそ~、事務所から舐める行為はNGと釘を刺されていなかったら、ベロッベロに舐めまわしてやるのに・・・!

  これが俺だよな。攻める方が好きだし、ケツ弄られてイクなんてありえねー。
  なのに・・・もっちーの野郎、よくも俺の処女アナルを・・・!



  もっちーに掘られた(覚えてないけど)日から、俺は男を抱けなくなっていた。自分もチンポを突っ込まれてヨガっていたのかと考えると、どうしても男相手に勃たない。

  突っ込まれた記憶は無い。だけど、腹の上の白濁の跡は確かに自分のもので、尻の中に残っていた違和感と腰の痛みはもっちーに犯された証拠だったんだろう。

  これはもう、シウのケツ穴でも見てタチのプライドを取り戻さなければ。


  と思ってシーツの中で視線を下げる。

  ・・・が、キュッと締まった小さな双丘が窄まりをしっかりと守っていて全く見えない。



『・・・君はどうして僕に抱かれようと?』

  セリフを言いながらも、意識はシウの尻に集中。

『・・・さあ?わからない』

  次のセリフの後にシウは体を反転させる。それと同時に膝をシウの太腿に割り込ませてやる。ケツ穴を拝むチャンスは一瞬だ。


『・・・・・・でも』

  寝返りを打つようにシウは仰向けになる。

  腿の間に上手く膝を割り込ませる事に成功。しかし、思ったより体が密着していて、シウの振り向きざまに拝んでやろうと思っていた窄まりは見えず。

  代わりにチラッと見えたのは、かなり後ろの方まで覆った前貼りの布の端。
  コレじゃシウが股を全開にしたって、穴なんか見える訳が無い。


  急激に気分が萎える。


  うう・・・世界ナンバーワンイケメンのケツ穴、そう簡単に拝めるもんじゃないのか。


  こうなったら、シウの感じてる表情だけでもいい。この造形美が快感で崩れるのを見れば、きっとタチのプライドを・・・

  わざとらしいほどに腿をシウの股間に密着させる。


  ・・・なんだこれ。すげー硬い。もしかして勃ってんの? ねえ、俺に、背中に愛撫されて勃っちゃった!?

  興奮を顔には出さずに、シウの股間を太腿で弄り続ける。


  それにしても・・・異様に硬いな、シウのは。すげー下曲がりだし。
  これだけガチガチにしてんのに、顔赤くなるどころか青ざめてるし。

  それでもまあ、芝居に出さないようにしてるだけなのかもしれないけど、なんか様子が変だ。


  シウの焦ったような様子に、俺は気付いてしまった。

  これは勃起なんかじゃない、と。


  この湾曲した形、異常なまでに一定に保つ硬度。布越しでわかりづらいが、骨組みの様な凸凹。

  貞操具だ。




「はいオッケー」

  監督からの一発オッケー。脳内ではシウの股間にしか意識が無いのに、完璧に演じる俺。
  シウの焦った表情も、演技だと判断されたらしい。


  それよりも!俺には確かめたい事が

「シウ、何つけてんの?なあ、まさか貞そ・・・」

「何がですか!?何も着けてないですよ!金子さんの勘違いです!」

  バスローブを羽織ったシウが逃げるようにベッドから抜け出し、前屈みでモニターをチェックしに行く。


  あの態度、間違いない。俺の勘違いじゃない。

  だとしたら自分で?そういう趣味?
  あんなにキラキラで純粋そうなのに、もしかしてかなりのドスケベ?

  ・・・・・・・・・だったら、めっちゃイイじゃん!!

  あー、萌える。滾る。他の男とはセックス出来なくなっちゃったけど、シウになら勃つ自信がある!



「金子さん、なに百面相してんすか」

  バスローブを持ってきたもっちーが、冷めた目で俺を見る。

「お前に関係無いだろ。俺はなぁ、もっちーに折られたプライドを取り戻しかけてんだよ、今」

「へえ。俺のチンポでズタズタにされたプライドをっすか?」

  オイ!周りにスタッフがいるのに、なんて事を・・・

「黙れ!・・・ちょっと来い!」

  もっちーを引っ張って一旦楽屋に戻る。




「あのなぁ、何なんだよお前。俺を貶めてそんなに楽しいか?」

「ハイ。楽しいっす」

  もっちーの表情は氷のように冷たい。

  真面目そうなメガネ掛けてるくせに、心は病んでるなんて可哀想な奴だ。
  昔はこんな奴じゃなかったのにな・・・。


「シウさんに、本気で惚れてるんすか」

「はあ!? シウはな、尊すぎて神過ぎて、有り難すぎる存在なんだ。惚れてるの一言で片付けられるもんじゃねーの!だけど今、手が届く場所にいるんだよ。・・・奇跡。そう、俺は奇跡をこの手で起こそうとしてんだ!」

  俺のシウ愛を、そんな低俗な言葉で表現すんな!

「そっすか・・・」


  もっちーが冷めた表情のまま近付いて来て、思わず後退りする俺。

  くっ、情けねえ。なんで俺が追い詰められた感じになってんだよ。

  こんな奴にビビってるなんて・・・


「ヒロム先輩」

「・・・っ」

  一気に距離を詰めて来たもっちーが、ぎゅっと正面から抱きついてきて、俺は身構える。

「そんな風に思ってんの、ゲスな先輩らしくないっすよ。そんなにシウさんが大事っすか」

  ゲス と俺を侮辱しておきながらも、もっちーの声と腕は優しいような、切ないような雰囲気を纏っている。

  まさかと思うけど、もっちー、俺の事を・・・



  と思った瞬間、バスローブの裾から入ってきたもっちーの手に左の臀部を掴まれて、にゅるっとした何かが尻の中に押し込まれる感触。

「なっ!?」

「あー、動かないで。出てきちゃうんで」

「なにっ、何が出てくんのっ?なあ!」

  慌てる俺は、もっちーにされるがまま尻の穴に球体らしきものを挿入され、窄まりを覆うようにサージカルテープを貼られてしまう。


「何、挿れたんだよ!?」

「浣腸液っすよ。粘度あるやつなんですぐには出ないと思いますけど、撮影中出てきたら困るでしょーし、蓋しときました」


  ・・・か、浣腸!?


「そろそろ戻らないと。楽屋に籠って二人で何してんだって思われちゃいますんで」

  笑顔の奥で笑っていないもっちーの瞳と、自分の尻の中の異物感で、膝が震える。

「もっちー、なあ、勘弁してくれよ、こんな・・・」

「シウさん、見たところ恥を忍んで自衛してくれてるみたいですし、こっちも無闇に先輩がシウさんに手出さないよって誠意見せとかないと」

  何だって・・・?
  シウに貞操具を着けさせてんのは、こいつなのか?

  もっちー、何考えてんだよ。マジで狂ってる。

「今、あんたすげーいい顔してますよ。漏らすんじゃないかって不安すか?シウさんどころじゃなくなっちゃいますね、ははは」

  いい気味だ、とでも言わんばかりのもっちーの笑い声。


  優しかったはずの後輩は、とんでもない狂人になっていた。と気付いても今更遅い。


  撮影中の俺の苦難は更に続く・・・
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